「フィロ」さんのページ

総レビュー数: 34レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年03月23日

[ネタバレあり]

エリジウム的な格差のある世界観のSF漫画。
モーターボール編が一番好きです。

序盤に仲良くなった少年は死ぬわ、イドはああなるわ、鋼鉄の天使ガリィにとっても読者にとっても容赦ない展開が続きます。

マカクやザパンや博士をはじめとする敵キャラが立っててゾクゾクします。

SFとしての設定に目新しさはなくなったかもしれませんが、人間描写の掘り下げが深く、今なお哲学的な魅力がある作品です。
定期的に読み返したくなります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 19:32:42] [修正:2018-12-17 19:37:46] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

背景は史実を元にして書いてあり、そこにフィクションの登場人物を織り混ぜて描いてあります。
歴史をよく勉強してあるなと思いました。

宮廷の華やかさで乙女心をゆさぶり、市民の苦悩に感涙させられます。

オスカルやアンドレを初めとするキャラクターは、その意思や感情にリアリティーがあり、引き込まれました。

気高く、品があって応援したくなるような人物造形です。

少女漫画は恋愛だけを描いたものが多いですが、この時代の漫画はスペクタクルロマン寄りが幾つもありますね。
心に残る漫画でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-01-01 22:44:21] [修正:2019-01-01 22:44:21] [このレビューのURL]

東京グランギニョルの舞台の漫画化です。

古屋兎丸の耽美な画風がよく内容にあっていて、エログロというよりは陰惨・官能といった表現が似合うでしょう。

思春期特有のエリート意識を持った少年達の閉じた世界、永遠の命、ライチを燃料として動く機械、拐われた美しい少女。
世界観が唯一無二で完璧です。

この短さがかえって完成度を高めているのでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 18:33:46] [修正:2018-12-17 19:39:44] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

主人公が借金返済のために生死をかけたギャンブルをしていく漫画です。
カイジは冴えないふうでいて、とても機転が利く、ダメ人間でありながらも、他人に情けをかけるところもある。天才アカギとも、優等生零とも違った親近感のわく……人間味が強いキャラでいいですね。

初めて喫茶店で見かけたときは、なんて下手な絵なんだと思いながら手に取りました。

ところが、読み進めるうちに、なんとも味のあるその絵だからこそ、極限におかれた人間の恐怖の表情や、歓喜の表情、えげつないゲスい表情が描けるのかなと思いました。

オリジナルのゲームが次々出てきますが、身近にあるようなものを少しひねるだけで、ここまで緊張感や駆け引きのあるものにできてしまうんだ、と作者の手腕に唸ってしまいます。
心理描写もゲームの駆け引きもとても面白いです。

石田さんのあのシーンでは号泣してしまいました。よく考えると、みんなダメな人なんだけどさ。借金って怖い。絵でくわず嫌いをしてる人にはがんばって読んでほしい漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-23 19:49:12] [修正:2017-03-23 19:49:12] [このレビューのURL]

小学生のとき、ジャンプ本誌で読んでいました。

主人公が、正義感バリバリの熱血漢ではなく、「贖罪」のために人々の為に戦うというテーマに衝撃を受けました。それゆえに剣心の上滑りではない熱さ、優しさに感動することも度々ありました。

画風は独特の和風らしさがあり、繊細です。味方サイドも敵サイドも個性が際立っており、それぞれの信念がある血の通ったキャラクターになっています。

ストーリーは志士雄編が一番面白かったですが、初期や縁とのバトルも見ごたえがあり、どこを切っても美味しい漫画だと思います。歴史上の登場人物を上手く織り交ぜているところや、実在とファンタジーのはざまをいく技の説明に、ニヤリとさせられます。
少しのリアリティがこの漫画の世界観により引き込む要素になっています。
この漫画以降のサムライ物は、かなりるろ剣に影響を受けたものも多いのではないでしょうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-23 19:23:42] [修正:2017-03-23 19:23:42] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

