モンキーターンのレビュー
8点 鋼鉄くらげさん
もっと評価されてもいい漫画家の一人、河合克敏先生の作品です。自分は、この作品に出会うまで、全く競艇というものを知らなかったのですが、この作品を通して、競艇という競技が、どういうものであるのかを深く知る事が出来ました。
この作品を一言で言うなら、正に、職人気質の豆腐屋さんです。作品中にも、主人公の実家として、豆腐屋さんと、そこで働く一切の妥協を許さない職人気質の親父さんが出てきますが、あれは正に、河合先生の作品に対する姿勢そのものではないかと、私は考えています。
そう感じるのも、この作品が、実に丁寧に作られていると感じるからです。河合先生ほどの画力と、熱意、作品に対する愛情がなければ、レースそのものや、施設館内などで、これほど緻密で、正確な描写は生まれなかったのではないかと私は思います。
ストーリーは明瞭かつシンプルで、それほど厚みのあるものではありませんが、河合克敏という漫画家の、プロとしての仕事ぶりを見るだけでも、一見の価値はある作品だと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-05-30 21:00:31] [修正:2008-05-30 21:00:31] [このレビューのURL]
7点 チャドさん
競艇を全く知らなくても十分楽しめた。
キャラクターがあまり増えすぎず、競艇ならではの演出も漫画として目新しかった。
シリアスでもあり、コメディもあり、すごく読みやすかった。
適度の重さがありながらも、爽やかに読める作品。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-02-14 21:38:48] [修正:2008-02-14 21:38:48] [このレビューのURL]
8点 kakizakiさん
背が小さく野球選手を諦めた主人公が競艇選手を目指し、羽ばたいていく作品である。
正直最初は、全くハマれなかったが、研修が始まるところらへんからぐっと引き込まれた。競艇のイメージは、ボート・おやじ・ギャンブルしかなく余り良いイメージではなかったが、やってる選手はあんなに熱く勝負をしているとはとかなり感動した。
競艇は、ボートの操縦技術のみの戦いだと思っていたが、整備やプロペラなどまるで技術者のような部分にも凌ぎを削っている部分とかは、他のスポーツ漫画とかにはなく興奮した。
特に、プロペラでは「洞口スペシャル」、操縦技術では「Vモンキー」にどこに弱点があるのか、どのように破られるのかはみているこちらもハラハラした。
終盤は恋愛が多く、作者が青島さんが好きだったこともありこじれる展開となったのではないかと思った。個人的には青島派だったから良かったが、他の人は見てられなかっただろう・・・
いい終わり方だった。また、この興奮が収まって冷静になってから読みたい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2016-05-22 13:15:44] [修正:2016-05-22 13:15:44] [このレビューのURL]
6点 勾玉さん
こういう軟派な主人公も型に嵌ってないという点では有りかな、
(好きではないですけど)
でも、最後の2巻で駄目な部分が出すぎちゃいましたね、
波乱の展開は水上のレースだけで充分ですよっと…
気付けば、最後のレースは波多野じゃなく洞口を応援してました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-07-11 23:46:57] [修正:2015-07-15 07:42:06] [このレビューのURL]
8点 gundam22vさん
終盤の恋愛絡みで連載中に騒ぎが起こった作品かつ競艇というマイナー競技を題材とした漫画で長いなあというのが読む前の印象だった作品です。最初の6、7巻くらいが競艇学校でレースにはなかなか行きません。これがつまらないことはないのですが、いきなり敷居を感じました。しかしこれがあってこそという作品だったのは間違いないです。
ここでルールと基礎を覚えたことが競艇の奥深さをその後理解できるという格好になり、完全に初心者でも門戸を開くようになりましたから。それからは安定した面白さを保ちました。主人公波多野、ライバル洞口が無双する訳ではなく、それなりに挫折があり(怪我の下りは印象的。古池さんという主人公に物言う師匠がついたのも良かった)、課題を克服しつつ互いに地位が上下するのは面白かったですね。時間をかけてトップレイサーになって行きます。周辺人物達も実力、地位様々ですがそれぞれの活躍を描けていたと思います。
「帯ギュ」に比べると登場人物の人間性に黒さも出ますが、人間臭くて良かったとは思います(本当の腹黒人間はほとんど居ませんし)。終盤はその恋愛絡みは多少縺れましたが、積み重ねて来たのものが活きて実に綺麗に畳んで関心しました。恋愛絡みもありますが、普段はレース・競艇絡みの話が「帯ギュ」に比べると多いです(競艇選手の私生活の厳しさを逆に描けているが、息抜き部分がないとも言える)。浮気と言ってもキス1つしてないし、波多野は最後にはちゃんとケジメをつけた訳で(その選択も人として正しいもの)、人物達が納得する良い落としどころに行き着いて良かったです。振られた青島が行き着いた心情独白には感動しましたしね。なんだかんだで終盤の人間ドラマにも盛りあがりを感じました。
全30巻と長いですが、競艇という独自の世界を正面から描き切った功績は大きいと思います。レースの奥深さ、選手達の舞台裏も分かり敬意を抱けました。ギャンブルなのに不思議な爽やかさもあります。クオリティは同等だと思いますが、個人的な好みは「帯ギュ」以上でした。スポーツ漫画の名作だと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-06-13 14:45:48] [修正:2015-06-13 14:45:48] [このレビューのURL]
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