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8点 動物のお医者さん
借りて読んで、気付いたら自分でも買っていました。獣医学部と言う希有設定、リアルなのにかわいい動物、登場人物がみんなそこはかとなくずれていて、妙な笑いを誘う。そして取材をしているせいかしっかりした背景を持っている。サラッと後味の良いプロの仕事を感じさせる良作です。
蛇足ですが、変な人が多いのでわかりづらいですが、登場人物が最近のマンガに多い、「最初から実力はある」人が多いです。天然の菱沼さんでさえ、海外相手に論文競争を展開している。海外の学会だと、英語が下手、ってだけで内容以前の問題でダメだし喰らうこともあるので、これはすごいことです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-11 01:58:24] [修正:2009-12-11 01:58:24] [このレビューのURL]
8点 ガラスの仮面
手に取ったら最後、止まらなくなります。
だからあんまり手に取らないようにしています。
ハマらないようにするためです。
なんでそんなこと気にするかと言うと、この作品は30年以上続いている上に、ストーリーも続き物なのに、途中から展開が遅くなったり長期単行本が出なかった時期があったりで、完結するのかどうかの不安がぬぐえないからです。終わり方は決まっているようですが・・・
また、雑誌掲載時と単行本では加筆修正というか、描きおろしというか、がなされており事実上幻になっている話がごっそりあったりして、あまり深くハマると戻って来れないんじゃないか、と思うからです。
今から読もうとする人は、読んでる間は楽しいですが、新刊までの飢餓感に耐えられるか、もしこのまま未完になっても許せるか、を考えてからにしたほうがいいと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-11 00:34:52] [修正:2009-12-11 00:34:52] [このレビューのURL]
8点 ホーリーランド
格闘好きな方もそうでない方も、読んで損はないかと思います。
途中の格闘技説明が長くてテンポを損なうと思うかもしれませんが、そこを読み飛ばしても十分楽しめます。
人間ドラマもしっかり描かれていて、主人公が暴力におぼれて行きながらもそんな自分に恐怖したり、主人公の尊敬するカリスマ・マサキも、クールに見えて実は深いトラウマを引きずっていたり。
ぎこちなく不器用だけど本物な友達関係も共感できるかと。
ただ、主人公が何度も同じようなことを悩んでしまうので、すこしだれる部分もあるかと。
最後のドラッグ編も、あくまで大人の力を借りないで、自分たちのホーリーランドを守るという、しっかりしたまとめ方だったと思います。
後日談については、賛否両論かと思いますが、読後の印象を損ねるほどではないので、大した問題ではないかと。
R-16とかTOUGHタフなどが好きな人にはお薦めかも。
最後に、実際には筆者の格闘論より多くの要素が入るので、彼の理論通りやってもうまくいくことは少ないかと。特に一対多数戦やナイフや鈍器をもった相手との戦い方の解説は、その通りなのですが、理想論過ぎる部分が多いかと。。
いずれにせよ、お薦めできる作品です!
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-10 21:14:19] [修正:2009-12-10 21:14:19] [このレビューのURL]
兵器として使用されるため、機械の体を与えられた少女達と、彼女達の担当官のドラマをそれぞれ描いた作品。
重く、そして救われない展開がどうしても多くありますが、現実ではありえない立場の登場人物たちの苦悩に、こちらも考えさせられることがあります。
銃器を用いた戦闘の描写が多い作品ですが、それほどマニアックでもグロテスクでもないので、苦手な人にもお薦めできます。
私は、この作品で久しぶりに漫画で泣きました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-01-12 20:32:09] [修正:2009-12-10 20:18:25] [このレビューのURL]
あのドストエフスキーの名著「罪と罰」を現代版にアレンジした本作。
モチーフである原作が執筆されたのは1860年代。
ともすれば全く原作の持つ世界観、哲学的なテーマとはかけ離れてしまいかねないこの作品だが、
作品の序盤を貫くテーマである主人公の「正義」に関する思想、理論(崇高な目的達成が流された血をあながう)や、主人公の性質、「罰」苛まれる様などは忠実に描かれている。
また、原作で使われている心理描写をそのまま漫画表現するなど、原作の世界観を踏襲することに成功している。
ストーリー自体は全くの別物だが、引き込まれるような展開になっているし、独特の暗いタッチも作品を引き立てている。
現在連載途中だが、ここから面白くなるはず(原作と同じような展開なら)なので、非常に期待の持てる作品。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-09 22:09:34] [修正:2009-12-09 22:09:34] [このレビューのURL]
7点 わにとかげぎす
美人の彼女にイカレた知人達と恐怖体験、次々に繰り出される古谷節。
あだち作品にも通ずる、「お約束だけど面白い」そんな漫画。
そんな中で冴えない男に美女カップルを中心に据えて物語は展開していく。
ココは中々大事。
「何でこんな奴もてるんだ?」と思わせておいて、この主人公赤の他人の借金300万円肩代わりしたりする。
読者はみょーに納得してしまう。ああこんないい奴だったら美女とくっついてもオッケーかな。
赤の他人の借金引き受けるなんてゼッタイ出来ない。(俺だけ?)
