「鈴森一」さんのページ

「タッチ」の香りがする野球漫画です。

本作は2005年から2010年にかけて週刊少年サンデーで連載されていました。
「タッチ」の頃とは違い、野球がそれほど若者に浸透しなくなった時代に連載されています。
しかし、この作品内の登場人物たちは、みんな「甲子園」に夢を見ていて、「タッチ」がブームだったあの頃のままです。

この「時代錯誤」感が、作品の大きな特徴だと思います。

携帯電話やインターネットはほとんど出てきませんし、主な舞台は、家と野球場と高校とバッティングセンター併設の喫茶店です。
メインキャラは喫茶店によく集い、ヒロインは喫茶店で働くこともあります。
完全に80年代のノリです。
いやー懐かしい。
あだち充先生の作風も当時とそれほど変わっておりません。
というか、「タッチ」との類似点は多いです。
(あまり書くとネタバレになるのでやめておきます。)

80年代に小中学生時代を過ごし、今やすっかりくたびれたおっさんになった自分にとって、この作品を読んだことが一種の清涼剤となりました。
元気をもらいました。

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[投稿:2025-02-07 13:47:47] [修正:2025-02-07 13:47:47]