原作は「駿河城御前試合」です。
御前試合で、真剣で源之助と伊良子が斬り合い、試合のシーンから過去のシーンへと繋がる形で話が展開してゆきます。


絵は上手いですが癖があります、山口貴由の絵に慣れている人なら大丈夫かと思います。残酷なシーンが多く内臓が出てきますし、登場人物のほとんどが狂っています。
斬り合いを楽しむ試合を開いた徳川忠長(実在した歴史上の人物)、虎眼流の師匠の虎眼を初めとして超絶にイカれてるキャラばかりですね。
ある種のホラーのように、おどろおどろしさが味になっています。癖になります。

源之助も最終的には、その封建社会の闇を拒むことはできませんでした。武士道の孕む狂気を書いた傑作だと思います。

後味が悪いのが嫌ですが、だからこそテーマ性を貫けた傑作だと思うので8点にします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 22:15:08] [修正:2019-01-01 23:24:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

綺麗なカイジって誰が言ったのか的を射ていますね。
涯はちょっとマガジンにはブラックすぎたと思います(良い子になーれのシーンがシュールすぎww)

正義感が強い若者のゼロが主人公なので、内容にすこーしだけ明るさがプラスされています。
ゼロは友達に欲しいような、頭が良くて信頼できる人柄です。スレた登場人物ばかりだと読んでて疲れてくるので私は好きですヨ。

生死が関わるというよりは、なっても重体までのギャンブルがほとんどなので、カイジよりマイルドです。
出てくるギャンブルでは、クォータージャンプと指切りジャックの回がスリリングで、解決法も鮮やかで好きでした。

いかにも続きますというような終わりかたが、当時ちょっと納得いかなかったです。それ込みでも名作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-01-01 23:13:25] [修正:2019-01-01 23:19:42] [このレビューのURL]

8点 あずみ

数年前に全巻読みました。

あずみが純粋無垢な少女なのに、刺客としては腕が一流で平凡な幸せはのぞめないというところに悲哀が滲みます。

その点では、哀愁を含んだ昔ながらの剣豪の時代劇と共通するハードボイルドがあります。


あずみに殺される敵も、悪人とは一概にいえない者も多く、しみじみと考えさせられました。

先が気になる展開の妙と緊張感があり、漫画として面白いです。

強いて言えば、旅はまだ続くといったような終わりかたが気になりましたが、あずみの結末は寝床で老衰とはいかないと思うので、あれでよかったのだと思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-13 21:13:20] [修正:2018-12-17 19:47:57] [このレビューのURL]

8点 嘘喰い

[ネタバレあり]

絵が美麗です。

ギャンブル漫画ですが、ギャンブル時代の勝ち負けだけではなく、それをもっと大きな目で俯瞰できるかといった視点があり、面白いです。

途中に挟まれる賭郎同士のバトルが、頭脳戦だけでない躍動感を出していて、全体としてバランスの良い漫画だと思います。

獏さんにはカリスマ性があり、それを追って成長してゆく梶くんという二人の主人公という構図が王道で良いです。
キャラクターに底知れない独特の魅力や愛嬌があります。

ファラリスの牡牛、エアポーカー、古本屋の勝負が好きです。特にエアポーカーは夢中になるほど白熱していて面白かったです。
徹夜で読んでしまいました。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 18:19:52] [修正:2018-12-17 19:39:04] [このレビューのURL]

8点 BASARA

[ネタバレあり]

数年前に読んだのでざっくりした感想ですが。

画風はキラキラの少女漫画なのですが、主人公タタラが勇ましく、冒険とバトルがあるので少年漫画のような感覚で読めました。生き抜くたくましさのようなものを感じます。

朱里よりも、いつも身を呈してタタラを守ってくれていた揚羽が健気で好きでした。

味方を含めた登場人物がバタバタ死んでゆくのでつらいかな。
人気があるキャラだから死なせるのをひるむといった要素がないのが、かえって緊張感や先の読めなさを醸し出していたと思います。

熱い台詞回しが多い名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 17:13:08] [修正:2018-12-17 17:13:08] [このレビューのURL]

<<前の10件
1234