「shutaro」さんのページ

総レビュー数: 23レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年10月20日

8点 寄生獣

これぞ名作といった感のある90年代を代表する有名SF漫画。
絵は古臭いと言うか淡白ではあるが、SFとしてのエンターテイメントを
追求した構成・演出とメッセージ性がとてもバランス良く織り交ぜられており、
SF設定やスプラッタ描写の適度さもさることながら、登場人物や
ストーリー展開にまったくもって無駄がなく、とてもスマートに仕上がっている。
やや後付け的に「環境問題に対する姿勢」などのテーマが出てくるものの、
「人とは」「生きるとは」といった主題を掲げ、それを一応の形ではあるが、
エンターテイメントと両立しつつ処理し描ききった事はとても素晴らしい。

ハラハラドキドキとSFを楽しみながらも、読後に考えさせられるタネを
与えてくれる、まるでSF漫画のお手本のような岩明均の大代表作。
(個人的には「七夕の国」の方がオススメですが)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-26 14:53:16] [修正:2005-10-26 14:53:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「寄生獣」を期待すれば拍子抜けするであろう地味なSF物語。
核となる謎やそれを追う展開はあるものの、エンターテイメント性はあまり
なく、主人公も「活躍しない」ことで活躍する能天気な大学生だが、
それを補って余りあるほど想像以上に深く哲学的な作品でもある。

主たるテーマは「主体性」だが、そこから広がる死生観や宗教観を物語に
絡ませていく手法は素晴らしい。特に「窓の外」と言う言葉は、いわゆる
神の領域である不可知なるものを感覚的直感的に捉えた見事な表現である。
また、登場人物たちの行動がそれぞれ示唆に富んでいて興味深い。
立ち止まって考え、力を使う者は死して再生する事を選択し、
立ち止まって考え、力を使わない者はその人生を切り開かんとし、
立ち止まって考え、他に力と自らを委ねた者はあっけなく排除され、
考える事をやめ、流される者たちは畏怖と盲信の檻の中である。
これらの行動を見事にSFと伝奇的な物語とに融合させている。

忙しく生き急ぐ方々にぜひ一度立ち止まって読んでもらいたい。
現代の主体性を欠く風潮に喝を入れるばかりか人生訓から哲学までもが
入った、4巻と短いながらも考えされられる名作。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2005-10-26 14:15:15] [修正:2005-10-26 14:15:15] [このレビューのURL]

9点 SUGAR

漫画の鬼才がボクシングの天才を描いた漫画。
数あるボクシング漫画の中でも特に異彩を放ち、アクが強く人を選ぶが、
ひとたび新井英樹漫画の「読み方」が身に付けば必ずハマる作品。
それだけでひとつの漫画が作れそうなほどの濃い脇キャラの中にあっても、
まったく埋もれないどころか、より際立っている主人公リンの描き方は
TWIMでも見せたキャラ立ての才能が如何なく発揮されている。
また、セリフでの言葉のチョイスがセンス抜群。
ボクシング描写もスタイリッシュ。

絵柄や独特のキャラ回しに食わず嫌いをせず、
手に取って最後まで読んで欲しい。思わず他人に勧めたくなる傑作漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-20 22:04:58] [修正:2005-10-20 22:04:58] [このレビューのURL]

原作が頭にあるせいか、どうしても比べてしまい違和感が目に付きます。
あんな突飛なアレンジをするくらいなら原作を忠実に再現するか
オリジナルの新しい「宮本武蔵」を開拓した方が良かったと思います。
武蔵にしろ竜馬にしろ既成のイメージにヘタに手を加えるのであれば
現状の解釈を徹底的に崩し再構築した物語の方が読みたいのです。

井上氏ならそれらが出来る漫画家であろうと期待してただけに残念です。
ただただ絵がスタイリッシュなだけの漫画という印象が拭えません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-20 21:06:05] [修正:2005-10-20 21:06:05] [このレビューのURL]

