「Seal」さんのページ

総レビュー数: 207レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月17日

死刑囚をあえて塀の外に出し人間との触れ合いをさせることで人間性を取り戻させようとする実験を描いている。
個人的には死刑容認派なので、いくら事情があったとはいえ人を殺した人間が本当は優しい心を持っていたというご都合主義的な展開のみが延々と続いている漫画なら最後まで読破することは無かっただろう。
しかし、この漫画には矯正の余地も無いような残虐な殺人者も登場するし、死刑制度の是非を声高に叫ぶような構成にもなっていない。
死刑制度についてどのような考えを持っていても、ある程度は楽しめる作りになっていると思う。よくできている。
死刑判決を受けたという極限状態にいる人間を通して、人はどう生きるべきか、どうあるべきかを浮き彫りにしようとする意図を感じた。

なによりも5巻という比較的短い巻数で物語が簡潔に美しくまとめられていることに好感を持てる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-05 10:32:27] [修正:2011-01-05 10:32:27] [このレビューのURL]

この漫画は「おひっこし」を初めて読んだ時以来久々にガツンと来ました。
沙村氏の最近の短編では少々控えめだったおふざけ感がこの漫画では存分に発揮されてます。
ある理由から経営していた会社がつぶれホームレスと化した主人公が、何でも「食べる」女の子ヒヨスと出会うことから物語は始まります。
そこに、友達をヒヨスにクリーチャー化されつつも主人公に兄の面影を重ね行動を共にすることになるメタ子等が加わり話はさらに加速していく。
少々マニアックなギャグが受けつけない人もいると思います。
でもこの一風変わったゲロ漫画を是非多くの人に味わって欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-24 19:53:46] [修正:2010-03-24 19:53:46] [このレビューのURL]

子供の頃、親に必死なって頼んで捨て犬を飼うようになったのに
熱心に世話してたのは最初だけで次第に親にまかせきりに・・。
それでもたまに遊んでやると一途な愛情を向けてくれた犬。
この漫画を読んでそんな苦い思い出がよみがえって来ました。

犬を飼った経験のある人なら感情移入しやすいと思います。
作品としてはありふれたものかもしれないが、僕にとっては印象的な作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-26 14:48:40] [修正:2009-12-26 14:48:40] [このレビューのURL]

主人公リクオの浮遊青年っぷりが他人事とは思えず共感してしまう。
物語は主に2人ずつの男女の恋愛を軸に進んで行くが、話しの流れは比較的スロー。
しかし退屈はしない。
日常の会話が軽妙で楽しいし、サブキャラの設定や存在感も割りとしっかりしていて物語を引き立てている。
絵もうまい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-05-12 21:00:18] [修正:2009-11-30 20:15:28] [このレビューのURL]

極上の笑いとせつなさをあなたに・・・っていう帯の謳い文句に決して負けていません。
といっても「せつなさ成分」は5%未満ってところですが。
エキセントリックなキャラクター達が織り成す荒川河川敷での日常は愉快で刺激的で飽きさせない。
ギャグも分かりやすくて読み易い。
作中であまり陽には描かれていないキャラもいるが、彼らが河川敷で暮らすことになった背景などに思いを馳せるとせつない気分にもなれるのです。
ゆっくりと絆を深めていく主人公とヒロインの恋も目が離せません。
良作です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-02 20:14:42] [修正:2009-11-02 20:14:42] [このレビューのURL]

前から欲しかった漫画だったので久々の大人買いをした。嫁にはこっぴどく怒られましたが。

山田芳裕が陸上の十種競技を題材に描いた作品。
まだこのころの絵は荒削りだが、山田芳裕らしさはこのころから健在です。
あの過剰なまでに遠近法を駆使した構図の迫力ある見開きは圧巻。
主人公は数々のライバルたちと死闘を繰り広げていく。
勝利のためなら手段を選ばない者、自らの生き方に誇りを持って戦う者、自分の命を燃やして挑む者、
そして全てを兼ね備えた王の中の王オブライエン。
彼らに比べると主人公万吉の強さには説得力が無い。
強いて言うならその突き抜けた馬鹿さが彼の強さの源だろうか。
投擲種目の時の「おぎゃぁああ!」っていう叫びはツボだった。
展開が読めちゃう事とか、多少の無理やり感はその絵の迫力の前では霞んでしまう。
山田芳裕の絵には全てを納得させてしまう力強さがある。

リアリティー重視の人にはおすすめしませんが、読んで爽快な気分になれる作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-09-23 14:04:37] [修正:2009-09-23 14:04:37] [このレビューのURL]

ブラムで有名な弐瓶氏の短編集。
表題作のブラム学園は登場人物こそブラムと共通だが、彼らの性格や世界観は全くの別物で、
ブラムのイメージをいい意味で見事にぶっ壊してくれている。
あの弐瓶氏が「萌え絵」を書くだけでもびっくりなのに、お色気まであります。
ブラムの読者だった人はそのギャップだけでも相当楽しめるだろう。
他のSF短編集でも弐瓶氏独特の世界観を堪能でき、彼の引き出しの多さに驚くでしょう。
前頁カラーなので弐瓶ファンには画集としての価値もあります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-25 19:40:48] [修正:2009-08-25 19:40:48] [このレビューのURL]

この作者のギャグのセンスは大好き。
少々ワンパターンな気もするがかなり笑えます。
でもラブコメのラブの部分の展開が遅くてヤキモキする。
これからもどんどん面白くなっていきそうな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-05-08 19:33:35] [修正:2009-05-08 19:33:35] [このレビューのURL]

久々に惹きこまれたサッカー漫画。続きを読むのが待ち遠しい。
主人公は監督だが、プレイヤー達も手を抜かずに描いてあるし、相手チームの監督や選手も個性的で良い。
Jリーグが舞台となっている現在の展開も非常に面白いが、達海が日本代表を率いてブラジルやフランスと戦うって展開も将来的には見てみたい。
それこそ本当のGIANT KILLINGでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-01-31 14:37:21] [修正:2009-01-31 14:37:21] [このレビューのURL]

正統的なSF漫画。
もう20年近くも前に始まった漫画だが今でも全く古臭ささを感じさせないのは、本作における未来の世界観やアンドロイドの概念、デザインが作者の豊富な知識に基づく普遍的なものである事を示している。
例えばくず鉄町の空に浮かぶザレムには今でもよく話題に上る軌道エレベーターの概念が取り入れられているし、カーボンナノチューブ等の当時では最新の科学的知識もふんだんに織り交ぜられている。
自分はこの辺りに作者の努力を垣間見た。

ストーリーも戦闘シーンの描写も秀逸で高いレベルにあるSF漫画だと思う。
あえて難癖をつけるなら主人公の心理描写にもう少し深みが欲しかった。
個人的に主人公の心情に共感しきれない箇所があったので。

このサイトで本作の備考欄を見るまで、この漫画のラストが作者が本来想定していたものでは無かったことを知らなかった。
確かに今思うとラスト2、3話辺りは駆け足気味だったけど、あれはあれでキレイにまとまっていてちゃんと完結していると思った(残されたままの伏線はあるが)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-11-25 19:57:04] [修正:2008-11-25 19:57:04] [このレビューのURL]

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