「即身仏」さんのページ

総レビュー数: 106レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月22日

「ネムルバカ」の主人公・鯨井ルカの家族と言うかその父親の漫画。

主人公はルカこと岩崎春香の姉の響子ではなくそのお父さんであり、結構チャランポランな言動とかリアクションに見えますが、その行動の端々には娘達を大事に思っているのが分かります。例えば春香が置いていったCDラジカセをずっと使っていたり、ニュースで流れている女の遺体が娘じゃないと分かった時に思わずへたり込んでしまう所などであり、いい加減だけど本当に大事な根っこはいい加減じゃないと思う。

この漫画の一番のキモは最後のお話の方のお父さんと春香との電話でのやり取りであり、娘に対する(父親・もしくは読者から見た)いい加減な価値観や憧れは本当に幸せに繋がらないと諭す場面であり、そんなんでお父さんは幸せなの?(と言ってると思われる)春香に対して母さんには旅行に活かせてやれるほど働いた・響子は結婚する・行方知れずだった春香が無事だと分かった俺が幸せでない訳でないだろうと言い切った(ついでに勢いで電話も切った(笑))お父さんが非常に格好良かった。

詰まる所、「ネムルバカ」は若さを謳歌した漫画であり、「響子と父さん」はお父さんの軽いようでそうでない家族の絆を描いた漫画かと。

お父さんがチャランポランに見えてしまうのは、それだけ家族の為に仕事を頑張ったという事、いわゆるジェネレーションギャップの裏返しなんじゃないかと個人的に思うのです。

若さが眩しくも痛々しい「ネムルバカ」よりも高評価とします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-11 10:26:27] [修正:2011-08-15 19:48:55] [このレビューのURL]

当時の週刊少年ジャンプを引っ張ったと言っても過言では無い作品の一つ。

原哲夫のキャラクターの動かし方もさることながら、色々な所でも触れられている様にラオウ編までは本当に素晴らしかった。それは多分、(後付けとは言え)ラオウやトキ等の登場人物の肉付けがしっかりされていたおかげであり、その甲斐あって非常に読み応えのある内容になっていました。

ただ惜しむらしくは、それ以降のお話はラオウ編と比較してもそう言った設定の肉付けが足りず、ラオウ編までを比較して物足りなく見えてしまうのは非常に惜しい。それと、これは時代の違いとも言えるかもしれないが、再起不能級の負傷をしてもその影響が感じられない様な描写があるのも残念な点。悪く言えば勢いが全面に出過ぎの印象。
そういったマイナス点は感じられるものの、読み始めたら一気に読んでしまう。そんな魅力のあった作品なのは事実だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-14 20:21:28] [修正:2011-08-14 20:21:28] [このレビューのURL]

1巻の頃からと比べると色々な意味で上手くなってます。
ミステリとかの部分については、そんなに優れている訳では無くそこそこといった感じか。
この漫画の秀逸な所は、丸子商店街や嵐山家といった面々の日常描写にあると思いますが、よつばと!とはちょっと違うかな、とも。

ただ、自分が何より嫌だと思うのは主人公の嵐山歩鳥。悪意の無い善良な小人物というのは理解出来るんですが、物語をかき回して動かすキャラの宿命なのか正直ウザいです。特に嫌だと思ったのは、真田が歩鳥に惚れてしまうきっかけ(真田の勘違い)とか数学教師で堅物の担任・森秋に対する仕打ち(笑)とかです。 ウザいけどちょっとだけ憎めない歩鳥に眼を瞑れば、結構楽しい漫画である事は間違い無いと思う良作であると。

8点に修正。

[追記]
しかし、お話が進むにつれて歩鳥の駄目さ加減が加速度的に進んでるような気がする・・・。この子、丸子商店街が無くなったら絶対将来苦労しそうで不安すら感じます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-22 08:29:39] [修正:2010-12-30 15:28:14] [このレビューのURL]

森薫。ただそれだけの理由で購入したこの漫画であるが、いやぁ、この人は本当に凄いですよね。この人に関しては奥村編集長にスカウトされて正解だったんでしょう。だって、作者の好きなように描かせてくれるんですから。

とにかく、布に縫い付けられている刺繍が恐ろしく綿密。勿論それだけじゃあ面白い訳が無い。登場人物達も綿密さと比例して活き活きしていて良い。この漫画も風俗とかキチンと描写しているのも良い。
2巻でアミルを返せ返さないといった「動」の描写も迫力があって良い。良い漫画なのである。

しかし、3巻はどうやらスミスの嫁になる?(仮定)人のお話になろうとは。見逃せないですね。

8点に修正。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-23 01:20:09] [修正:2010-12-11 22:39:01] [このレビューのURL]

みつどもえ自体、存在は知ってたしたまに読んでみると面白いのは分かってたんですが、前作の「子供学級」の内容があまりにも酷かったという嫌な記憶がありましたので熱心には読みませんでしたが、アニメ化ということもあり全巻揃えて読んだ所、ギャグ漫画としてもなかなか造りが良く出来ていました。

ただ、最初の方(1巻途中・短期集中連載の頃)はまだ試行錯誤している感じもあって内容・画力共に非常に荒っぽいのですが、巻数が進むにつれてキャラクターが立ってきたのもあり、等加速的に面白くなっていくのが分かる様に、作者の努力の跡が感じられるのも相まって非常に好印象です。

