「ヨノナカ」さんのページ

総レビュー数: 48レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年01月06日

概要については、他の方々が紹介されてるので割愛。かもすぞー。



菌や酒についての豆知識もさることながら、菌という現代社会では避けられがち、というかむしろ抹殺されてしまう生物(?)を通して、社会を風刺する着眼点がすばらしい。

1巻にちらりと除菌の話が出てくるのですが、全くもって作品の内容どおりで、このマンガを一通り読んだあとに、環境問題や食品問題を考えれば従来のあなたの考えが変わるはず。っていうか変われ。変わらなきゃかもすぞー。




さて、タイトルの「もやしもん」とはすなわち、「人類は菌を使って様々なものを醸してきたもの」という意味なのかなーと思いますが、





「地球のためと抜かしながら、自分たちの繁栄のことしか考えない人間共(きさまら)!!!人間こそ、地球を蝕む菌!!いや、もやしもんか・・・!」(岩明均、「寄生獣」より引用 注:一部変更)



な台詞があってるかなとも思います。

ちなみに、これに対しては、


「うるせー。かもすぞー。」



とかる〜く返答するのが、もやしもんとしてのマナー。





よくわからない?





それじゃあ、とりあえず1巻を読まなくちゃね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-11-02 01:05:58] [修正:2007-11-02 01:05:58] [このレビューのURL]

青春は決して明るくない。暗く苦しく愛おしいと言ってくれた数少ないマンガ。

私は青春とか思春期とか言う言葉が昔から大嫌いで、保健体育のテストの「思春期」という回答をかく欄を空白のまま提出にした記憶があります。当時の自分は精神的に不安定で、本一冊買うのに汗が止まらず、視線恐怖で街中を歩けなかったりしました。

12歳から20になるまでの時期は、いまだに思い出すと苦しいことがたくさんあります。あのころは、つらく、暗く、苦しい毎日でした。「春を思う時期」なんて呼び名は、つけた人間がよほどブラックユーモアが好きなのか、それとも相当ハッピーな人生を送ってきたやつに違いないと思っていましたし、今もそうです。

誰もがみんな「青春はすばらしい」と、「若いというのはすばらしい」と、諸手を挙げて賞賛します。ドラマでは恋をしていて、ニュースでは部活動に明け暮れていて、また友人に囲まれている。それがあるべき理想の青春。明るく、楽しく、甘い時代。
しかし私はその多くを得ることができないままでした。自分が決してそのような青春の表舞台に立つことはないと、「あぁ、俺は間違っていたんだ」と漠然と感じていました。そして、皆さんもそうだと思います。多くの人がつらく、苦しく、暗い時代をすごしてきたのだと、青春とはそういうものだったんだと、やっと知ることができたのは、さくらの唄を読んで、そして社会人となった今だったりするわけです。

この作品では、およそ青春と呼べない話がいっぱいです。恋と老獪と性と金と憧れと堕落と生きた証が詰まっています。これだけ言えばレビューとしては十分なくらいです。それだけ、詰まっています。荒削りで、偶然できたとしか言いようのない作風も、ここまで決まれば誰か神様が手を加えたんじゃないか、という感想も出てくるというものです。


あ、そうそう、今になって思うことはやっぱり私のあのころは青春だったんだな、ということですね。仕事帰りのマンガ喫茶で今そう感じています。よく生きた。よく生きろ。仕事もがんばれ。明日は休み(^^)

さぁ、くだらない青春の話でもいかがですか。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-06-10 03:10:13] [修正:2007-06-10 03:11:20] [このレビューのURL]

8点 蟲師

都心の豪華なホテルやあるいはリゾートの5つ星ホテルに飽きてしまって、辺鄙な田舎のランプの宿なんかに泊まってみたら意外と気に入った!この退廃的で懐かしい古き良き日本を感じる宿もいいじゃないか!
と思って1週間ぐらい泊まり続けていたらだんだんとその古き良き日本の雰囲気にも飽きてきてそろそろ違う趣向のホテルに泊まってみたいな〜。いやこの雰囲気もいいけど、ちょっと退屈かな。次は思いっきりはじけた南の島とか行きたいなぁ!




