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総レビュー数: 32レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月07日

10点 寄生獣

例えば、様々な作品において「あそこでああしていれば面白かったのに」だとか、「あそこで終わっていれば名作だった」なんて評価は誰しもが見聞きしたことがあると思います。
それは単純に物語の中だるみや絵柄の劣化、あるいは作者のアイディアが枯渇したりだとかによるところが大きいのですが、この作品においてそういった負の面は一切見られません。程よい尺にバランスよく配置されたキャラクターに緻密なストーリー、それでいて全く物足りなさを感じないのは脱帽の一言。
「無駄が無い」という一点において、これほど完璧な作品を私は他に知りません。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-07 16:55:22] [修正:2009-09-23 12:28:52] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この先生は悪者を描くのが本当に上手。
この作品に登場する不良生徒などの悪役は本当に悪そうで、本当に嫌なヤツだったりする。でも『自分の高校時代にもこういう悪そうなのいたよね』っていう妙なリアリティーもある。

そう、この漫画はリアリティーが溢れていると思う。
ここで言うリアリティーって言うのは設定とかのことじゃなく、キャラクターの言動、物事に関するリアクションなどが本当に人間らしいと感じる。これが欠如してる作品は大体、キャラクター達だけがぶっちぎってその心情などが伝わりにくく読者置いてけぼりになりやすいのだけど、この漫画にはそういうことがない。
そういうキャラクター達の集う環境の中にいきなり侍なんて突飛な人物が登場するのだから、面白くないわけがないでしょ(笑)


終わり方が唐突すぎたのが多少残念ですが良作。愉快痛快、是非とも手にとってスカッとしてほしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-10 17:59:38] [修正:2009-08-19 17:31:58] [このレビューのURL]

可愛らしい絵柄とシリアスな展開の不一致を強く感じる作品。

最後までその印象を拭えなかったのは、作風云々より物語の多くを占める戦闘シーンにおいて全く迫力を感じられなかったことが大きいと思います。せめてパンチの描写くらいもう少し頑張って欲しかった・・・。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-24 23:59:18] [修正:2009-08-19 17:27:16] [このレビューのURL]

児童向け漫画と侮る無かれ。
幾重にも伏線を張り巡らせた秀逸なストーリーや知略走る頭脳戦は上質な王道少年漫画のそれと全く遜色ないです。
特に1部、2部の内容は特筆もの。(原作となっているゲームが当時は初期バージョンだったこともあり)開示されたとても少ない情報から作者独自の工夫を加えて物語を構築していく様は、ゲームをプレイしたことのある者からすれば只々驚嘆するばかり。ゲーム内での雰囲気や設定を殺すことなく最大限に活かしています。

あと、この漫画をわかりやすく例えるなら「対象年齢を落としたジョジョ」と言えば通じやすいと思います。秀逸な台詞回し、ただのパワー比べではない戦闘、綿密に組まれたストーリー、そういった要素に魅力を感じる方は是非とも手にとって欲しい作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-19 17:23:03] [修正:2009-08-19 17:23:03] [このレビューのURL]

麻雀において重要な技術と運。そしてさらに様々なイカサマを駆使して戦うバイニンを描いた麻雀漫画。
独特な絵柄から生まれるキャラクター達は一癖も二癖もあり、イカサマを用いた頭脳戦、心理戦などの描写はなかなか楽しめます。

ただ、後半にいくにつれて、イカサマのみに特化したキャラクターがあまりにも多く登場し、『イカサマを見破れば勝ち』という図式が成り立ってしまい、麻雀漫画としての面白みは減ってしまいワンパターン化してしまったのが残念。
その分あまり麻雀に詳しくなくてもそれなりに楽しめる作品ではありますが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-09 17:23:42] [修正:2009-07-28 20:18:18] [このレビューのURL]

格好良いというよりキザでわざとらしい。感動するというより狙いすぎてあざとい。台詞の中でやたら多用される大袈裟な太字や、王道通り越してべったべたな展開の連続のせいでそんな印象が常に付きまとう漫画。

序盤はベタだろうと絵の美麗さでまぁまぁ読めるんですけどね。ただ、長期連載の中で結局最後まで作品の魅力が画力だけなんだからこの評価も仕方ないかと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-28 19:52:00] [修正:2009-07-28 19:52:00] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

