「コステロガーデン」さんのページ

総レビュー数: 225レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月12日

ナイーブな内面とハードな現実のコントラスト(引用)

コミック巻末にある解説が、この作品の世界観により深みとコクを与えてくれて、
またしっかりとした知識の元で話が成り立っているので、
大人が読んでも楽しめる作品。

主人公ガリィの、戦いの中に自分の存在を求めるの姿が魅力的に描かれ、
彼女と一戦交えるサイボーグ連中も、機械の見た目とはウラハラに、
実に人間臭い複雑な感情を持ったナイスな連中ばかり。
賞金稼ぎあり、格闘スポーツあり、恋愛あり、さまざまな要素を取り入れ、
飽きさせずに作品に広がりを持たせているので、
濃い世界を楽しめると思います。

内容とは別にして面白いのは
映画「ローラーボール」を元にしたストーリーが組み込まれているこのマンガが、
今度は原作として、ジェームス・キャメロン監督の元、映画化されるという事。
映画から→マンガへ→そしてまた映画へ。
珍しい流れだなぁと思いました。
映画大国アメリカとマンガ文化のニッポン、
お互いが刺激し合って、パクり合ってのスキルアップは
映画ファン、マンガファンにとって嬉しい事なので、どんどんやってほしいものですね。

◇この作品の個人的価値=全9巻で 2700円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-10-11 19:22:06] [修正:2005-10-11 19:22:06] [このレビューのURL]

スピード感と立体感の中を飛ぶ。

絵のセンスとか世界観とかはすごく好きですが、
カッコつけようという作者の意向があまりに全面に出過ぎている為、
スタイリッシュすぎて熱さが伝わって来ません。
もっと泥臭いものがあってもいいと思うのですが、残念です。

また、ストーリー展開も非常につまらない。
ムダな話やギャグを入れ過ぎてるせいか、
どうも違う作品が割り込んできているように見えてしまい、
読む気が失せてきます。
脱線をほどほどにしてくれたら
もう少し作品が引き締まると思うのですが。。。
いずれにせよ、私は今のところこの作品に対して
絵を楽しむ以外の楽しみはまだ見つけられていません。

◇この作品の個人的価値=10巻までで 1000円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-05 23:12:55] [修正:2005-10-09 23:15:40] [このレビューのURL]

7点 レベルE

「我」がでまくっている天才的作品。

参りました。
この作者の頭のなかはいったいどうなっているのでしょう?
すごい展開をいともあっさりやってのける感じが天才的です。
ギャグもよかったです。キャラもよかったです。
バトル漫画よりこういう作品を描くのが性にあっていると思います。
もう少し続いて欲しかったです。

◇この作品の個人的価値=全3巻で 1000円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-04 00:30:15] [修正:2005-10-09 22:41:14] [このレビューのURL]

まさに和醸良酒の世界です。

酒に関する数多のウンチク、
ここに近代農業の問題、地域社会の問題が絡んできます。
それも物語を展開していく上での
欠かせない要素として絡んでくるのです。
これは本当に勉強になる作品。
ストーリーに関しては「良い話」という感想しか持てませんでしたが、
人生を酒造り一筋にかけるじっちゃんの生き様はすばらしく、
そしてまた切なかったです。

また「味」が絡んでくる為、やはり作者の表現力不足の感は否めませんでした。
確かに日本酒は世界一味が複雑な酒なので、表現は難しいと思いますが。。。
それでも日本酒への見方がだいぶ変わる良質の作品です。

◇この作品の個人的価値=全12巻で 3500円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-07 19:31:39] [修正:2005-10-09 22:39:34] [このレビューのURL]

つまらんと思いながらも先が気になってしまう。

「MONSTER」の悪いところがさらに悪化している作品。
複層的なストーリー展開は上手いし、
魅せ方も上手い。でも繋ぎ方がどうもいまいち。
整理整頓ができないのか、あえてなのかは解りませんが、
この展開の飛び方はどうも私は合いません。
それでも15巻程度で話をまとめていれば、
だいぶ絞まって、マシだったと思います。

謎が解けていくほどに、だんだんつまらなくなっていきますし、
話をひっぱるだけ、ひっぱって、期待させて、
結局その程度?というような感じがたくさんあります。
いったいあいつはどうなったんだ?という投げっぱなしの伏線も
いまだ消化どころか端っこに寄せられているものも多くありますし、非常に気になりもどかしい。

でも、12巻初版のみの「アレ」には物凄くビックリして、
一瞬、現実との区別がつかなくなったのも事実ですし、
「MONSTER」好きな人は問題なく楽しめると思います。

今後の展開と伏線の消化、終わり方で評価も変わってくると思いますが、
今の所このくらいです。

◇この作品の個人的価値=19巻までで 6000円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-14 23:13:47] [修正:2005-10-09 22:29:38] [このレビューのURL]

7点 AGAPES

闇の中で戦い続けた日々は決して君を裏切らない。。。

絵のテクニックのレベルばかりが上昇して、中味の薄いマンガが多い中、
作者が美しいと思う人間像を惜しみなく登場させるこの作品は、
「Bバージン」同様、読者に何かを与えることを目的に描かれています。

