「ヨノナカ」さんのページ

21世紀の名作!!!きょうの猫村さん!!!


と気合入れたレビュー書いてもいいんでしょうけど「猫村」ちっくじゃなくなるんで気抜いて書きましょうかね〜でもその前にちっと言わせてちょーだいね。


猫村さんは「脱力系」漫画として大人気だけれども、その作品としての完成度の高さは計り知れない。切り口は色々あるけれども、一つの例として「家政婦×猫」を編み出した非凡さについて触れる。

従来の猫を題材とした作品の良し悪しは「猫をどれだけ可愛く描くか」と「猫の仕草をどれだけうまく描くか」の2つに絞られると思う。チーズスイートホームなんかは猫をデフォルメ化し、捨て猫に対するふれあいをうまく描くことができた。漫画ではないけれども、猫の恩返しでは猫の自由気ままに生きる姿を描き好評を博した。このことからこの2つの条件がいずれの「猫作品」にも見られることがわかると思う。

しかし、「猫村さん」ではあえて猫の「自由気まま」という性質を無視した。猫村さんは実直(堅いねこの言葉)までの家政婦であり、自分を拾ってくれた「ぼっちゃん」やお勤め先の家族に対して絶対に否定的な考えを持たない。現実の猫を家政婦にしたら「もう嫌ニャ〜」とか言ってスタコラサッサと逃げやがるに違いない。

「猫村さん」であえて「家政婦」と「猫」という相反する2つのものを1つのキャラクターに押し込めたのには理由がある。生身の人間を家政婦にしたところで「可愛く」ないからだ。脱力系漫画として、家政婦が人間になってしまっては「がんばれ家政婦奮闘気」になってしまってほほえましい気持ちを読者に思い起こさせることができない。この作品のベクトルの全てが読者に思わず頬が弛んでしまうような気持ちを起こさせるように作られているのである。
登場人物も決して今風ではない。服装も生活環境も古い感じを受ける。考え方もそうだ。それも古き良き時代の思いを喚起させ、読者に安堵感を与えるためのものである。

つまり、「猫村さん」は猫とその絵柄だけで受けているのではなく、作者の巧妙な設定・描き方にあるのがお分かりいただけたのではないかと思う。これを頭で考えて設定したのであれば恐ろしいまでの秀才、そうでなくとも作者の魂をぶつけてかいたのだとしても若干30歳(多分)でこれをかける才能は天才と呼んでも差し支えないだろう。


したがって、この作品を手にして私が言えることはただ一つ。












♪みなさん読んでニャ〜♪



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[投稿:2006-02-15 16:09:09] [修正:2006-02-15 16:09:09]