身も蓋も無いことを言ってしまうと、読者にとって作品が持つテーマなんて何を扱ってようが構わないんですよね。
ただ、キャラクター達がそれに即して行動し、考え抜いた挙句に自分なりの結論を出す様がしっかりと描かれているということは非常に重要だと思うわけです。

この作品においてのテーマは贖罪。かつて多くの人間を殺めた主人公はその自責の念に作中常に苛まれるわけですが、大事な人を救う為だったり、誤った道へと進もうとしている者を説得するためだったり、或いは国家転覆を狙うテロリストから日本を守る為に、悩みながらも自らの力を振るっていきます。
そして最終章において一度はどん底に突き落とされた主人公が復活し、求め続けていた贖罪に対する答えを最後の最後に導き出す。そこでようやくこの物語のテーマは完結するわけです。

この漫画の評価内容で多いのが、いわゆる京都編で終わっておけば良かったというものなのですが、確かに少年漫画としてみるならば勢い良しバトル良しの京都編は傑作だと思います。しかしこの作品が持つテーマと真正面から向き合い決着させるには、その後の人誅編こそが物語の核心部ではないでしょうか。
それまでのお話に比べて勢いが無くなった。話が重く、暗くなった。少年漫画という括りで見るなら決して喜ばしいことではありません。しかし「るろうに剣心」という作品を本当の意味で完結させるにはやはりこの章は必須であると感じますね。

悩んで悩んで悩みぬいて、ついに自分なりの答えを出す。そのプロセスをちゃんと描いているからこそ、読み手も感情移入できるし、キャラの心情も伝わってくると言うものです。その点において優秀なこの作品は評価したいなぁ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-24 22:33:44] [修正:2009-07-24 22:33:44] [このレビューのURL]

アニメの冒頭とかでたまに「俺は高校生探偵工藤新一!ある日謎の男達に薬を飲まされ体が縮んで云々」みたいなナレーションが入りますが、この語りに数話分プラスした程度しか10数年に渡る連載においてストーリーの本筋が進んでいないから泣ける。実際売れてるし人気もありますが、果たしてそれは面白いからなんでしょうかね。少なくとも作品初期の頃の読者と現在のファンが感じている面白さは全く異質なものだと思うのですが。

一部の強烈なファンを除いた読者はコナンが動いているから面白いわけじゃないんですよ。コナンが謎に直面して、徐々に明らかになっていく伏線だったり、容疑者を相手とっての頭脳戦だったり、あるいは犯人に命を狙われての直接対決だったり。そういうのがあるからこそ作品として面白いんじゃないの?そういった魅力的な要素が少なくなってきて段々クオリティの下がっていくエピソードをコナン君が淡々と片付けていくだけでは、読み手は何を楽しめば良いのかがさっぱりわからない。

一応さ、黒の組織を追い詰めて元の姿に戻るっていう最終目標がいっちばん初期の段階から設定されてるんだし、幾らなんでももう少しペースを上げても良いんじゃないかな。
あぁ、そんな話だったね。でももうとっくに興味無いからどうでもいいよ。ってなる前に。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-07-24 13:27:41] [修正:2009-07-24 13:27:41] [このレビューのURL]

あっと驚くイカサマも無い。圧倒的な強運も無い。ましてや人間離れした特殊能力なんてあるはずもない。ただただ日々培ってきた知識と感性で打ち続け、時には勝ち、そして負ける。

そういう当たり前の部分にこそスポットを当てた上で、読者を飽きさせないストーリーの数々。これこそ「麻雀漫画」であると声を大にして言いたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-07-24 12:03:38] [修正:2009-07-24 12:03:38] [このレビューのURL]

8点 銀と金

アカギやカイジなどを手がける福本伸行先生の作品。
前述の作品に比べると知名度はやや劣りますが読み応えは抜群です。

各々の人物の緻密な心理描写、莫大な財産や自らの命を賭けた緊張感溢れるギャンブル、知略走る駆け引き等々の福本漫画ならではの持ち味が遺憾なく発揮されており、特に勝負方法が常に斬新で先の展開の予想を許さない意外性に満ちているのも魅力。
この作者さんの作品の中では一番のオススメです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-25 04:56:54] [修正:2008-12-25 04:56:54] [このレビューのURL]

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