一方的献身であるアガペーを、身を削りながらも純粋に遂行する主人公ユリは
恐ろしい程に健気で、デリケートな存在。
そんな彼を取り巻く4人の男達もまた、底知れぬ闇を抱えながらも戦う戦士。
そして、そんな彼等を支え、見つめる女性たち。
みんなそれぞれ大きな闇を抱えていて、それに潰されそうになりながらも
必死にもがき、光を求め足掻き続ける愛すべき人物像たちです。

作中、太極図を指していった言葉があります。
「光は完全な光ではなく必ず一点の闇をもち、闇は完全な闇ではなく必ず一点の光をもつ。
いっぱい傷付いて落ち込むんだ、救われないほど暗く深く、絶望のどん底で初めて見える光がある
それが本当の希望だよ。」
挫折とか絶望とかを恐れずに飛びこめば、光は見えてくる。という
この国で闇を恐れて生きる我々への大きなヒントがそこにあるようです。

残念な事に打ち切りになってしまった作品なのですが、
打ち切りながらもうまくまとめて終わらせています。
できることなら陽編もダイジェスト的にでもいいから読みたかったです。
「Bバージン」のスターシステムもまたちょっと嬉しい演出でした。

◇この作品の個人的価値=全9巻で 3000円也?

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-09-21 23:21:45] [修正:2005-10-09 22:20:55] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

愛すべきダメ人間たち!

しょっぱなから、いきなり暗い展開で始まります。
でも、そこは作者お得意のギャグでそういう雰囲気を吹き飛ばしてはいますが
底辺を漂っているのは「稲中」の後半から見受けられる病んだ目でみる人生観。

この後に「グリーンヒル」「ヒズミ」「シガテラ」と続いていく作品も、
人生をテーマにした哲学的ギャグマンガという傾向ですが、
この作品は、独自の濃いギャグと人生というテーマが、他の作品に比べて
非常によいバランスを保っている感じがしました。
個人的にはこの作品以降はテーマ性が強すぎてあまり好きではないのですが、
この作品が面白いと感じる方は、「グリーンヒル」くらいまでは面白く読めるのではないでしょうか?

古谷氏のマンガを読んで、思う教訓は、
「めんどくさいから」で終わってしまうとダメ人間になるということ。
でもこれがなかなか難しい。。。

最終回での「お前がイトキンを殴るな−!」のシーンがベストでした。

◇この作品の個人的価値=全4巻で 400円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-09 22:15:45] [修正:2005-10-09 22:15:45] [このレビューのURL]

ちょっとした暇つぶしにはもってこい。

どこから読んでも、ある程度の設定
(あさり=アポな主人公、タタミ=意地悪で頭の良い姉、さんご=ママ)
さえわかっていれば読めてしまうのが何より。
一話一話があっと言う間に終わるのでちょっとした時間潰しになりますし、
また、話が単純で何にも考えずにスラスラ読めるのも楽でよい。

よくこれだけネタが続くなぁと感心しますが、
よく考えれば、もともとたいしたネタでもないので納得。
個人的には単行本丸々一冊分の長編を描いた作品が何冊かあるのですが、
それが一番好きでした。
大長編ドラえもんならぬ、大長編あさりちゃんという感じで、
あさりとタタミのたくましさにはどんな困難も問題ではありません。

とはいっても、全巻読破はさすがに飽きますし、読破するものでもない気がします。
ちょこちょこと暇つぶしや気分転換に読むのが最適なマンガだと思われます。

◇この作品の個人的価値=48巻までで 3500円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 22:12:14] [修正:2005-10-09 22:12:14] [このレビューのURL]

この漢、温情にして豪快なり!

質の高い舞台や映画を観て高揚する感覚を憶えるほど、
この作品は美しさと優しさに溢れ、ロマンに満ちています。
原作の雰囲気を残しつつ、
少年誌という難しい枠のなかで作品を描ききった作者の意気込みと意地を感じます。
また、表情や仕種などの表現力がすばらしく、
心の奥底の感情を目もとや口もとの微妙な描きわけで適格に表現しています。

そして、とにかく主人公「前田慶次」の人柄がすばらしい。
人には上も下もなしとし、さらに人も獣も花も樹も違いがなく、それらを愛でし暖かな心と、
己の信念を貫く事に命をも惜しまない度胸の良さと、それを愉しみとするスケールの大きさには
男として、人として、思わずみとれてしまうものがあります。
彼に惹かれ、共にいくさ場で死ぬ事を誇りに思うもの、
または敵対するも、いくさ人としての彼の生き方を尊重し、尊敬し
合いまみえる事を喜びとするもの、
前田慶次のもとにはそんな真の男たちが自然と集まってきます。

戦国の世を自由奔放に駆け抜けた「前田慶次」という爽やかな風の物語は、
作品の善し悪しという次元ではない崇高なモノを感じずにはいられません。
終わり方もとてもよく、言葉ではなかなか表現できない、
なんともいわれぬ風流さと華やかさと儚さに満たされています。
より多くの人に読んでもらいたい、そう思える作品です。

◇この作品の個人的価値=全18巻で 5400円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 21:55:05] [修正:2005-10-09 21:55:05] [このレビューのURL]

12
次の10件>>