「右から左へ。」さんのページ

総レビュー数: 52レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年10月09日


他のレビュアーが、大体のことをすでに書ききっている感がある。だけども、小中学校で必ずといっていいほど置いてある本であり、私自身かなり読んだ。もっとも今となっては、印象的なシーンのみが残っているわけであるが。ゆえに、思想的な面から考えてみたいと思う。

私はこの本が必ずと言っていいほど小中学校の図書室におかれている背後に、日教組の関与があるのではないかと思っている。なぜ左翼的な本ばかりが図書室に置かれているのだろうか。もし、左翼的な本を図書室に置くのであれば、右翼的な本も置かれてしかるべきであるはずだ。決して中山元国交相のように日教組のすべてが悪だと断言するつもりはない。しかし、幼少の頃にこの漫画を何度も読むことは、いい面もあると思うが、負の側面も大きいと思われる。

本題に戻る。

この本の感想を端的に述べると、左翼的思想の中でも暴論的なものの助長の一翼を担っているのではないかと思われた。もちろん、米国による原爆投下を受け、まさに生き地獄を味わった張本人である方々が、平和を切に願い、戦争に反対するのは当然の感情と言える。

だが、その実、この漫画で訴えられている反米的な思想を持った登場人物たちの言動や、廃墟と化した広島の町並み、時に犯罪行為ですら厭わない登場人物。被害者の側にたつ作者が描くこのような現実には、そもそもの戦争の事実認識自体に由来する偏向がみられるのではないか。当然ながら、歴史関連の本で真に中道であることは難しい。また、当時の悲惨な状況の中で、そのような行為に走らざろうえなかったという事実もあるだろう。作者にも、できうる限り現実に即して描こうという気概はあっただろうが、当時の惨状を目にして、被害者側の偏向が加わることは避けられなかったことと思われた。そのことを読者である、小中学生が判断しながら読み進められるかどうか。

被害者側からの(米国から見れば被害者は自分自身だと言いたくもなるだろうが)、一面的なアプローチだということを認識しつつ読めるようになるまで、この本は読むべきではないだろう。そういった戦争への思想の根源に関わる本を、小中学校の図書室に置くことは悪影響も大きいのではないか。そう感じた。また、もしこのような本を図書室に置くのであれば、戦争の相手国からの視点や、右翼的な思想を含んだ書籍も置くべきだ。

作品として点数をつけることもおかしい部類の漫画だとは思うが、楽しく読めるように配慮はされていた。歴史認識の本としては欠陥を抱えている。しかしながら、歴史認識についての議論の喚起を促したという点で、可もなく不可もなく。右翼、左翼を問わずに自己の判断を持って読むという前提の上で、一読はおすすめしたい。原爆の悲惨さだけはまぎれもない事実なのであるから。5点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-21 13:39:41] [修正:2008-10-21 19:24:38] [このレビューのURL]


最近の回は読んでいない。また、読んだことのある回も最初から10巻程度と、ランダムに後の7,8巻を読んだ程度。とても深くは語れないが、読んだ感想をば。以上のことをご了承のほどを。

社会に与えた影響は大きい漫画であろう。学校にすら配置されていたことに加えて、自分の先生世代ですら知っている。生半可な蘊蓄や情報に踊らされてグルメ通を気取っていた人は、この漫画を読んでギクリとしたのではないだろうか。

しっかりとした取材に裏付く料理や食材に関する情報と蘊蓄、おいしそうに料理を見せる画力には感心した。また、ただの料理漫画にとどまらない人間関係の描写。お手本のような料理漫画でありながら、魅せる努力がなされている。

だが、100巻以上も続ける必要のある漫画であったかどうか。こち亀と一緒で毎回それぞれオチをつけて、まとまりのある内容とはなっている。しかしながら、当然ながらマンネリ化、それに伴う陳腐なドラマ演出が見ていてつらい。もう少しコンパクトにまとまった漫画であったならば、さらなる読者を獲得できたであろうし、もっと評価されてもおかしくない漫画である。

他のレビュアーも述べているように、現在では功労賞的な評価が主流となっているようだ。だが、初期のころは漫画としても、しっかりと確立された漫画となっている。それこそ食わず嫌いになっている人には読んでもらいたい漫画。

特に、ジャンクフード、ファストフードがこれほど跋扈している現代でこそ、この漫画の提起するスローフードがもっと見直されてもよいのではないだろうか。ぜひ一読していただきたい。後半の失速を考慮して、良質な漫画、6点の評価とした。序盤だけなら8点を献上したいところであった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-10-21 18:04:57] [修正:2008-10-21 18:04:57] [このレビューのURL]


原作が山田風太郎の小説ということで読んでみた。

立ち読みには最適の漫画。

5巻と短いし、基本的にバトル漫画なので、コマ割りが大きくてさくさくと読める。エロ、グロもそこまできつくないので読んでても別に恥ずかしくない。

上記のようにバトルが中心。甲賀弦之介と伊賀の朧の恋愛も要素といえば要素ではあるが、所詮は5巻と短い内容。掘り下げ方は浅く、ラストも意外性がない。だが、戦闘は楽しめた。それだけで十分の漫画。こういったら山田風太郎に失礼か。

