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5点 SLAM DUNK

[ネタバレあり]

主人公桜木はいきなり身体能力抜群として描かれ、バスケットボール初心者という点を除けば何らハンデを背負わない形で登場する。メンタル面での能力ならまだしも、いきなり身体能力抜群と言われても「それなら上達して当然でしょう」程度の感想しか抱けないし、トントン拍子で成長する話が繰り返されれば、古典的なスポ根を期待して読んでいたのでは肩すかしを食らってしまう。無論バスケを通して何らかのドラマを表現しようとするのなら設定として理解できるが、ストーリーは著しく試合偏重で進行し、読者に感情移入する隙を与えない。
さらには周囲のキャラクターもいずれ劣らぬ超人揃いであり、その主人公すら埋没しがちであっては、何のための設定かと思ってしまう。
バスケットボールを題材にしたという点で騙されてしまうが、例えば古典的な野球漫画で言えば「打率10割の打者」や「200キロを投げる投手」ばかりが登場する話を描くようなものであり、設定の凄さと漫画的な面白さが直結するかと言えば疑問である。
おそらく作者はバスケが好きなのであろうし、スーパープレイが見たいという心情も理解できるが、それがそのまま形になった様な漫画である。普通程度には面白いが、面白さの質はまさにスポーツ観戦の面白さに類似しており、漫画を使って表現する必要性はないように思う。
余談ではあるが、脇役扱いの木暮や安田の方に人間的魅力を感じてしまうのは、古い読み方なのだろうか?

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-02-15 01:19:43] [修正:2007-02-15 01:19:43] [このレビューのURL]

7点 FAIRY TAIL

たしかにあの漫画に似てますよ。批評するのもわかります。
でも俺はどうでもいいや、おもしろけりゃ

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-02-11 00:04:35] [修正:2007-02-11 00:04:35] [このレビューのURL]

10点 ぼくんち

[ネタバレあり]

日本は比較的格差の少ない国とはいわれてるけれどれっきとした格差は存在するわけで、「ぼくんち」に出てくる世界はその最下層にいる人物たちだろう。その町で盗んだり盗まれたりだましたりだまされたりぼこぼこにしたりぼこぼこにされたり体売ったりシャブ打ったり…そんな底辺でも、底辺だからこそ見つけられる愛があるのだ。
私も愛なんて使い方によっては陳腐でうそ臭い言葉はできる限り使いたくないが「ぼくんち」に根底にあるものは間違いなく愛なのだ。
それとこの漫画は西原理恵子が意識しているかどうかわからないがフェミニズム的な見方からすると相当核心をつく言葉があったりする。妊娠したこういちくんのお姉ちゃんにこういちくんのママが「生んでも生まなくてもママはどっちでも味方。」とか猫のように子供を生んで捨てまくるばあさんが「世界中の女が子供を産めるけど世界中の女が母親ができるかというとそうでもない」とか、町で一番のワルなのにこういちくんがシャブ用注射器を女と子供に売らない理由を「子供はいいとして女にはなぜ?」と一太がたずねると「女はやらせてくれるし僕らを生んでくれるから」という一見馬鹿っぽいがものすごい含蓄ある言葉が出てきたりする。一話2ページなのにそれをテーマに30ページは描けそうな内容が詰まっている。そして私はラブコメに出てくるやたら理想化された天使のような女が大嫌いなのだが「ぼくんち」の一太二太のお姉ちゃん、かのこは菩薩のような女だなあ、とあれほど嫌悪していた女の神格化なのにあっさり受け入れられた。
とにかく、この漫画を一言でまとめるとゴミ溜めのような町でゴミのような生活をしている人々の日常の話を笑いながら泣きながら愛をみつけることができる、そんな漫画です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-02-12 19:21:30] [修正:2007-01-11 22:59:44] [このレビューのURL]

9点 ブッダ

傑作の多すぎる手塚治虫の中でも
群を抜く傑作です。
宗教の話だからと言って敬遠する人は
間違いなく人生の半分は損していると断言できます。
全盛期の手塚治虫が
恐るべき力を持っていたことが分かる名作。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-01-07 14:39:50] [修正:2007-01-07 14:39:50] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

他の人も書いていますが
これはただのグロ漫画ではありません。
環境問題や存在について深く考えさせられる内容です。
勿論、ホラー漫画としても一級の出来で、
最後まで緊張感があり一気に読めました。
終わり方も秀逸で素晴らしかったです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-01-07 13:23:18] [修正:2007-01-07 13:23:18] [このレビューのURL]

常々疑問に思っていることがあります。
「ラブコメ」というジャンルがなぜか卑下される傾向にあるのはどうしてなんでしょう?