みたいな感想を抱く漫画。
面白いし、雰囲気も満点なんだけどそれだけじゃあ飽きる。
懐石料理もいいけれどたまには脂っこいものも食べたいの!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-13 22:07:52] [修正:2007-02-13 22:07:52] [このレビューのURL]

8点 PLUTO

面白いですねPLUTO。さすがといったところでしょうか。

先の読めない展開なのに、期待感は1ページごとに高まる!
ここまでくると職人芸ですね。これは「匠」の仕事!
1話1話がとんでもなく面白いので、ぜひ本誌で読むことをオススメします。毎日の楽しみが増えますので!


点数は期待感を込めて8点ということで。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-01-14 22:20:43] [修正:2007-01-14 22:20:43] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

あえて説明するのがバカらしいほどの怪作。
なんだけど読んだことがないので全巻揃えてみた。

しかし・・・・

なかなかこの作品の評価は難しい。

確かに、

個性的過ぎるほどの強烈なキャラクター。残酷ながらも神秘的なストーリー。そして痛々しいほどのテーゼ・・・

そのどれもが今までのマンガには無く、そしてひょっとしたら後生この作品に匹敵するものは現れないのではないか?というほどこのマンガは他の作品と比べて際立っています。


ただ、残念なのは・・・

あまりにも作品の中に作家の主義主張を詰め込みすぎたために、読者を置き去りにした感が否めません。
トシがかろうじて読者が感情移入できるキャラクターであるものの、それも中盤あたりまで。

別に読者におもねって作品を作れっていうわけじゃなくて、これは純粋に面白さのためにそうしたほうがいいのです。
読者ががんばって作品の解読をしなきゃいけない作品はどうしても「心」じゃなくて「頭」で読んでしまって素直に作品に入り込めません。おそらくこの作品を読んで本当に涙した人は少ないのではないかと思います。「感動」の一点であれば西原理恵子の「ぼくんち」に一歩譲らざるを得ないと私は考えます。

だからといって、この作品の価値が下がるわけではありません。むしろ、あがります。

特にジャンプに代表される少年誌では読者におもねりすぎだと感じます。売れるためには読者サービス(エロじゃないよ)に徹するのがそりゃあ得策でしょうけど、それじゃあ作品として薄っぺらいものしかできません。マックのハンバーガーみたいに余れば捨てられ食い散らかされのジャンクな末路を辿るだけです。

その点この作品の独善的なほどの作風はどうか。

確かに読者を選ぶでしょう、万人受けする平均的な作品ではないでしょう。それゆえに企業(出版社)としては積極的に売り出そうとは思わない作品でしょう。
そんな逆境の中、この作品が世に出され、打ち切りという噂あれど14巻まで描き続けることができたのは作家の強靭な意志と編集者・出版社の理解あってこそだと思います。

数多くの人に支えられて出版された、
数多くの人が虫ケラのように死んでいく、
数少ない人間ドラマの最高傑作。

是非、是非読むべきだと思います。
新説ザ・ワールド・イズ・マインも含めて。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-09-21 22:00:12] [修正:2006-09-21 22:00:12] [このレビューのURL]

オタクの話、でもあるけれどこれは青春(しかし決して甘いものでなく)の話。


誰だってどんな人だって青春はイタい。

フラれた経験数知れず、という人もいれば受験失敗しましたーな人もいるし、かなり不良入ってました!!という人もいるハズ。
ちなみに私は前者の2つ(涙)いやぁ、われながらイタイイタイ。

で、このげんしけんもそんな「イタイ」青春をおくったヤツラが出てくる物語。しかもほとんど全員が貴重な青春「オタク」に費やしてるっていうんだから見ちゃいられない。

もう卒業間近の私は、「おいおい、そんなことやってないでもっとがんばれよ・・・」とか、「コミフェス・・?就活しろよ・・」なんて思ってしまう。それはおそらく私が「大人」ってやつに近づいたからだろうと思う。