ほどよいエロと、ほどよいバトルを求める人にはおすすめしたい。ただ買ってまで読むかと言われれば、私は買わないかな。さくっと読めるから立ち読みで楽しんでほしい。エンターテイメント性はばっちり。B級の良質漫画。6点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-21 16:11:06] [修正:2008-10-21 16:11:06] [このレビューのURL]


歳をとれば、誰しも現実生活が少し窮屈に感じられてくる。そんなときに、童心に戻りたいなぁ、と感じた時におすすめしたい漫画。

主人公が敵と戦い、成長する王道漫画ばかり読んでいると疲れる。同様に、このような淡々とした日常描写を中心とする漫画ばかり読んでいても退屈だ。バランスの取れた読み方をすることが大切なのだと思う。以上は低評価レビューを読んで感じたこと。

本題に戻ると。

疲れた時によつばの破天荒な行動を読むと癒される。猫好きな人の心理とはこんな感じなのだろうか。私は犬も猫も嫌いだが。子供の心理を描くのは難しい作業だと思うのだが、あずまきよひこは描くのがうまい。そういえば、自分も昔はこんな手のかかる子供だったなぁ、と親から聞かされた苦労話を思い出す。そして今の窮屈な日常を顧みるのだ。あぁ、こんなふうに素直に、純情に生きたい。などと叶わない夢をよつばに託して、私は今日も窮屈に生きる。

全体的にみると、そこまで絶賛する類の漫画ではないように思う。ただ、もはや戻れない日常を思い出して、今の自分を見つめなおすときに読みたい漫画。エンターテイメント性も、笑いを臭くない程度に挟み込んでおり、さくっと読むことができる。夢中になって読むことのできる漫画。7点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-21 15:39:00] [修正:2008-10-21 15:39:00] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]


ちょっと昼ドラな香りのする、ひぐらし祟殺し編。ちなみに私は真相を暴こうと考えながら読んでいない。ご了承のほどを。また、鬼隠し編、綿流し編は読了済み。

相も変わらず序盤を読み進めるのがきつい。平和な村の演出なのはわかるんだけども、あまりに現実感のない田舎の描写が見ていてしんどい。序盤は、ただただがんばって読み進めてほしい。

中盤、話は急展開する。叔父の登場で、沙都子がかわいそうなほどいじめられ始める。ここから昼ドラ劇場のはじまりはじまり。あんなことやこんなことを沙都子がされながらも必死に耐える。見ててかわいそうなはず、なんだがここもあまりに演出臭くて感情移入がなぜかできない。だが、そこは正義感あふれる主人公。沙都子のために色々なアクションを起こす。

終盤、話はさらに迷走、もとい怒涛の展開を見せる。詳細を述べると、これから読む人がつまらなくなるので割愛する。とにかくここを楽しめないと、全体が楽しめなくなるとだけは言っておこう。壮大なスケール。

全体として、うーん。って感じだった。鬼隠し編のが話としてまとまっていたから読みやすかったなと。こういうのも悪くないんだろうけど、やってくれるのは昼ドラだけで十分。この作品にこういうこというのは無粋とは思うが、もうちょっとリアリティを出してくれと。そう思った。エンターテイメント性はあるが、何回も楽しんで読める漫画では無いかな。可もなく不可もなく。5点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-21 08:19:49] [修正:2008-10-21 08:19:49] [このレビューのURL]


全体的にクールな画風。

これ以上のいいところを書くのがつらい漫画。某県で有害図書指定されるだけあって、グロいシーンはいっぱいあるんだけども。子供の成育上悪いとか言うつもりはない。グロを追求するのはいいんだけれども、爽快感がない。ただの気持ち悪いで終わってしまっている。

ストーリーも無いに等しいのではないだろうか。伏線も広げるだけ広げちゃってる感じだし。

全体的に、滅茶苦茶やってみましたとしか言えない。それがサイコだと勘違いしてるイタい漫画。個人的にはリアル鬼ごっこと同レベルの駄作漫画。絵がマシであることを加味した。2点。それ以上でもそれ以下でもない漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-20 19:24:16] [修正:2008-10-20 19:24:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]


皆さんちょっと評価辛くないですか。ってことで一筆。

ラストこそ未完で終わらせてしまったが、序盤、中盤まではそこそこまとまりのある話だったと思う。アンケート至上主義の週刊少年ジャンプの編集部の阿呆な方針で打ち切られたものの、武井宏之自身、様々な場所でシャーマンキング打ち切りの無念さを述べている。ゆえに、伏線や能力のインフレのせいで話が滅茶苦茶になったから打ち切ったというのはあやまりだと思われる。