でもだからこそ憧れる。
そんな仏さまみたいな人に一度はなってみたいと。
そんなこんなで夢がある。なんかうれしい気分になる。
「ありえねえだろ」と言われればそれまでだが手の届かないものだからこそ夢がある。
少年マンガ、少女マンガはファンタジーだから美男、美女でいいだろう。
でも青年マンガは美女と野獣が心地よい。
きっついエピソードも詰まっている漫画だが主人公富岡のキャラのおかげでかなり救われた気分になる。
弱さは同じでもシガテラより危険に立ち向かう主人公は際立っている。
「バファリン」と「わにとかげぎす」の半分はやさしさでできています。
私は好きだ、こーゆー漫画。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-09 02:36:17] [修正:2009-12-09 02:42:41] [このレビューのURL]
10点 G戦場ヘヴンズドア
生きてる漫画
この漫画おかしすぎる、別にバクマンを嫌いなわけではないですが
バクマン読むと「漫画って楽しそう!」思えるけど
これはむしろ漫画が怖くなってきます
そして本当に漫画家を尊敬したくなります
最初は作者の絵柄が若干のっぺりして見えて、好きではなかったけれどすぐにスタイリッシュなのだと理解します
仲良しこよしで行かないとこもすげーリアル
すごすぎる
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-09-08 20:30:07] [修正:2009-12-09 00:54:20] [このレビューのURL]
7点 ありがとう
私も白い犬さんのレビューに興味を持ち読んでみました。
主人公(お父さん)の立場にたって読んで、極めて悲惨な体験をさせてもらいました。漫画文化の重要な一面だと思います。あと思ったのは最後まで読んで良かったということです。
私はこの漫画には年齢制限が必要だと思います。たとえ性交場面に厳重なモザイクを施したとしても年齢制限をすべきだと思います。
正直言って読んでて辛かったんです。
心にだってきっと育つのに必要な順番があります。絶望とか孤独とか理不尽とか憎悪とか破滅とかそういったものを知り学ぶ前に、必ず知って味わって体感しておかなければならない事がある筈です。
個人差も大きいでしょうし一概に早い遅いで片付けるのも難しい事ではありますが、いちおう最低限の年齢制限を示しておくのが社会の良心であると思います。
なぜか最後まで貞操は守り続けた妻、身を持ち崩しもせずにありえない頼もしさで立ち直りつつある長女、父に対する心は真っ黒でありながらも逃げずに正面から相手をしてた次女。
一家の破滅に際し肉体的にも精神的にも真っ向から立ち向かい戦い続け、ついには終わりまでをも自分の思いどうりにさせてくれた家族に対し、父は臨終の際に枕元で「ありがとう」とつぶやいて息を引き取る。
それらのことで一体なにがどうであれ、自分の中において感謝をもって完結させることが出来た者こそがそのことの勝者だと思います。 「ありがとう」 がいいたいことの一つにそんなことがあるような気がします。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-01 16:29:34] [修正:2009-12-08 17:12:53] [このレビューのURL]
9点 吉祥天女
ボディブローのように効いてくる傑作。”完璧な女性”を描いた作品。
恐ろしいほどの美貌をもつ叶小夜子が、自らに降りかかる火の粉を「女の力」で振り払っていく、という話。ホラーミステリー?
はじめて読んだのは健全な(?)男子高校生だった17歳の時。女性の恐ろしさをぶつけられ、コドモゴコロに衝撃を受けた。読み終わった後、吐き気を催したのを覚えている。女性の事をろくに知らず、SEXも覚えたての当時の僕には、ヘビーすぎたのだろう。
最近になって、改めて読んでみたが、やはりすごい。軽い言葉でオブラートに表現すれば「女の言うイイ女と、男の言うイイ女は違う」。そして、24歳になった今でも、ぜんぜん修行不足だな…と思い知らされてしまう。
女からみた完璧な女は、果たして幸せだろうか?作中では、小夜子は、登場する男のほとんどを手玉に取っている。手玉に取っていない男は、自らの父と祖父ぐらいではないか。この作品に登場する主な男は、形こそ違えども、彼女に服従を強いられている。
もっとも、この男を手玉に取る強大な力は、自らの意思に反した結果をも生む。主人公の死は、小夜子にとって予想外の出来事であっただろうし、作中で唯一ミスをした点である。”完璧な女性”であったとしても、幸せになれるとは限らないということなのかもしれない。
構成自体は、結構単調。男の暴力と女の色、というワンパターンな展開が何回か続く。物語が短いから耐えられる。最後は一気に話が進む。
吉田秋生らしい、性をテーマにした作品。四半世紀ほど前に書かれた作品ではあるけれども、現在でも十分通用する。草食系男子が流行る今の世を、作者はどう思うのか、聞いてみたい。
ホラーミステリーが好きな人、性について考えてみたい人、ちょっと鬱な気分になりたい人は、読んでみてはいかがでしょう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-08 11:46:34] [修正:2009-12-08 11:46:34] [このレビューのURL]
5点 茄子
おっと思うような話もあるんですが
全体的には低調だと思います
茄子をギミックに使う素朴感とか
淡々とした作品の空気とか
好きな人は好きなのかもしれませんが
大絶賛するような作品だとは思えない
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-01-26 18:53:44] [修正:2009-12-06 03:28:15] [このレビューのURL]