「即身仏」さんのページ

日本ではその力を振るう事が出来ず、自分のスタイルで無いコンパクトなスタイルを強いられていた主人公が、紆余曲折あって日本で野球の出来なくなってしまった為にアメリカに渡ってメジャーリーガーを目指すという話ですが、心優しき主人公・巨峰貢の進む道は正に波乱万丈で、思うように行かない時があってもくじけそうになっても愚直に自分の信じた道・人生を進む姿は、テンプレートだといわれても描写自体が説得力があるので素直に読めた記憶があります。

もう一つ面白いのは、生きる事こそが大事と考える巨峰と散り際こそが大事と思っている(侍みたいな)三島との対比がなかなか面白かかったと思う。三島を最終的には自分の生き方に拘るエゴイストみたいな描写にし、それよりも巨峰の様な生きる事こそが大事だという考えを作者が示したと読んでて感じました。

野球だけならず人生観を示した大木の様な作品だったと。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-22 18:54:47] [修正:2010-09-22 18:54:47]