元の話に戻る。

絵も、オーバーソウルのメカっぽい描写など、好き嫌いは分かれるとは思うが、私としては結構好きであった。コスチュームがオーバーソウルの能力に影響するとか、面白い設定もあった。また、皆さんがおっしゃるように、アンナのサイドストーリーである恐山ルヴォワール編では、武井宏之の持つ才能の片鱗が見えた。

詩とストーリーを融合させるうまさは、他の同様の漫画家よりも優れていたと思うし、情緒あふれる恐山の描写もうまく描けていた。何より、アンナがなぜあれほど葉に固執しているのかもわかるように、サイドストーリーで設定を回収しようとし、連載継続への積極的な姿勢がうかがえた。

終盤はやや失速気味であったが、それでも他の週刊少年ジャンプ連載作品と比べて、著しく品質が劣化しているわけでもないように感じた。何より、インフレや設定の破たんは長期連載作品では、ほとんどの作品で見られることであるわけだし。そもそもハオが強すぎるおかげでインフレも吸収できる要素があったわけだ。

それだけに打ち切りは残念だった。あれさえなければ平均で7点ぐらいの評価になってもおかしくない作品である。惜しいんだが、未完終了だけは言い訳のできない事実であるので、やや辛めに6点とした。良作漫画ではあると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-19 19:19:59] [修正:2008-10-19 19:19:59] [このレビューのURL]


童心に戻りたいなぁ、と感じた漫画。

3巻まで読んだが、壺にハマるギャグが皆無。歳を感じるのが耐え難くなり、読むことをやめてしまった。

マサルさんのパワーあるギャグは、脳内を右から左へ通過していった。中学生の頃ならば、ジャガーとか笑いながら読んでいたのに・・・思うに、ネタが吹っ飛びすぎてて、青年の中でも脳内中年みたいな私にはヒットしなかったんだと思う。何て言うんだろう。吹っ飛んでるだけの吹っ飛びみたいな。もっとセンスがほしかった。自分でもよく分からないけれど、飛ぶだけ飛んでみました、っていう感じの漫画。ぶっ飛んで瞬間的に大爆発させる笑いばかりだと壮年層にはなおさら辛いと思う。読んでて、後で振り返るとクスリときて、深く読むにつれて徐々に大爆笑につながるような笑いも入れてほしかった。

暇つぶし程度には読むことのできる漫画。4点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-19 16:30:36] [修正:2008-10-19 16:30:36] [このレビューのURL]


仇敵が魅力的な漫画。原作は読んでいない。

原作があるから、難解な哲学っぽくならなくてよかった気がする。もっとも、原作をかなりアレンジしたようではあるが。藤崎竜の漫画はある程度歯止めがないと、分かりづらくなって少年漫画に向かなくなるだけでなく、一般の読者にも読むのがつらくなる。ここらで話を戻すと。

何より妲己が最後まで魅力的な悪役を演じられたということが、この漫画を面白くさせた。紂王を操り、国を乱す悪女という初めの設定は、いかにもな悪役像である。だが、その真意が、話を進めていくごとに徐々に明らかとなっていく。その大筋の流れが決定していたからこそ、様々な伏線が回収でき、壮大なスケールの話となっても話が破綻せずに、持ちこたえることができた原因であると思う。

また、読者と等身大の主人公に好感が持てた。常に精一杯、力一杯、限界まで頑張る、既存の少年漫画の主人公像のイメージが、私の中ではこの作品で変えられた。ダルいダルい、と普段はサボっているが、やらなければならないときには力を入れて頑張る。そういうメリハリのよさが見てて好感が持てた。この後に続くだるだる系主人公にも影響を与えたのではないだろうか。

全体的に、少年漫画としては伏線を何とか回収しつつ、ラストまでうまくまとめた感のある漫画である。さらに、脇役にも恵まれて、華のある漫画となった。夢中になって読むことのできる、良作の少年漫画。ぜひ一読していただきたい。7点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-19 16:06:46] [修正:2008-10-19 16:06:46] [このレビューのURL]

6点 バキ


最初に手に取ったのが、グラップラー刃牙ではなくこの作品のほうだったため、読んでみた。

内容はといえば、超弩級超人たちのハチャメチャ喧嘩バトル漫画なのだが、案外雰囲気だけで楽しめた。前作を知っていなくても楽しめる。ところどころよく分からないけど、雰囲気で何となくわかるように配慮されているからだ。サクサク読んでいけることに加えて、理屈抜きで話が展開していくから深く考えずに読むことができる。ストレス解消にはいいかも。

ただ、読んでいくとお腹いっぱいになる漫画。一気に読むと爽快なのだが、もういいですって感じに途中からなっていく。立ち読みだけで30巻以上読めた漫画は初めてだけど、立ち読みだけでお腹いっぱい。細かい内容などは忘れてしまったが、自分で買ってまで読み返そうとは思わなかった。

全体の雰囲気を感じて楽しむことができたのならば、それでいいと思う。爽快感のあるエンターテイメント性を備えた、良作B級漫画。6点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-17 22:34:22] [修正:2008-10-17 22:34:22] [このレビューのURL]