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4点 DEATH NOTE

この作品はまずその突飛で過激な設定に目を奪われがちですが、読んでみたらそれほど真新しい要素はありません。

そう、例えるならこれは「麻雀漫画」ですね。

麻雀漫画というのは、麻雀という決められたルールの中で、自分の手を完成させたものが勝ち、というゲームを描くものです。一牌拾っては、一牌捨てる。手の内をさらしながら、互いの手の内を読みあう。読み合いが高度になればなるほどギリギリの戦いになり、読者は「よくここまで読むよなあ」と感心する。

互いが自由に動けない制約の中で、より効率のよい方法を探して相手に勝つ、というのはゲームやスポーツ全般に共通するところです。この作品では、それが人を殺すデスノートであるという点だけが特異で、あとは普通のゲームと一緒ですね。
その中でも、月、Lともに相手のアガリ牌を抱え、いずれそれを振り込むかもしれないという緊張感の中でなんとかしのぎ合うという心理戦の構造は、数あるゲームの中でも特に麻雀にそっくりだといえます。

とはいえ、前半はそれでも非常に楽しかった。「作者に都合がいいよなあ」と思いつつも、ルールはよく練られているし、互いの爆弾牌を大量に抱えるド素人・弥が卓につくことで、より緊張感のある麻雀漫画になりました。
そう、麻雀は完璧と不安定要素が混じるから面白いんです。

だからこそ、後半はみなさんが言うとおり「なんだかなぁ」です。ルールだけが一人歩きし、ゲーム性もなくなり、ストーリーのの破綻を補うように次々と都合のよすぎるキャラが現れる。
もう麻雀じゃなくなっちゃいました。前半とは全然別の物語と言えるでしょう。

というわけで、麻雀漫画が麻雀漫画でなくなったとき、この作品はつまらなくなったということです。

ひとつ加えるとして、この作品は人が死にすぎる。
別に倫理的なことは元々ストーリーに絡まないのでそれでも結構なんだが、こうした「無理やり設定」の数々が世界観の薄っぺらさを強調してしまっている。特に「女子アナの親衛隊」なんて設定が出てきたら、もうまじめに読む気がしなくなる。こういうのをストーリーの暴走というんだろうな。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-10-28 02:44:20] [修正:2006-10-28 02:44:20] [このレビューのURL]

9点 寄生獣

この作品で一番面白いのは人間の持つ一切の倫理観を持ち合わせていない寄生獣と主人公との意見の食い違い。それによって初めて意識された問題での主人公の葛藤だろうと思います。人間とは、私達のなんとなく感じている善や倫理観とは、一体なんなのかと考えさせられる作品です。
生物として合理的、効率的な思考ができる事はとても好ましいことです。しかし人間がそれに徹した行動をとるときに、私達は彼をなんと言ってとめたらいいのでしょうか。。。
そんなことを考えながら読むと、いっそう深みのでるマンガだと思います。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-10-26 16:59:00] [修正:2006-10-26 16:59:00] [このレビューのURL]

あはははははははは

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-10-26 14:08:26] [修正:2006-10-26 14:08:26] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

名作『まんが道』の続編。
描かれているのは『まんが道』のその後。
主人公満賀道雄をはじめとし、一部キャラクターがビジュアル面でリファインされていますがさほど違和感は感じませんでした。

『まんが道』と比較すると年齢を重ねたためかエピソード自体が大人になっていますね(呑み屋をはしごしたり)。
青臭さが減ったというか青春から一歩抜け出た感じ。
また、より満賀(A先生)からの視点が多くなり、才野(F先生)の登場回数が減っています。

しかし、作品全体に流れる雰囲気は『まんが道』のまま。
その根底にあるのは創作家としての嫉妬やあせり、そして葛藤。
どうにも人間くさい感じ。イイですね〜。大好きです。

巻末おまけのA先生のスクラッチブックや自主映画撮影の様子などは当時を知る貴重な資料です。
2巻収録のA先生からF先生への追悼漫画はなんだかしんみりしてしまい、胸がしくしく痛みました…。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-07-30 02:41:17] [修正:2006-07-30 02:41:17] [このレビューのURL]

読み終わった後、こんなに寂しい気持ちになったのは初めてです。
もっともっとうしおととらを見ていたかった気がします。
うしおたちの言う様々な言葉は心に突き刺さります。
時に勇気をくれ、時に深く考えさせられ、時に生きる道を示してくれる。
この漫画の全てが自分のプラスになる気がします。
うしおは強いです、かっこいいです、やさしいです。
僕はうしおみたいになりたい。
うしおみたいに真っ直ぐに生きたい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-04-24 21:35:30] [修正:2006-04-24 21:36:29] [このレビューのURL]

8点 青い花

中高時代、同性にに対して抱いた恋心を
カウンセラーとかいったひとが
「それは思春期における一過性のものです」と
一言で片付ける。それはつまり大人になったら
異性愛者になりますよ、という意味付けなのだが
そうなのだろうか?そうだとしても
私はふみちゃんの咲かせた青い花をそういう一言で
引っこ抜くようなまねはしたくない。