7点 DEATH NOTE

ヘタなサスペンス小説よりは余程面白い。
青年誌であれば哲学的な方向にいったり社会問題に切り込んでみたりする
であろうやや陳腐な設定を、ジャンプお得意の(バカの一つ覚えの)バトルへと
持ち込んだ点が功を奏し、ありそうでなかった異色の作品である。
並みの作家なら「このアイデアは後の為に置いておこう」とか
「このネタで4話くらいはもつな」と考えそうな駆け引きや展開のタネを
これでもかと言うほど詰め込み、出し惜しみなく使っているおかげか
セリフも多く読み応えが十ニ分にあり、お買い得さ満点。
だが、後から後から新ルールが追加されていくのでなんでもありな感じは否めなく、
作者の都合一つで新たなトリックを出されても読者は白けるだろう。
また詰め込みの弊害としてのちの展開がマンネリにならないか心配でもある。

現時点では次編が完結していないので、ライトvsL編でこの点数。
ここで終わっておけば良かったのに・・・とならないように期待したい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-20 20:41:42] [修正:2005-10-20 20:41:42] [このレビューのURL]

ハラハラドキドキする展開や突飛な設定、奇抜なアイデアなどが
あるわけではないが、淡々と進むストーリーの中に人物の葛藤が
優しくそして力強く描かれており、上質で温かさ溢れる大人な漫画。
派手さばかりを追い求めずに描ききった姿勢には好感が持てるし、ある意味
ベタで哲学的な展開になるものの、これがデビュー作だというのは
正直言って驚きです。今後にも期待出来そうですし。

団背広さんの言うとおり、おまけの4コマはスベってますが、
少し肌寒くなる秋口にぜひ読んで欲しい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-20 20:10:03] [修正:2005-10-20 20:10:03] [このレビューのURL]

ぶっちぎりで「昔は良かったランキング」第一位になるであろう漫画。
本当に大好きでした。
大笑いし、マニアな分野にも興味を持ち、時にはホロりと泣く。
人によって好きな時期は分かれるでしょう。90巻台辺りから雲行きが怪しくなります。
が、他の方のレビューにもある通り概ね2ケタ巻は安心して読めるでしょう。
いつまでも老いの醜態を晒す事無く、すっぱり完結して欲しいと思います。

〜100巻が7点。
101巻〜が3点。
コレだけの長期連載ということでプラス1点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-20 19:11:13] [修正:2005-10-20 19:11:13] [このレビューのURL]

4点 GANTZ

[ネタバレあり]

今までになさそうでありそうな設定や世界観はなかなか引き込まれる。
最後の方まで一緒に闘うのだと思い込んでたキャラが死ぬ展開も良い。
オールCGという淡白でのっぺりした絵も独特な世界を醸し出している。
が、である。15巻まで読んだが、
ほとんど明らかにされない謎にイライラ。
必要のない風景カットや無駄な大ゴマ意味なし小ゴマにイライラ。
次々に巻き起こる冗長なバトル描写にイライラ。
キモチ悪いほどの巨乳にイライラ。
・・・イライラの連続で、読み続ける気力がとうとう果てた。

はっきり言って無駄に巻数を伸ばしすぎである。
完結してないので何とも言いにくいが、ここまでで5、6巻位に纏めてあれば
また違った評価が出来たであろう惜しい漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-20 18:50:49] [修正:2005-10-20 18:55:54] [このレビューのURL]

友人に借りて読みました。
知りたくないようで知りたいオタクワールドの勉強になります。
決して傑作ではないもののいい漫画でした。
予備知識があまりないのでイマイチ分からないギャグなどもありましたが
全体的に見てホンワカホノボノときどきクスッって感じで面白いです。
また、非オタクの素人キャラが橋渡し役となっていて、その道に詳しくない
私をストーリー及びディープなオタク世界へと引きずり込んでくれました。

この本を友人に返し、ふと「同人誌ってモノをちょっと貸してくれない?」と
言ってしまった時の、僅かに見せた友人のニヤリという口が忘れられません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-20 17:45:01] [修正:2005-10-20 17:45:01] [このレビューのURL]

面白いです。
一定のクオリティを保ち続けている事も素晴らしいです。

が、いい加減に完結して欲しいのです。
連載を追い続けるのに疲れたんです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-20 17:27:21] [修正:2005-10-20 17:27:21] [このレビューのURL]