「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

この人は絵柄が結構デビュー時から変遷してるけど、やっぱり初期の繊細でいて纏わりつくような絵柄が一番好みですね。ちょっと松本零士っぽい絵柄。

この作品じゃ、得意の怪奇要素も入ってるけど結構ギャグがメインになってます。
ギャグもなかなか、ブラックでとぼけた笑いは味があります。「真琴・グッドバイ」とかも好きですね。

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[投稿:2008-07-18 23:27:33] [修正:2008-07-18 23:27:33] [このレビューのURL]

乞食のオモライくんが主人公の、アカがオシッコがどうのこうのな愉快なギャグ漫画。

オモライくんは乞食の割にはフックラした体型なんですけど実はそれはアカが堆積しただけであって
その中身の痩せ細った体をオモライくんが見せるってシーンがある。
その部分の影の付け方とかにゾっとする。
自分を隠して他人に決して晒さないような重いテーマを感じてしまう。

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[投稿:2008-07-18 23:16:59] [修正:2008-07-18 23:16:59] [このレビューのURL]

お色気ありのアナーキーで何でもありのギャグ漫画。なんだけど1〜4巻までは別物。
大胆な暴力シーンの連発や果てはヒロインの菊ちゃんが精神世界をさ迷い、神だ悪魔だとデビルマンに通ずるような話も。

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[投稿:2008-07-18 23:08:21] [修正:2008-07-18 23:08:21] [このレビューのURL]

10点 魔獣戦線

復讐の鬼と化した主人公がグチャグチャのドロドロの血みどろになりながら暴れまくるだけの漫画。
大友とギーガーの影響受けて上手くなった絵も凄いけど、昔の絵も勢いがあってやっぱり凄い。
豪ちゃんのテンション高い部分だけ抽出して描いたような作風は読んでて異常に興奮します。

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[投稿:2008-07-18 23:01:06] [修正:2008-07-18 23:01:06] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

もともと永井豪よりも、ある種キレた絵を描く賢ちゃんだったけど
大友の影響を受けてからはドンドン技術が上達して更にダイナミックな画風になった。その頂点が「號」じゃないか。
まずロボットの巨大感が凄い。見開きの大迫力。漫画家の島本和彦も「ロボット漫画の教科書」と言ったほど。

「無印」〜「G」は一部を除いて子供向けだったのに対し、ここではリアルな戦闘描写がなされている。
ただ、完全なリアルさではなく大胆な「まんがの嘘」として示されてます。
悪の集団が見事に地球を侵略していくさまなんかゾクゾクする。
そしてリアルなだけで終わらず暴走するのが石川賢のいいところ。
ゲッターは一介のロボットではなく進化を促す者、即ち神として描かれます。どうにでもなれ。

ゲームやOVAで満足して漫画を買ってない人は勿体無いから早く買いなさい。

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[投稿:2008-07-18 22:46:10] [修正:2008-07-18 22:46:10] [このレビューのURL]

植物で出来た同じ顔の二人の女(性が女である必要はない)を宇宙船の中で空腹に耐えれず食う男。

黒手塚好きとしては、このへんが見所です。なんたる倒錯ぶり。
児童向け故にサラリと済まされてるのも、何か含みがありそうで逆に良い!
とか好意的な解釈なんかもしちゃいます。
あと二人はアダムとイブに、みたいなラストで「夫婦」ではなく「兄妹」になる
ってのも上と同じく児童への配慮なんでしょうが逆に歪んでますよね。

手塚節全開の「アンハッピーな結末〜これは劇画のはしりだと思いますし」って後書きも最高。


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[投稿:2007-12-27 00:54:56] [修正:2007-12-27 00:54:56] [このレビューのURL]

