おやすみプンプンのレビュー
8点 アメさん
無職の父親、酒と男にだらしない母親、新興宗教にかぶれた両親を持つ境界例っぽい女の子、常識人のようだが意志が弱く欲望に流されて人を傷つけてしまう叔父など、シリアスな問題を抱える人たちが目白押しで出てくる。
好みの問題だが、この容赦ない鬱々とした雰囲気はとても良くできていて引き込まれる。
作品の最大の特徴は、主人公とその親族が可愛らしい鳥の姿で描かれていること。この仕掛けによって、内容が陰惨で泥臭くなりすぎず、作品が透明感のあるものになっている。主人公が記号的な分、ゆがんだ世界を素通しで見られる感覚。
ただ、お話の行き着く先が見えない、展開が遅い点が気にかかる。悲惨な話が続くだけでマンネリ化してしまわないか心配だ。
個人的にとても好きな作品なので、どこかで突き抜けて、うまく着地(どんな形でも)させてほしい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2013-02-06 20:47:30] [修正:2013-02-06 20:47:30] [このレビューのURL]
5点 BuBuさん
フォルムが鳥にしか見えない少年プンプンの成長を描いた作品。
上記の通り主人公とその家族はヘンテコな外見をしていますが、
それは彼らが物語の主人公であることの象徴のようです。
一見独創的なデザインのようにも思えますが、
それはむしろ絵は上手いものの、主人公足り得るキャラクター、
つまりドラゴンボールで言えば悟空や、スラムダンクで言えば桜木花道。
そう言った魅力あるキャラクターとそれ以外のキャラクターの差別化が苦手な作者の
上手な描き分け方法なのかな、とも思います。
そんなキャラクターが小学校から始まって
恋や挫折などを味わいながら成長していくリアルな作品です。
本当にリアルな分、人生の残酷さもリアルに描いています。
個人的には、小学校時代の物語は凄く好きだったのですが、
プンプンが成長するに連れてだんだんと暗くなっていった辺りから
微妙な印象になってしまいました。
昨今言われるような、所謂「深い話」「鬱」というやつです。
最終的にどんな落とし方をするのかにもよって、評価は大きく変わると思うのですが。
デザインは独創的ですが、絵が綺麗なので読みやすいです。
作者の色々な信念、考えなどがギュッと詰まった作品だと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-14 13:47:17] [修正:2010-09-14 13:49:03] [このレビューのURL]
1点 わすれなぐささん
ごめんなさい。ついていけませんでした。
友達が絶賛していた浅野いにおさんの作品だったので期待はさせていただきました。ですが、ちょっとぷんぷんの設定についていけませんし、表情を始めとして全体的に気持ち悪かったです。我慢すれば読めますが、私には全く合わない漫画でした。ストーリーも意味が分かりません。健全な箇所はほとんど無い作品です(別に健全性を求めているわけではありませんが…)。子どもの日常を描いているというようにも思えませんでした。子どもは純粋と混沌という両面を持っていると私は思いますが、この作品では純粋さをほとんど感じることが出来ませんでした。4巻までしか読んでいない私はこんなことをいう権利は無いかもしれませんが、敢えて言わせてもらいます。私が読んだ漫画のなかでも最低レベルの満足度しかえられませんでした。
ただ、私の周りには浅野いにおさんの絵や世界観が好きだという人は多いです。また装丁は好きです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-02-24 15:03:56] [修正:2010-02-24 15:03:56] [このレビューのURL]
4点 二軍Tシャツさん
ファンの方はごめんなさい。
この漫画は、僕が嫌いなタイプの漫画です。
この漫画、作者が狙いにいってるのが、鼻につく。
こんなの、プンプンみたいな可愛いキャラと、妙にリアルな現実をミスマッチさせて、読者ウケを狙ってるだけでは?
ときおり出てくる、狂った人や、狂った人の表情も、なんか意味あんの?
そこに特に意味するものはあるの?
という風に、ひねくれものの僕は思ってしまうわけです。ごめんなさい。
この点数は、そういう余分な所は考えずに、ただの恋愛漫画として考えたときの点数です。
そうでもしなきゃイライラして0点、1点つけるかも…
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-02-01 02:47:33] [修正:2009-02-01 02:47:33] [このレビューのURL]
8点 朔太さん
一言で言えば、ビジュアル化された純文学。太宰治に通じる系譜を感じる。
小野寺雄一も含めたプン山一族は全員、自殺願望を抱きながら一縷の希望を人生に
託している。閉塞感と将来への未期待で全編が覆われていて、人生の重い課題を問う。
一方で、優れた画力が有りながら、思い切った主役一族の簡素化表現で奇抜さを装う。
その点で、芸術性は十分であり、インテリ読者だけを囲い込む。
こんな手法があったのかと驚いている内に、プンプンの人生に読者も関わりを持たされた
感じがする。読後感は良くないが、南場サチの菩薩に通じる母性で救われる。
シナリオの上手さで読まされる。一読をお勧めする。
13巻読破。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-07-03 00:26:26] [修正:2015-10-04 18:01:12] [このレビューのURL]
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