まぁ、それはともかくだ、青春がもう過去形になってる人はきっとこの本の中に流れてる時間の流れや仲間たち、そして「オタク」っていうイタイ青春がとてつもなく愛おしく感じると思う。

青春は誰だって一回だけ。なんて使い古された言葉だけども、この物語が終わるころにはきっと自分の中の青春が終わったような寂しさを感じるハズ。
そしてその中のキャラクターたちが本当に青春をともに過ごした仲間だったと感じるハズ。
その仲間たちを結びつけてくれた「オタク」っていうイタイやつがゴミのような宝物に見えてくるハズ。

青春をおくったひと、おくっているひと、みんなに読んでほしい一冊。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-09-15 00:03:03] [修正:2006-09-15 00:03:03] [このレビューのURL]

ダイエット中には決して読んでいけないマンガ。

お腹がすいてれば無性においしいものが食べたくなるし、
お腹がすいてなければちょっとおいしいものが食べたくなる。
そんな力を持っている作品。


内容は作者と同居人のアシスタントとその周囲の人々と適当な人間ドラマを織り交ぜながらいろいろと喰らっていく作品。ほぼタイトルどおり。


この作品の良い点はなんといっても「食いてぇ!!」という気持ちを起こさせるということ。
同じ食をテーマにしてる美味しんぼとは違い、肩ひじ張ることもなくおいしいものをただおいしいといいながら食べる。

しかしそれがなんともおいしそうに見えるから不思議!!!


「うまーい!子羊うまーい!!基本的に塩味なんだけどその塩味がサイコーうまい!!!!」

なんて台詞聞けば「くそぅ、フレンチ食いてぇなぁ・・!」

と感じるし、

「うなぎの脂があまいんだ〜!!わさびのせるとますますとろっと甘いよ!!!」

なんて台詞聞いちゃったら思わずスーパーにいってうなぎを買いたくなる。というか、私は買ってしまった。


とにかく、その食欲を刺激させる一点において、この作品の上をいくものはそうそうない。
彦麻呂のうそ臭い演技を見るくらいならこの作品を見たほうが遥かに人生楽しくなる。

食事が趣味!食べ歩き大好き!な人はぜひ見ることをお奨めする。


俺はこれからラーメン食べに言ってきますノシ

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-06-24 17:17:33] [修正:2006-06-24 17:17:33] [このレビューのURL]

21世紀の名作!!!きょうの猫村さん!!!


と気合入れたレビュー書いてもいいんでしょうけど「猫村」ちっくじゃなくなるんで気抜いて書きましょうかね〜でもその前にちっと言わせてちょーだいね。


猫村さんは「脱力系」漫画として大人気だけれども、その作品としての完成度の高さは計り知れない。切り口は色々あるけれども、一つの例として「家政婦×猫」を編み出した非凡さについて触れる。

従来の猫を題材とした作品の良し悪しは「猫をどれだけ可愛く描くか」と「猫の仕草をどれだけうまく描くか」の2つに絞られると思う。チーズスイートホームなんかは猫をデフォルメ化し、捨て猫に対するふれあいをうまく描くことができた。漫画ではないけれども、猫の恩返しでは猫の自由気ままに生きる姿を描き好評を博した。このことからこの2つの条件がいずれの「猫作品」にも見られることがわかると思う。

しかし、「猫村さん」ではあえて猫の「自由気まま」という性質を無視した。猫村さんは実直(堅いねこの言葉)までの家政婦であり、自分を拾ってくれた「ぼっちゃん」やお勤め先の家族に対して絶対に否定的な考えを持たない。現実の猫を家政婦にしたら「もう嫌ニャ〜」とか言ってスタコラサッサと逃げやがるに違いない。

