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7.35点(レビュー数:73人)

作者井上雄彦

巻数37巻 (休載中)

連載誌モーニング:1998年~ / 講談社

更新時刻 2012-10-08 12:32:16

あらすじ 吉川英治の『宮本武蔵』を井上雄彦がアレンジ。

備考 「バガボンド(vagabond)」とは英語で“放浪者”という意味。小次郎編終了後、「キャラの気持ちが分からなくなった」との理由で1年間の休載を挟んだ。作者は2010年に正式に年内終了を宣言したものの実現せず、2015年を最後に続きを描いていない。

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バガボンドのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全73 件

8点 パンダマンさん

 歌手に多いのだけど、自分を侍とか武士(もののふ)とかに例える人を見るとそれは正直どうなのよと引いてしまう。

 日本の武士道、西洋でいう騎士道は誇り高い象徴みたいに扱われるが、なぜそのような心得が必要なのか、その元々の理由を知っている人は少ない。これは暗に隠されたのかな?そこまではわからないが、武士道や騎士道は心の最後の防波堤みたいなものです。つまり、戦場で命をかけた究極の精神状態におかれた兵士はどの世界も決まった行動を起こす。犯す、殺す、奪うという行為だ。不快に感じるかもしれないが、これが歴史が語る現実。それを予防する為に昔の人は、心の防波堤として、個人の誇りに訴る武士道やらを作ったのです。だから命をかける必要もない平和な時代の日本で侍とかって言われるとやっぱりどうしても引いてしまう
 なんだか作者も軽く侍とかいう人に嫌気がさしていたのかもしれない。武士(もののふ)の頂点を目指そうと血塗られた修羅の道を突き進む武蔵。逆に、誇りある武士道の世界に生きようとするが、怖くて、情けなくて、挫折し、逃げ出す又八との対比は凄く面白い。

 この漫画は、武蔵の史実とは随分違う。超有名な剣豪の宮本武蔵の頂点を目指す足跡までの心の葛藤は、同時に作者自身の心の葛藤でもあり、だからまぁ史実からそれちゃうのもしょうがないのかもしれない。作者が迷っていたりテンションが落ちたり上がったりの様は即作品に出ている。逆にそれが、生々しく、残酷さ、誇り、狂気、挫折、そういった武士の生き方を素直に実感できた
 
 バガボンドって意味は英訳で放浪者、意訳すると浪人とか武士を指す言葉でもあったはず。確か・・・
 最初は単に強さを求める旅をしている武蔵のことを指してるのかと思ったけど、彷徨い迷う作者自身をも指しているのかと今更ながらに気づいた。 
 頂を目指す武蔵の、そして作者の心境はどういったものになるのか。逃げずに最後まで描ききって欲しい。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2006-12-02 19:19:33] [修正:2006-12-02 19:19:33] [このレビューのURL]

10点 shinpe-さん

10点をつけるのに迷いました。なぜなら吉川英治の原作を未読の自分(原作よりも漫画を手に取ったのが早かったので、読まないようにしているんです)が、果たしてこの作品の価値を本当に計る事が出来るのか、と。でも10点つけました。どれだけ魅力的な原作の助けを得ていたとしても、絵と言葉によって表現される漫画というメディアの最先端にいる、という評価は他のどの漫画の追随も許していないと思うので。

宮本武蔵という歴史上の人物の価値は、彼が剣豪として強かったということに現れているのではなく、深淵極まりない肉体と精神の結合を体現したことにあるのだと思います。単に人に勝ち、その結果人を殺めてしまう道具としての剣ではなく、「天地とひとつ」となるための道としての剣。その葛藤の中で生きる武蔵の姿を、書いている井上さんの苦悩までも伝わってくるような息づかいで記しています。

絵はみなさんの述べている通り、素晴らしいの一言。BRUTUSの特集で美術評論家(だったと思います)の方が「現在活躍されているどの日本画家よりも画力が高い」と述べていました。個人的には、スラムダンクよりも秀逸かつ唯一無二(この作品に関しては、「天下無双」と呼ぶべきでしょうか笑)の作品だと思います。未読の方が心底羨ましいと思えるほど、素晴らしい作品です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-01 12:47:03] [修正:2010-03-01 12:47:47] [このレビューのURL]

6点 かずーさん

 
面白いんですけどねえ・・・。

吉川英治の宮本武蔵像を、漫画によって具現化させた作者の手腕には
敬意を表したい。そのくらい素晴らしいキャラ、ストーリー構成。

ただ途中から、哲学的?な部分を掘り下げすぎで、間延びしている感が・・・。
あまりに展開が遅い。

過去の対戦相手の幽霊?自身の煩悩?を登場させることで、主人公らの
心の奥の葛藤を表現しているのだろうが、どうにもこうにもしつこすぎ。

美しい描写と魅力的なキャラ作りに大成功しているのだから、もう少し、
いやほんのもう少しだけでいいから、本編を上手く進めて欲しい。

うがった見方をすると、商業的先延ばし意図を感じてしまう。

画、構成ともに圧倒的な力量を感じる作者だけに、間延び要素を少しでも
排除する方向で本書を名作へと導いて欲しい。

今後に期待。
 

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-02-04 18:14:45] [修正:2010-02-04 18:14:45] [このレビューのURL]

8点 電光石火さん

 読者の心を揺さぶる精神世界を描くのは、作者の画力なくしては不可能。他の作者には絶対に真似のできない漫画。

 最初は少しばかり展開の遅さが気になったが、漫画の面白さは「動」だけでなく「静」でも表現できるということに改めて気づかされた。

 今連載が最も楽しみな漫画の一つ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-15 19:42:15] [修正:2008-04-15 19:50:16] [このレビューのURL]

6点 ムキッキーさん

[ネタバレあり]

武蔵編は熱いです。
胤舜との戦い、柳生石舟斎との対峙はかなり面白かったです。
絵の描き込みが半端ではなく凄く上手いと思いました。

小次郎編、長い。個人的にはダメでした。
耳の聴こえない設定は要らんのです。
アウアウアーと言い嬉々として剣を振る小次郎なんて見たくない。
巌流島でもアウアウ言ってたらどうしようと心配です。

おつうさんの初期はほんとに可愛いです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-19 14:27:35] [修正:2005-05-19 14:27:35] [このレビューのURL]

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