ギャグ漫画は非常に辛いジャンルではありますが、まだまだ走り続けて欲しいと思わせてくれる良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-22 19:08:27] [修正:2010-12-08 23:59:11] [このレビューのURL]

「釣りバカ日誌」や「深夜食堂」目当てにビッグコミックオリジナルを読んでいますが、この作品にも惹かれるものがあります。

実の所は有能で己の中に確固たる正義があるんだけれど性格的にかなりいい加減なおっさんである九頭元人が実に面白いし、周りの人物、果てはそのお話だけに出てくる人物達が騙されやすかったり擦れていたり欲深く反省していなかったり純真だったりと、とにかくお話共にしっかりしているので見ていて嫌な気持ちにはならない。絵柄は紙細工みたいだけどお話の骨格が実にしっかりしているからだと思う。

間違い無くお勧めの漫画である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-26 23:53:34] [修正:2010-11-20 09:48:49] [このレビューのURL]

内容自体は大した事無い、井之頭五郎という男性が腹が減ったので近くにある店で食べ物を食べるという流れの漫画なんだけど、その注文の仕方が、酒の飲めない日本人である井之頭五郎の食欲と言うか、どこか食い意地が張ってる性分のせいで余計なものを頼んで食べ残してしまったり、焼肉屋で調子に乗って注文しすぎて満腹になりすぎてしまったりとある意味微笑ましい失敗をしたりとかが実に愉快。

料理漫画の中でもこの漫画の料理が一番美味に見えるし食欲がそそる。更に思いがけず美味い食べ物を食べた時の井之頭五郎の表情が実に説得力があり、ここら辺の見せ方は流石は谷口ジローと言える。素直に巧い。

内容自体は平々凡々なのではあるけれども、作・画共にレベル自体が高いのでそれだけでも面白く感じてしまう。そんな良作であります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-16 00:12:13] [修正:2010-11-16 00:12:13] [このレビューのURL]

物語初め’(カスケードとの最初の対決)から有馬記念までは本当に「燃える」展開だった。

主人公である「うんこたれ蔵」ことミドリマキバオーがサラブレッドとしては余りにもちんちくりんな馬体で鞍上の山本菅助だけでなくマキバオーの頭の上にはネズミのチュウ兵衛親分と、下手したらサラブレッドを冒涜しているとも言えかねない見せ方ですが、ライバルであるカスケード達との死闘やチュウ兵衛親分の死別等の前には、そんな事は些細な事だと思える位に命を削りあって闘っている言える描写と説得力があった。前半のピークは正に4歳(現3歳)での有馬記念でした。

ただ、その後のドバイ遠征のお話がちょっと良くなかった。例えば、最強馬鹿のベアナックルのダートの中を潜って潜水艦さながらの勝ちっぷりだとか例はいくつかありますが、余りにも荒唐無稽の範囲を超えてしまったから。そこまでやってしまうと、ただでさえ危ういのにやり過ぎによって一気に白けてしまうからです。それでも、単行本最後のエルサレムらとの死闘や予後不良(サラブレッドにとっては助からないと同義語)級の骨折から再起し、大舞台でマキバオーの異父弟に当たるブリッツを追い詰める程の走りを見せた輝きは本物で、パッと見は異形ながらも実の所は競馬の「熱い」部分を見事に体現した競馬漫画の傑作なのは疑い様が無いと思っています。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-10-02 21:14:59] [修正:2010-11-10 19:17:01] [このレビューのURL]

原作者はどんな事があろうと、土下座してでもこの漫画を続けさせるべきだった。というか、この件で原作者の愚かさが実によく分かった終了劇。というのを決して言い過ぎだとは思いません。

コンビニにてこの漫画を表紙買いしたのですが、すっかりこの漫画の魅力に取り付かれて全巻購入した程、作者の伊藤悠さんはこの小説の魅力を十二分に引き出していた。だから、この漫画が突然連載終了した時は本当にショックでした。えぇ。
原作者はノータッチである程度まで伊藤悠さんに任せれば良かったのに。と言える位です。そしたらこの漫画はもっと凄い漫画になっていたと想像出来そうなものを・・・。

原作者は嫌いでも作品に罪は無い。本当に不遇な作品でした。その分の8点です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-03 23:09:45] [修正:2010-11-03 23:10:23] [このレビューのURL]

悪魔を題材にした漫画ですので、グリモアの罰でトカゲやカマキリになってしまったりと結構えげつないオチがありますが、基本ギャグ漫画ですのでそういった暗い面は引きずらずに笑い飛ばせてしまいます。

とにかく、この漫画に出てくるキャラクターは人・悪魔・天使・神・作者・編集者分け隔て無くクズ揃いです(笑)特に主人公?である悪魔のアザゼル篤史に対する残虐行為が(人外故に)実に凄まじいのですが、外見がえらくファンシーな姿で召還されてるのとアザゼルさんが実にアホなので残虐性を殆ど感じず、まるでこの漫画の風物詩の如く当然の風景に感じます(笑)

ブラックなギャグ漫画である筈なのですが、そういった後ろ暗さは感じられないおもろい漫画として読めます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-30 23:45:09] [修正:2010-10-30 13:46:17] [このレビューのURL]

<<前の10件
12