「猫村さん」であえて「家政婦」と「猫」という相反する2つのものを1つのキャラクターに押し込めたのには理由がある。生身の人間を家政婦にしたところで「可愛く」ないからだ。脱力系漫画として、家政婦が人間になってしまっては「がんばれ家政婦奮闘気」になってしまってほほえましい気持ちを読者に思い起こさせることができない。この作品のベクトルの全てが読者に思わず頬が弛んでしまうような気持ちを起こさせるように作られているのである。
登場人物も決して今風ではない。服装も生活環境も古い感じを受ける。考え方もそうだ。それも古き良き時代の思いを喚起させ、読者に安堵感を与えるためのものである。

つまり、「猫村さん」は猫とその絵柄だけで受けているのではなく、作者の巧妙な設定・描き方にあるのがお分かりいただけたのではないかと思う。これを頭で考えて設定したのであれば恐ろしいまでの秀才、そうでなくとも作者の魂をぶつけてかいたのだとしても若干30歳(多分)でこれをかける才能は天才と呼んでも差し支えないだろう。


したがって、この作品を手にして私が言えることはただ一つ。












♪みなさん読んでニャ〜♪



ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-02-15 16:09:09] [修正:2006-02-15 16:09:09] [このレビューのURL]

クレヨンしんちゃんは傑作なのでは?

アニメでこそ「こどもに見せたくないアニメ」のトップに輝いてる悪名高い作品ですが・・・
私にはどうもそう思えない。

この作品の評価が悪いのはその「お下劣」なギャグと内容でしょうね。確かに内容は大人向けだし子どもに見せたくないと感じる親御さんの気持ちには納得いきます。私だって子どもに「見てほしい」なんて思わないですし。

ただ、作品からは不思議とあたたかさが感じてくるのです。
それはこの作品に流れる「家族の持つあたたかさ」ではないでしょうか。

サザエさんでは家族そろって食事をする風景がよく見られます。

波平は怖いけど頼もしい父親像。
フネは優しい母親像。
それに悪ガキのカツオなど。
いってみれば古き良き時代と言われたころの家族像がそこにはあります。
サザエさんの根底に流れるものはそういった古い時代の家族のあたたかさです。

ではクレヨンしんちゃんはどうか。
しんのすけはともかくとして、
飲んだくれでエッチなものに目がないひろし。
口うるさく格好いい男の前ではデレデレのみさえ。

およそサザエさんで描かれている父親像・母親像とはかけ離れています。「親としてしっかりせねば」という厳格な姿勢はほとんどない。
ひろしもみさえもとっても等身大で人間的です。
ただ、人間的だけどしっかりしんのすけと向き合って生活してるんですよね。

クレヨンしんちゃんの作品としてのよさはそこにあると思います。最近って虐待とかの話が多くて子どもを持つよさなんてあんまり語られないじゃないですか。
でもクレヨンしんちゃんって「格好悪くて頼りにならなそうな親でもいいんだよ」って語ってくれてるんですよね。

人間的でいいじゃない。
バカみたいでもいいじゃない。
家族の幸せってこういうものだよ。

って語ってくれている作品はなかなかないです。
サザエさんが「昔の」理想の家族像だとすれば
クレヨンしんちゃんは「今の」理想の家族像。

ギャグだけじゃなくて、そういう思想も感じ取れる。
したがって、この作品に8点。

ナイスレビュー: 11

[投稿:2006-02-04 16:44:49] [修正:2006-02-04 16:44:49] [このレビューのURL]

山下和美さんは秀才。天才ではなくて秀才。
演出も文句なしの漫画家さんだとおもいます。

さて、「不思議な少年」ですが、それぞれの話で登場する人間たちを通して、作者の思想・信条を表現していく漫画です。
したがって、作者の考えに同調できない人にとっては不快な漫画になる恐れ大。ただ、意味不明な主張をするわけではなくキチンと筋が通っているので安心して読めるかと思います。

個人的には2巻のソクラテスの話が◎
平和を語るということ自体、戦争の始まりなのでは?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-01-29 16:15:57] [修正:2006-01-29 16:15:57] [このレビューのURL]