「Seal」さんのページ

総レビュー数: 207レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月17日

5点 MW

読む前の期待が大きかったぶん読後はがっかり感も大きかった。
冷酷な殺人者結城を主人公にし、同性愛の要素も入っているという挑戦的な題材を30年前に世に出したことは評価する。

もう一人の主役である賀来神父は結城の犯罪を憎みながらも、結城を救いたい気持ち(愛情?)との葛藤から彼の行動に翻弄される。
この神父が何をしたかったのか最後まで理解できなかった。この人はやる事なす事中途半端だった。
この神父に代表されるようにキャラ設定が全体的に弱い。
16年前の毒ガス事件の真相に迫っていくというストーリーの大筋はよく出来ているのだが、キャラが弱いため台無しだ。

そして肝心のラストもありきたりのもので意外性が無かった。
もうちょっとひねったオチを見せてくれたら評価も上がったのだが。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-08-11 14:43:00] [修正:2010-01-26 19:13:27] [このレビューのURL]

解りやすいストーリーと全2巻と手頃さが良い。
悪くいえばありきたりな話なんだが、不思議と引き込まれた。
登場人物達の会話シーンが特に良かった。
くだらない会話の中にもリアリティがあるし、細かな心情描写が秀逸だった。
20代前半の言いようのない不安感、焦燥感の表現の仕方に作者のセンスを感じた。
同世代の人が読むとより思い出深い作品になるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-26 18:54:29] [修正:2010-01-26 18:56:33] [このレビューのURL]