「dollbox」さんのページ

総レビュー数: 155レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月09日

現在連載している少年漫画の中では抜群の深さをもつ作品。
まず「等価交換」という根本の原則が非常によく出来ている。
錬金術だけに限らず、作中に起こるすべての出来事にこのルールが働いており、物語が進む上で必要不可欠なものになっています。
このルールのおかげで、少年漫画にありがちなご都合展開にもなりにくい。
なんて素晴らしいんだ等価交換。

そして主役のエルリック兄弟の絶望に向き合いながら生きる姿も力強く、まさに少年漫画の主人公の鏡でしょう。

徐々に佳境になりつつある物語。少年漫画の範囲にとどまらず、深いテーマをどんどん突き詰めてほしいです。
より一層ダークな展開に期待しています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-01-23 22:13:12] [修正:2006-01-23 22:13:12] [このレビューのURL]

松本大洋に初めて触れた作品ですが、今まで読まず嫌いしていたのを激しく後悔した。
内容が素晴らしいのはもちろん、絵が本当にかっこいい。
ペンで描いた平坦な線なのに、動きがあり熱がある。早い話、魂がこもっている。
構図もキャラの表情もこれしかないっていうくらいピッタリです。
もう文句なしの傑作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-01-22 22:09:24] [修正:2006-01-22 22:09:24] [このレビューのURL]

高橋留美子が「恋愛」だけに絞って漫画を描けば、これだけ素晴らしい名作が生まれるんだな。
ホモ臭さとかご都合とかに逃げず、現実的な恋愛をしっかり描いた漫画は案外少ないような気がする。
なおかつ老若男女だれでも楽しめるときたら、名作と呼ぶしかないでしょ。
響子さんと五代くんという人間を知れば知るほど、作品が深みを増していきます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-01-22 01:06:24] [修正:2006-01-22 01:06:24] [このレビューのURL]

なにげないことが、なにより素晴らしい。
忙しいとつい忘れがちなそんなことを思い出させてくれます。 
自分の周りの色々な大切なものに気付くことができるのではないでしょうか。
この空気はアルバムを眺めている時のそれに似ている気がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-24 03:57:27] [修正:2005-09-24 03:57:27] [このレビューのURL]

見るも無惨な残虐描写の連続、社会を小馬鹿にしたような皮肉的で不道徳な言動の数々。
これらは時にニュースやドキュメンタリー以上のリアリティを放ち、鈍感になった僕のアンテナを刺激し続けるのだ。

それは人間の本質を客観的に映し出し、命の尊さを嘲笑うかのような、作中に漂う「生々しさ」が原因なのでしょう。

『命の値段いくらや!?』
トシがこの言葉を発した時から、無意識の内に僕は作中の人間の価値を勘定し続けていた。
そこから見えてきたのは尊いと感じる命と、そうでないものの存在。
それが命には平等に価値がないということなのか?
そしてそれが自分自身の想像力の限界なのか?

だけど、核兵器が世界中に放たれた瞬間こうも思った。
ああ、人間の命はなんて尊いんだろうと。
結局僕の感性なんてものはそんな曖昧でいい加減なものなのかもしれない。
作り話の中にしかリアルを感じられないなんてどうかしてる。
貧困な想像力は馬鹿の証なり。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-07-16 23:39:34] [修正:2005-07-16 23:39:34] [このレビューのURL]

12
次の10件>>