「恋愛もの=内向き」と「コメディ=外向き」のおもしろさを一緒くたに楽しめるエンターテイメントが「ラブコメ」だとわたしは考えているんですけど、シリアスなところにライトな笑いの要素が入るとレベルが低く映っちゃったりするんでしょうか。

たしかに最近はそう言われてもしかたないようなラブコメ漫画もよく目にするし、わたし自身パンチラやお色気シーンは好きですけど、正直もういいんちゃう?という感じです。

わたしが言いたいのは「ラブコメってそういうことじゃないんじゃない?」ってこと。
人間同士の恋と愛をきちんと描いた物語と、口元がゆるんじゃうギャグの緊張と緩和。それが高水準で表現された傑作が世の中にはちゃんとあるんだよってこと。それだけ。

ラブコメ漫画『めぞん一刻』。
笑いあり涙ありの名作です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-01-03 04:33:41] [修正:2007-01-03 04:33:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

 シガテラっていうのは、熱帯地方の魚がもってる毒の事
もともと持ってるわけじゃなく、毒もってる海藻食って毒化しちゃうんだと思った。確か
 そんな魚食うと軽い食中毒になったりする

 この話は、社会人とかになってる年齢、まぁ大人なわけですがその人にとっては「過去」の話で、今青春まっさかりな人には「現在」の話です
 なんて言ったらいいか、青春時代の象徴の話というのか
 主人公は、まっとうに生きようとする自分の分身
 話には、ショッキングな事や悪いヤツ、友達、恋人なんかいますが全部は象徴として描かれている
 でもそういうの経験してないと、これは「現在」なんです

 いや、まぁつまり大人の人が観ると、イィィィヤァァァと思うほど後悔した事や、失敗したこと。汚れちまったーという経験。もうフトンにくるまって忘れちまいたいけど忘れられない過去の事。そういうのが描かれているんです。もちろん恋や受験やセックスとか、モンモンとしたのもね

 なんで作者がこういうの描きたかったのかわからないど、まぁこんな作品もあってもいいか
 この作者にしか書けないし
 ただ非常に理解されにくいと思う
 主人公を見ていると滑稽で面白いのだが、自分に置き換えると笑えなくなる

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-30 07:13:07] [修正:2006-11-30 07:13:07] [このレビューのURL]

 この漫画はそれなりに萌えもしたが、そんなに好きという訳でもない。この何ともまったりとした中庸な雰囲気の作風がどうにも最後まで合わなかったからなのだが、それでもこの漫画のキャラ造形の上手さには素直に凄いと思える部分が多々あった。
 語られつくした感のある美少女達のことではなく、変態国語教師にして我等の憧れ、古典の木村先生(愛称キムリン)の事である。
 この漫画の舞台は共学高だが、男子生徒の存在が物語のメインに絡む事は基本的に無く、まさしく作中において男子は空気であった。これは、下手に男子を物語に絡ませると予期せぬラブコメ展開など下世話な方向に話の流れが歪曲し、この理想郷のようなまったり女の子空間の心地よさが壊れてしまう事を防ぐための配慮であり、それゆえにこの漫画が後に花咲く百合ブームの萌芽であったと言われる所以でもある。(この漫画自体は百合成分は一部のキャラを除き希薄) 長身痩躯、怪しく光る白眼鏡、男性古典教師の木村先生はそんな空間にぽっつりと出現する特異点であり、この漫画の文字通りキーマンであった。彼抜きのあずまんがなど自分には考えられないくらいに。
 木村先生はまず自分の欲望を隠す事無く「女子高生とか好きだからー」と絶叫し、主役陣の女の子グループに堂々とストーキングを仕掛ける変態だが、作品を破綻させるような暴挙をお犯さぬ程度に分はわきまえており、基本的にはメインのおんなのこたちの楽しそうな毎日を横から眺めるスタンスに留まる。一見行き当たりばったりで変態的な行為にも(実際変態だが)きちんと筋は通しておりある意味漢らしい。何より古典教師としてある程度の学識、地位を備え、自分を慕ってくれる天使のような美しい嫁さんと利発そうな娘さんまでいる始末。女の子達への愛情溢れるストーキングぶりもそんな余裕の現れなのだろう。
 このキャラ造形、何かを彷彿とさせはしまいか。この漫画を微笑ましそうに眺める文系男性オタク諸氏の(やや自虐もこめた)理想像の一つではないか?そういう観点から木村先生を眺めていると、この漫画への感情移入が(木村アイを通じて)何倍にも高まって行ったのだ…。まさしくあずマジックと言った所である。
 
 とにもかくにも木村先生がいない事にはこの漫画、読む気もしなかった。これは紛れも無い事実である。
 

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-13 23:04:26] [修正:2006-11-13 23:04:26] [このレビューのURL]

