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6.8点(レビュー数:30人)

作者石塚真一

巻数18巻 (完結)

連載誌ビッグコミックオリジナル:2003年~ / 小学館

更新時刻 2010-08-15 12:40:12

あらすじ 山に魅せられた男、島崎三歩。若くして世界の巨峰を登頂した後、三歩が選んだ道は日本でのボランティア救助隊員だった。感情に流されることなく、常に最善の結果を求めて救助活動をする三歩。ときには非情で冷酷とみなされ、遭難者やその関係者と衝突することも。山があり、登頂者がそこを訪れる限り、三歩の救助は続く。

備考 当初はビッグコミックオリジナル増刊で不定期連載されていたが、途中からビッグコミックオリジナル本誌に移籍した。2008年第54回(平成20年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。「ビッグコミックオリジナル増刊」で不定期連載されていたが、2007年から「ビッグコミックオリジナル」に移籍した。

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岳のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全30 件

9点 shinpe-さん

山岳レスキューもの、という括りで読み始めるとまず肩すかしを食らったような気持ちになります。確かにレスキューは沢山あります。日常茶飯事です。しかしレスキューが物語として語られる場合にはハッピーエンドとして語られてきたのが一般的ではないでしょうか。その類いの漫画の系列には含められないです。なぜならバットエンドも数えきれないほどあるのだから。

この作品は人がもの凄く沢山死にます。それも自発的に登ってきた山で。現実のそのようなニュースを見るたびに山に対する認識の甘さとか、自然を舐めちゃいかん的な発想をしてしまいがちになるのですが、この漫画を読んで考え方が変わりました。ベストの状態で、かつ細心の注意を払っても死ぬことがあるのが山なのだと。

そんな山の厳しさと美しさを誰よりも知る三歩とそれを取り巻く人々を描いた物語です。山そのものというよりも、山という特殊な環境でしか見る事の出来ない人間の姿を描こうとした漫画だと言う風にも感じます。ほぼ一話完結型で、12巻までクオリティを落とす事無く書き続けている作者の力量と三歩という特別なキャラクターを生み出したパーソナリティには敬服しっぱなしです。長く長く続いて欲しい漫画の一つです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-09-17 13:10:03] [修正:2010-09-17 13:10:03] [このレビューのURL]

7点 booさん

山岳救助漫画なのだが、新人とは思えないほど一話一話のクオリティーが高い。何の装飾もなく描かれる遭難者たちは、あるときは救出され、またあるときは間に合わず死んでしまう。

助かるか、死んでしまうかの割合は半々くらいで、中々重い話も多いのだが、死んでも何かを残していくというのがほとんどであるので素直に感動できる。ラストの三歩の「また山においでよ」という言葉によってうまくしまって読後感はすっきりとしたものだ。

択一というエピソードが個人的には一番好き。すごく切ないです。今後ますます知名度上がると思われるので、今のうちに読んでおくことをすすめます。

【追記】
9点から7点に変更。
岳も10巻過ぎてきてマンネリ化が否定できない。以前の評価は4巻時点で、このあたりはまだ鮮烈な印象を受けていたからこその評価だったわけで…。
基本的に話が2パターンしかないのが見えてきてしまった。人が亡くなったら、近親者や友人がそれを受け入れるまでの話。そうじゃなければ、悩みを持った人が山に来ることで新たな光明を見出す話。
これから新境地を開拓してくれれば良いとして、このままの調子で続けるなら5巻くらいで終わるべきだったなとは思う。阿久津やナオタ、おばちゃん辺りの話で試行錯誤をしているのは感じるのでまだ希望はあるんじゃないか?
まだぎりぎりで良作。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-09-16 22:21:42] [修正:2011-09-01 15:33:03] [このレビューのURL]

4点 bugbugさん

バッタバッタと人が死にすぎて
情緒を感じる暇さえないです

山の怖さや魅力を伝えようとする漫画なんですが
主人公がスーパーマン過ぎてリアリティに欠けるし
人物描写もドライなタッチで描かれるので、感情移入しにくい
ヒューマンドラマとしても微妙です

