「左手」さんのページ
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「良い漫画には漫画としての"喜び"がある」
点数は高めですが、それぞれの漫画には必ず面白い所があるのでそこを自分なりの読み方が伝われば嬉しいです。
気になること&共感してほしいこと:女性漫画家の描く漫画の登場人物で漫画家や小説家など物書きが出てくる確率が異常。
赤ちゃんと僕の藤井君の母、彼氏彼女の事情の井沢、モテキのオム先生、だぁだぁだぁの漫画家、こどものおもちゃのサナの母、姫ちゃんのリボンの姫子の母、水色時代の主人公など。
これの現象は作中のキャラクターに自分を投影しているのだろうか・・・

10点 めだかボックス
「アンチジャンプのクーデター」
私自身、めだかボックスは必ずジャンプで最初に読むぐらいファンで愛読しています。まず自分のめだかボックスに対する立ち位置を最初に示します。
ジャンプで連載している作品は、漫画である前に「ジャンプである」という特殊な雑誌だと思います。
実際に今ヒットしている進撃の巨人を作者がジャンプに持ち込んだところ、「これはジャンプでやる漫画ではない、"ジャンプの"漫画を持って来い。」と言われたそうです。バクマンを読んでいても分かるようにジャンプはジャンプ色のある漫画でなければならない前提が必要なのです。
しかしながら、賛否両論が叫ばれるめだかボックスにはジャンプのテーマの友情・努力・勝利がこれでもかといわんばかりに入っています。それでいてなぜ、ここまで叩かれるのか?
まず、設定や展開を一つ一つ見ていきます。
話の内容自体は学園もの。これはジャンプでよくある設定です。
そして、主人公の黒神めだかは超天才です。ここまでするのは少し露骨ですが、ギャグ漫画以外のほとんどのジャンプ漫画でよくある主人公が天才設定。
序盤は日常で、途中からバトルに突入。これもジャンプでよくある幽々白書やキン肉マンなどでよく見る展開です。
バトルシーンの進め方や能力、勝敗の決め方は完全にジョジョです。また、キャラのポーズもまるでジョジョ立ちです。
また、死闘を繰り広げた敵が仲間になるのも、ダイの大冒険でいうクロコダインやヒュンケル、ジョジョの花京院やブチャラティ、ドラゴンボールのべジータ、などよくあることです。
めだかボックスとは今までのジャンプらしい良い要素をふんだんに盛り込んだ、悪く言えばトレースしているジャンプらしい漫画なのです。
しかしどうしてそれでも純粋なジャンプファンには受け入れられないのでしょうか?
それはアンチジャンプのスタンスを崩さないからです。めだかボックスによく使われるメタ発言で「もしジャンプだったら?」や「?はまるでジャンプじゃないか」と今までのジャンプを暗に批判しています。
例えば、死んで生き返ったらまるでジャンプの漫画、敵が絶対に勝てない理由はジャンプの主人公だから、など。
今までのジャンプを作り上げた巨大な漫画たちを尊重しながらもそれを踏み潰す様な発言に、純粋な"ジャンプ"読者は嫌悪さえも抱くのでしょう。
設定や展開などの外見はジャンプでありながら、その内に秘めているものはジャンプを否定するアンチに満たされている。
結論は、めだかボックスはジャンプでやるべきではない漫画です。が、外面はジャンプの装いをしたゲリラでジャンプのうちから破壊し、クーデターを起こそうとする危険分子なのです。
そう結論をつけた私ですが、そのクーデターを作者の楽しいユニークや遊び心としてめだかボックスを楽しめるか否かが読者の分かれ目ではないか、と思っています。
球磨川禊の括弧つけないあの演説には最大の感動を受けました。オススメです!
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-04-18 12:47:16] [修正:2011-04-18 12:47:16]