ただそこにある恋心をそっと見守りたい、
そういう気分になります、この漫画。


ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-03-15 17:49:14] [修正:2006-03-15 17:49:14] [このレビューのURL]

10点 ORANGE

個人的にはサッカー漫画のベスト。
能田先生はもともと『ピース電器店』等でも分かるように藤子ライク・児童漫画的な画風なので必ずしもサッカー、というかスポーツ物向きの画風とは言えません。
そのため絵的には好みが分かれるのかな。
しかし、そんなことはどうでも良いと思わせるほどの魅力がこの作品にはあります。

とかくサッカー漫画といえば部活物が主流の中、Jリーグをモデルとしてプロサッカークラブを扱った作品自体が希少だと思うんですが、この作品ではけが人や代表召集・サブ組の葛藤など弱小クラブにおける雑多な障害についてリアリティを失わずに描写されています。
試合のシーンにおいてもマンガチックなスーパーシュートや人間離れしたハイジャンプなどは無く、現実で起こりうるプレイの中でエンターテインメントを表現できているのは素晴らしい。

主人公のチームはスタート時は弱小である上に、中盤以降強くなってきたかなと思うと前述したトラブルが重ね重ね起こり、なかなか上手くいきません。
そんなストレスがたまる展開もあいまって、ゴールシーンや勝利したシーンでのカタルシスは最高の一言。
画面の端々に細かく描かれる観客の一員になった気分で一喜一憂出来ます。

Jリーグ好き、いやサッカー好きな人には特にお勧めの傑作です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-03-11 02:00:51] [修正:2006-03-11 02:00:51] [このレビューのURL]

0点 タカヤ

予言しましょう。

この漫画は歴史に残ります。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-03-08 23:27:35] [修正:2006-03-08 23:27:35] [このレビューのURL]

9点 軍鶏

俺は基本的にヘヴィな内容のものが好きだ。漫画以外でも、映画でもなんでも…
地獄のような凄惨さを味わわせてくれるものに俺は敬意を評する。
なぜならそれは「本物」だからだ。作者が手を抜いていない本気の表現があればこそ、読み手は地獄を感じることができる。
この「軍鶏」も、数少ないそんな作品のひとつ。

この漫画を読んで不快感、嫌悪感を感じる人は多いと思う。残虐描写は直接的だし、主人公の傍若無人ぶりも半端ではない。特に女性には評判が悪いだろうな…
しかしそこを飲み下せる人には是非、この漫画を読んでもらいたい。
この作品は犯罪者が主人公だが、犯罪者を擁護しているわけではない。この作品はどうしようもない悲しみを背負った人間の、すべてを賭けた戦いを描いている。
報われない人間が、血反吐を吐きながら自らの肉を削ぎ落とすがごとく戦い続ける様を描いているのだ。

成嶋亮はその背負ってしまった業の重さ故に永遠に救われることはないだろうが、それでも彼は戦い続けるだろう。
その姿に、俺は言葉で表現できない何かを感じて、たまらなくなる。


(2006.2.28追記)
とはいえ、トーマ編に入ってからのグダグダを考えるとやはり点数を下げるのが妥当かな。できれば完結するまでは追記したくなかったけど、これだけ巻数が出てしまったのではね…
中国編だけならまだ許せたんだが、その後はちょっとな。正直言って蛇足感が否めない。ホント、残念だよ。−1、9点。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-05-19 17:57:30] [修正:2006-02-28 19:24:16] [このレビューのURL]

エロ漫画も読む方なら大暮維人が彗星のごとく現れたとき
「あ、このひとは絶対に一般漫画にスカウトされるな」と
予感したはずだ。
それくらい漫画の絵、勢い、センスがずばぬけていた。
実際そのとおりになった。
が、一般漫画のなかでは漫画の絵、勢い、センスのみが売りの
漫画家になってしまった。つまりストーリーの才能がないのだ。
(それでも一般漫画で描いているのはすごいことだが)
エロ漫画家出身は悪いことでもなんでもない。
有名どころでは山本直樹がエロ漫画出身だ。
私が言いたいのはエロをどう表現するかだ。
山本直樹はエロを独自の世界にまで昇華させたが
大暮維人のエロは乱雑なエロなのだ。
なんだか漫画においてのエロ表現論になりそうなので天上天下の評価に
戻る。
格闘漫画はストーリーよりも格闘シーンの勢い、キャラの魅力が
見所である。天上天下はこの二つをちゃんと押さえている。
そして絵のきれいさ(&エロ)ですべてのアラをカバー
しちゃっているのだ。このアラを「大暮維人の画力すげえ!」
「大暮維人の描く女体サイコー!!」となって目に入らなければ
オッケーなのだが「エロでごまかすんじゃねーよ!!」
「ストーリーが全然ダメダメじゃないか!!」と目くらましを
くらわなかった人には天上天下はひどい漫画なのであろう。

で、この4点は画力、センスの評価です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-02-11 18:55:17] [修正:2006-02-11 18:55:17] [このレビューのURL]

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