「Seal」さんのページ

正統的なSF漫画。
もう20年近くも前に始まった漫画だが今でも全く古臭ささを感じさせないのは、本作における未来の世界観やアンドロイドの概念、デザインが作者の豊富な知識に基づく普遍的なものである事を示している。
例えばくず鉄町の空に浮かぶザレムには今でもよく話題に上る軌道エレベーターの概念が取り入れられているし、カーボンナノチューブ等の当時では最新の科学的知識もふんだんに織り交ぜられている。
自分はこの辺りに作者の努力を垣間見た。

ストーリーも戦闘シーンの描写も秀逸で高いレベルにあるSF漫画だと思う。
あえて難癖をつけるなら主人公の心理描写にもう少し深みが欲しかった。
個人的に主人公の心情に共感しきれない箇所があったので。

このサイトで本作の備考欄を見るまで、この漫画のラストが作者が本来想定していたものでは無かったことを知らなかった。
確かに今思うとラスト2、3話辺りは駆け足気味だったけど、あれはあれでキレイにまとまっていてちゃんと完結していると思った(残されたままの伏線はあるが)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-11-25 19:57:04] [修正:2008-11-25 19:57:04]