9点 月ノ光

「当時は書くならエログロって感じだった」と後のインタビューで語っているとうり
処女単行本である本作は後の作風とは違いストレートに猟奇趣味してます。
伊藤彦造な絵柄で食人、スカトロなどなど・・・
でも誤解してもらっちゃ困りますが、単に残虐を徹底して見せるだけの漫画にあらずでして
随所に見える心地の良いユーモア感覚にこそ気付いてほしいんですよな。
真っ直ぐに猟奇してるというよりは、どこかそれを斜に構えてみてるような所があって
そのバランスがちょうど良いんです。よく比較される丸尾末広も同じです。
じゃなきゃ、こんなセリフ描けないよってセリフがバンバン溢れてますんで。
気持ち悪い・・・の一言で片付けられても、まあ仕様がないですが
せっかく「刑務所の中」で花輪漫画に触れたのなら、それだけで終わらずに
過去の作品にも手を出してみてくださいよ。

初期ならではの描きこみ過ぎて真っ黒なコマの数々も魅力的です。

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[投稿:2007-12-27 00:32:54] [修正:2007-12-27 00:32:54] [このレビューのURL]

魔夜峰央の絵を「典型的な少女漫画の絵」として見る人は多いだろうが
やっぱり男だけあって他の女性作家にはない色艶のある絵になってる。
ところが↓でも書かれていられるように、そういう美意識がスパッと抜けてるんですね、この漫画。
あの妖しい美少年と黒ベタ背景の、凄みのあるコマは何処!って感じで。

でもトラウマと貧乏神の間抜けな掛け合いが楽しいから、それはそれで良いんです。

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[投稿:2007-09-15 02:18:36] [修正:2007-09-15 02:18:36] [このレビューのURL]

9点 猟奇王

川崎ゆきおと言えば、まずその絵の下手さに意識がいくだろう。
単行本「悪いやつほどよく走る」の蛭子能収の後書きによれば川崎ゆきおは
「ひざの上にイラストボードや製図版を乗せて背もたれで、そり身でバランスをとって描いている」そうで
そりゃあ線もヨレるわってことで、しかし、そのヨレが「世と対峙できない」という
川崎のテーマと合っていて実に・・・と言いたいがコマの中の黒が占める面積が
特に初期になればなるほど多く、繊細と言うよりは、むしろ堂々として見える。
しかし「世と対峙できない」ことを、そう堂々と下手な絵で表現してるとこが
情けなくって、そこに読んでいて惹きつけられるんだよな。
まあ下手とは書いてますが、個人的には好きな絵柄です。
長井勝一氏も、「下手なんだけど郷愁をさそう。そこに引っかかった。」
と後のインタビューで語ってます。

4ページ程度の幼少のイメージを描いたと言う短編シリーズは、直接的な暗さに、その「黒」が生きてる。暗い。
やはり根本には、とてつもなく大きな負の感情があるんだろう。つげ忠男好きらしいし。

ああ、私も猟奇王みたいに日がな茶をすすりながら最中を食いつつボヤきたい。

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[投稿:2007-09-05 01:28:06] [修正:2007-09-05 01:28:06] [このレビューのURL]

8点 金星樹

副題「SF短編集」とあります。話の設定にかなり凝ってます。
絵は上手いとは言いがたいんですが、その無骨さが妙に
物語のハードな構成にしっくりする。
ネット上で諸星大二郎風、という意見を見ましたが
そうですね、少女漫画様式に則った諸星って感じがする。
だから一応可憐さはありますよ。

SFっていう面がよく強調されることが多いですが、もう半分は
ラブ・ロマンスで出来てるマンガなので、そこでさっきの可憐さも生きる。

絵は下手って書いたけど、見入るようなコマ使いも何個かあるし
何より、話作りの上手さが圧倒的に高い。
文庫化されたようですが、どうもそれも絶版らしいので
せっかくですから古本屋に行って奇想天外社版を漫画マニアなら是非。

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[投稿:2007-08-29 03:20:05] [修正:2007-08-29 03:20:05] [このレビューのURL]