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8点 ONE PIECE
キャラを、人間を、世界を描くのが上手すぎる漫画だなと。
時には政府が悪となり、ドフラミンゴや黒ひげのような悪役が正論を時折放つこともある善悪観が柔軟な作風。
旧海軍三大将もそれぞれの正義感はバラバラであり、悪事を働いてる四皇や七武海も世界の均衡のために必要な存在となってしまってる。
いわば複雑な世界観を持つ作品。
そんな世界の中で主人公ルフィは自分のやりたいことをただひたすらにやりまくってる。曰く、「おれは支配なんかしない。この世で一番自由な奴が海賊王」だそう。
犯罪者の主人公に対して忖度しているような世界観ではなく、"海賊はどこまで行っても海賊"と、悪を肯定することなど決してない作風なのも好印象。
これだけでもうすでにかなり特異な漫画なのだが、自分が感心したのはそんな多種多様な価値観を持つ数多のキャラクター達を抱える巨大な世界観を破綻させることなく21世紀に入る前から今に至るまでたった一人の作者が作り続けてること。
戦闘力のインフレもそこまでしてないですよね。
(近海の雑魚に腕食われたシャンクスとクロコダイルの初期の懸賞金だけはさすがに設定ミスだと思うが)
ルフィは普段はおちゃらけているが時折カッコイイことをする。しかしその”読者に「カッコイイ」と思わせる瞬間”は恐らく尾田栄一郎にしか生み出せることができないくらいの独特さがある。(呪術〇戦にベラミーをワンパンKOするあの名シーンに酷似しているシーンがあったが、当然オリジナルには遠く及ばずだった)
いろいろな意味で唯一無二であり、作者の漫画づくりの上手さがうかがえる漫画。
努力友情勝利だけの漫画じゃないんですよ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2022-10-18 16:25:17] [修正:2024-06-08 06:48:25]