「橙木犀」さんのページ

[ネタバレあり]

クロードは主人公ですが、彼が夢を叶えるためのスタートに立つまでに、様々な壁が立ち塞がります。
日本に滞在すること。働くこと。働く中でぶつかる日本語の壁。
一つ一つの問題を、様々な人たちの支えや手助けで乗り越えていく様子が胸を熱くします。
なぜ物語の舞台が松江になったのか、読み進むうちに見えてくることで、クロードの思いに心が揺さぶられるような気がします。

他にあと2人、主人公がいるのですが、彼らの成長も見所です。
自分のしたいことをはっきり見出せずにいた「せつ」が、どんどん成長していく姿は読んでいて爽快感あり。
現実に押し潰されそうになり、夢を見ることを諦めかけていた宏が、どんな次期蔵元に成長していくのかも楽しみです。

酒蔵だけでなく、飲食店や酒屋の心得、努力や工夫など丁寧に描き込んでいるので好感が持てます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-30 00:36:09] [修正:2007-05-30 00:36:09]