「shinpe-」さんのページ

後続の「バキ」、「範馬刃牙」とあわせてのレビューを描きます。

まぁとにかくバイオレンス満載です。ただただ強さを求める主人公と脇役たちがぶつかり合い、殴り合い、まれに殺し合い、たまに友情を育んだりする漫画です。この「まれに」と「たまに」が自分の中で刃牙という漫画を10点に位置づける理由となっています。

彼らが闘うのはほとんどの場合相手を屈服させ、自分の目的を達成する為ではなくただ単に「自分自身が相手よりも上かどうか」を試すため。だから殴り合いはするもののその後に胸襟を開いて互いのことを認め合うシーンが多々あります。なんか古典的ですが、僕はこの漫画のそういうところが好きなんですよ。

ひたすらに「強さ」とは何かを求めるだけ、その基準において展開していくストーリー。魅力的な数々のキャラクター別の方法論の違いが戦い方、つまりは強さの追い求め方に現れます。ある者は本当の拳に出会うために日々自らの正拳を疑いつづけ、ある者は「1日に48時間のトレーニング」と死をも厭わぬ薬物の摂取を行い、あるものは危険に出会うことの無い―出会えない境地を目指し、ある者は最強を盾に自分自身の我侭を貫き通す。そして主人公はその我侭を止め、母の敵をとるためだけに強くなろうとする。

めちゃくちゃ古典的かつわっかりやすい漫画です。まさにエンターテイメントの本質だと僕は思っています。最近は回り道と冗長が過ぎるのではないかと思われている方も多いと思いますが、いいじゃないですか。この偉大な漫画のクライマックスは、俺はどれだけ遠回りしてもいいと思います。

あ、そうそう。個人的ベストバウトは

刃牙vs.ガイア
独歩vs.渋川

です。ベストの癖に2つですいません。すいませんついでにもうひとつ、刃牙好きな人何人かにベストバウトを訊いてみてください。たぶん滅多に被りません。それってこの漫画の懐の深さだと思いませんか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-20 01:11:55] [修正:2010-05-20 01:21:48]