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8点 ヒミズ

下層から最下層に転落し、閉塞感が広がるとともにおかしくなっていく主人公を描ききった話。そこから一切浮気せず、四巻でぱっと終わったところが良い。
推理小説内の殺人は全貌が明らかになる一方で世間は未解決事件で溢れかえっているのと同じで、外部からの説教で人を救えるなんてことは現実には滅多にない(今まで自分にされた説教を思い出してほしい)、ということに気づかされる作品。
理由はよく分からないが主人公を好きになる人がいる・小汚い変質者が多数登場する、という古谷漫画の共通点も、ここでは話の流れとマッチしているのをはじめ、とにかく不自然さが無い。
雰囲気が終始一貫していて、流れを壊してしまうようなことが起こらず、だから他の漫画には当たり前にあるようなことが無く、オンリーワンの漫画だと思う。

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[投稿:2008-03-16 00:37:46] [修正:2010-07-11 02:30:39]