いま連載中の野球漫画で、文句なく一番面白い作品。
ストーリーは典型的な少年の成長物語であり、最近の「うんちく野球漫画」に分類される作品だろう。
野球理論をつめこんだ漫画はもう珍しくない。が、この作品にはほかの野球漫画とは明らかに異質な点がある。

この作品の最大の特徴は「グラウンド視点」で描かれているということだ。絵の構図がまず独特。ホームベース方向から見た内野、投手方向から見たバッターといった、つまり野球中継のような絵が比較的少なく、逆に野手から見たグラウンドがふんだんに描かれている。特に地面が広く描かれ(つまり目線がより低い)、ゲームの経過を示すスコアボードがほとんど描かれない。

一般の野球漫画はしょっちゅうスコアボードが描かれ、読者にとっては「スタンド視点」で話が進むのが普通だが、この作品では自分もグラウンドに立ち、まるで一緒にプレーしているかのような臨場感が味わえる。自分は元球児だが、こうした風景はグラブをもって腰をかがめた時に見える風景をとてもリアルに描いていると思うし、選手の心理にスポットを当てながら進行する作品のトーンにもよくマッチしていると思う。

また解説者的な役割をする人がいないのもいい。プレーの説明はほとんどなく、基本的に各選手が思ったこと、判断したことのみが語られる。甲子園観戦に慣れた人には物足りないかもしれないが、練習試合や地方大会序盤での雰囲気の出し方は本当にうまい。

現時点では、高校生の部活動としての野球をうまく描いており、本当にささいな出来事の積み重ねこそが青春なんだなあと感じさせてくれる。野球漫画にもまだまだ未開拓な部分があるということを示した良作である。

ただ今後、部活動が大舞台を迎えたとき(迎えるかどうかわからないが)、この「草の根的視点」がどうなるのだろうか。このあたりを注目していきたい。
いちおう採点の余地を残すということで、現時点では8点を献上します。


ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-06 18:22:51] [修正:2006-11-06 18:22:51] [このレビューのURL]

4点 H2

[ネタバレあり]

この作品は、タッチで描けなかった達也vs和也の決着バージョンであり、あだち漫画の集大成といえます。そして、あだち充の野球漫画が終わったことを示す墓標ともいえます。

・比呂=達也
・英雄=和也(擬似和也である新田も含む)
・ひかり=南
絵をみりゃわかるけどね(笑)

あだち漫画において、達也的なもの(不器用なヒーロー)と和也的なもの(完全無欠のヒーロー)の対決は永遠のテーマなのでしょう。その決着をつけようというのですから、これは大変なことです。
ですから脇役もオールスター状態。ひかりと春華の関係は「みゆき」そのもの。デブのキャッチャーとかドタバタ脇役とか、どこかでみたキャラばかりです。

さて、この究極作品、結論から言うと面白くない。
究極の対決が決着しなかったんだから仕方ありません。

あだち的価値観からすれば、達也が敗れていいはずがない。ファンなら誰でもわかっています。でも、和也が生きていたら、果たして和也を負かしてしまっていいのか。一体どうするんだろう。この作品はこれが面白かったんです。

でも結局、比呂と英雄の対決は、どっちが勝ったのかわからなかった。タッチに置き換えていえば、野球では達也が勝ち、和也が負ける。南ちゃんは和也を見捨てられない。あんなに野球での決着に燃えていた和也はあっさり「お前が必要だ!」と安っぽくなっている。

きっとあだち充にも2人の決着が描けなかったのかもしれない。
死んだ和也ならともかく、英雄を生きたまま敗北に追い込めなかったのかもしれない。あるいは、比呂が勝つ場面がいよいよ近づき、タッチとまったく同じ展開になっていることに気づき、無理やり違う方向に持っていったのかもしれない。

とにかく、消化不良感だけが残る作品になってしまったのは否めないでしょう。

加えると、この作品、野球が徹底して面白くない。あだち充はたぶん野球のゲーム性の部分は描けないんだろう。だから、対決場面は、気合を入れると球が速くなるという「火事場のクソ力」的な手法で乗り切るしかない。
さらには、悪役である広田の描き方はちょっとひどい。広田の汚い野球とは、要するにデットボールをわざとぶつけること。ぜんぜん汚くありません(笑)。このへんが古臭さ、幅の狭さを露呈している部分であり、もうあだち充の野球漫画は通用しないかな、と思えるところです。

と、ここまで散々けなしてきたけど、細かい演出や心象描写、あきさせないテンポ、安定した画力などはやはり一級品です。青春漫画としてはさすがのレベルなので、6点ぐらいでもいいかな、と思う。
ただ、大漫画家がストーリーで失敗しているというのはやはりいただけないので、ここは辛めに採点させていただきます。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-06 17:18:42] [修正:2006-11-06 17:18:42] [このレビューのURL]

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