山の魅力を伝えようとする演出も
薄味で、いまいちのめり込めない
さっと流し読みする分にはいいが、深く読み込む類の漫画ではない

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-01-31 20:06:00] [修正:2009-07-25 13:53:39] [このレビューのURL]

7点 Masakiさん

[ネタバレあり]

登山家である主人公が登山を楽しみつつ、救助のボランティアもやっているというかなり独特な設定の漫画です。

基本的には誰かが遭難したのを主人公の三歩が助けに行く、というものなので展開がいつも一緒とか、中盤から中だるみしているなどとの評価もありますが、自分は中々どうして最後まで飽きずに読めました。
絵についても余り画力が変わっていないなどと言われるようですが、自分は三歩の救助後の大きな笑顔一つで癒されますw
ヒロイン役の久美ちゃんも人間くさくてかわいいですし。
あえて言うなら囲み文字で登山系のウンチクや解説があっても良かったかなとは思います、基本読者が知っている事を前提の描写なので。

序盤はシンプルに遭難者を救助(もしくは遺体を回収)して三歩がよく頑張った!で終わりですが、中盤からザックや久美、阿久津、ナオタといったサブキャラにもストーリーが割り当てられ、世界観の構築に一役買ってます。
特に阿久津は美人の奥さんと結婚、子供も生まれて幸せな家庭を築くという典型的な事故フラグを立てまくってきっちり回収、という波瀾万丈なキャラになってしまいました。

最終盤については賛否両論で、極限状況下ではまず自分を助ける事が重要、と語られていたのに三歩は限界ラインを超えて救助活動に行ってしまった上にほぼ確実に二重遭難死したであろう展開はちょっと悲しいオチですね・・・
作者いわくは死んでない、などというコメントをしたとの話もありましたがリップサービスかなと。
また久美が三歩に好意を持つような描写がそこかしこにあっただけに、まさか最終回でエピソードが1つほどしかなかった青木(民間救助ヘリの運転手)と結婚して子供までいた展開にはかなり驚きました。まあそれを見ても三歩は既にいない世界なんだと思っちゃいましたが。

最終盤は悲しくなってしまいましたが、登山の楽しさとその裏側の恐怖・危険を上手く描いた名作です、何度も読み返すほどではないですが、全巻一気読みしたので評価は7点です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-10-10 22:27:43] [修正:2013-10-10 22:37:57] [このレビューのURL]

7点 gundam22vさん

画力も表現も及第点で、基本一話完結の構成も良く出来た
山岳救助漫画です。5巻くらいまでは話題になって、賞貰えるだけ
あるなと質が相当高く印象に残る山の厳しさを物語る救助
話でした。助けられない人間の数が多いのもリアルで心に
残ります。主人公の三歩の底抜けに明るく優しいがときに
厳しさや暗さを内包、天然かと思ったら緻密な
計算をしている的なキャラが魅力的でこれで物語
を引っ張れてるのはたしかです。シビアな物語も多いのに
緩衝されます。

しばらくしてから人情話、周辺キャラ話にシフトして、それはそれで今度は山の魅力を語って面白いのですが、最初の頃からするとインパクトで失速したな感は出ますね。
話のパターンもちょっと読めて来るのが増えます。
三歩を他キャラから間接的に語るシーンが中心になったのも熱量が
落ちたかなと。浮世離れした三歩をヒロイン久美が尊敬
して行くものの、山岳救助の師弟的な感じ
に終始して安易に恋愛にならなかったのは良かったですが
(この辺人間関係の機微も広く描けている)。

しかし15巻くらいで三歩の周辺に事件が発生で
酷いことになって衝撃を与え、三歩が限界登山に挑戦するという
最終章になって緊迫感が出てきます。日本アルプスに限定
されていたのが、世界の山へという形ではじまり最終巻で賛否
両論のようですが、また衝撃の結末で物語を終えました(個人的には肯定です。心に残りました)。

もっと巻数絞れたかな、人情話は上手いけどもっと登山の技術論
にも踏み込んでも良かったのではとは思いますが、良作漫画
だったのはたしかです。この漫画を読むと山は良いなと思いますが、シビアな面が濃いので行きたくなくなる気持ちも生じてしまいますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-10-27 14:29:45] [修正:2012-10-27 14:33:23] [このレビューのURL]

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