「レト」さんのページ

総レビュー数: 45レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月26日

極めて日常的な出来事を派手に演出することなく魅せてしまうのはひとえに作者の雰囲気作りの上手さ故でしょう。それだけにちょっとでもわざとらしいシーンがあると浮いてしまうぐらいです。
主人公のよつばのキャラは個人的に好きになれないですが、よつばを取り巻くキャラクターはどれも魅力的ですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-11-18 06:06:21] [修正:2008-11-18 06:06:21] [このレビューのURL]

7点 洗礼

主人公の狂気に満ちた執着の描写とオチのドンデン返しが秀逸。もちろん矛盾も無くは無いですが、このようなテーマ重視のオチは「ファイト・クラブ」同様些細な矛盾は許されるものだと思います。ただ、最後をハッピーエンドみたいにまとめてしまったのが残念。母親の純粋な愛情が描かれるシーンがほとんどないのでかなり強引に感じてしまいます。「漂流教室」などでもそうですが、楳図かずお氏の作品は短編のバッド・エンドは秀逸ですが、ハッピーエンドはイマイチです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-22 19:18:25] [修正:2008-08-22 19:19:04] [このレビューのURL]

図らずも原作のガス抜き役を果たした作品。
原作既読かどうかで評価がガラッと変わる内容で
ストレスフリーに読める反面、ラブコメやバトルとしては傑出した点はなく本作独自の面白みは薄い。

ただ、原作がひたすらに胸糞だったせいもあって原作で無責任だったり無神経すぎたキャラがマイルド改変されただけでも読者としては救われた印象がある。

皮肉にも原作がアレすぎた恩恵を一番受けた作品。
原作を読んで後悔した人やこれから原作を読もうという人には是非オススメしたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-11-10 18:26:24] [修正:2018-11-10 18:32:05] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

発想の奇抜さやめくるめく謎の展開は楳図かずおにも匹敵するものがある。世界観のダークさは「ベルセルク」にも似るが、雰囲気は真逆でコミカルかつ人間臭い作風。キャラクターの造形の親しみやすさのおかげでファンタジーでバイオレンスな世界観もわりかしすんなりと受け入れられる。十字目一派の台頭から俄然話が勢いづき先の展開が非常に気になる。ただ、魔法使いとホールの住人の間に揺れる差別感情はやはり見ていて心苦しい。登場人物が親しみやすいだけに人が蔑み憎み合うのがどれだけ愚かで醜い事かしみじみと考えさせられてしまう。仮に今後の展開で煙ファミリーが再興し、悪役扱いされた十字目が壊滅という終わり方になったら評価を下げてしまうかもしれない。そういった意味でも今後の展開に期待したい。

追記:23巻にて完結。雑誌移籍を繰り返してからは擁護しようもないほどにグダグダでした。せっかくのカイマンの正体に迫る展開も引き延ばしのせいでもはや何のインパクトもなく、キャラ同士がストーリーの都合で理不尽に殺し合う始末・・・ そして、散々引っ張った割にあっけなさすぎる結末。 既に次回作も決まっているので作者自身情熱を失っていたのでしょう。 結末はハッピーエンドではありますが、15巻あたりでこうなっていても問題のない必然性の薄い内容でこれでは壊を出してシリアス色を強めたのは全くの無意味だったと思います。
煙が死ぬまではお気に入りの漫画だっただけに、相次ぐ引き延ばしのせいで読者にも作者にも倦怠感の漂う状況で完結を迎えてしまったのは残念としか言いようがありません。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-06-08 12:51:50] [修正:2018-09-13 20:17:12] [このレビューのURL]

一言で言ってしまえば私には合いませんでした。
素朴な絵柄とモノローグ、ほのぼのとした人物間の雰囲気の描き方に特筆すべきものがあるのは認めます。
しかし、私はどちらかといえば性悪説よりな擦れた人間なのでこのような「善人しか登場しない人間讃歌」には読んでいて歯痒さを覚えてしまうのです。
人間の罪や愚かな一面を描きつつも根底の善意を描く、というヒューマニズムなら評価したいのですが(F先生や冨樫先生など)。
ただ、主人公の「生きる歓び」を体現するような生き方に憧れたりはします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-06 13:34:05] [修正:2010-09-06 13:34:05] [このレビューのURL]

6点 トリコ

フグ鯨編は面白かったです。ただその後、美食會が出てきたあたりから頭でっかちで描いている印象が強くなり、話も失速してきた印象です。計算で描くことは悪いことではありませんが、どうもその計算がみえみえであざとさを覚えてしまいます。作者が少年漫画を熟知しているのは分かりますが、作品としては看板漫画の器ではないでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-11 20:17:42] [修正:2010-01-11 20:17:42] [このレビューのURL]

登場人物の和気藹々とした雰囲気やオーナーと少女の行きつ戻りつな関係は見ていて楽しかったが、中盤以降の展開がややダルい。どうも読んでいて「どっちとくっ付けよう、やっぱこっちにしよう」みたいな迷いが伝わってくるダラダラしているような強引なような展開になってしまっていた。最終回もハッキリ言って予定調和(オーナーのセリフも作者の言い訳に聞こえる)。ひろみは最後いかにも青春じみた対抗心を燃やしているが、個人的にはオーナーは恋愛で負けたのだから卓球では勝ち続けてほしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-07 15:22:15] [修正:2008-06-07 15:23:05] [このレビューのURL]

作風自体は紛れもなく変わらぬジョジョなんですが、過去作に比べて大きく勢いが落ちた印象は否めません。

ラスボスもストーリーの着地点も不明なまま進むため読者を引きつける推進力に欠け、一つ一つのエピソードもぶつ切り感が強く全体的にダラダラしてしまっています。なにより過去作に比べて演出の力強さが失われているのも没入感を削ぎ、ダラダラしたエピソードの羅列という印象を助長しています。
康穂の過去が明かされ徐々にキャラクターの繋がりは見えてきましたが、それも18巻になってからなので終わるまでに更に17巻はかかりそうですね・・・

長期連載ゆえのグダグダ感は6部の時点で既に見られましたが、本シリーズではそれが更に酷くなっている感じで今一つ楽しめません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-17 22:55:28] [修正:2018-03-17 22:56:41] [このレビューのURL]

メイド喫茶という馴染みの薄い別世界で繰り広げられる客との掛け合いは新鮮で序盤の職場に馴染んでいくまではそれなりに面白いです。
蜂矢と愛理のエピソードは切なく一番印象に残りました。
ただ、肝心の主人公の千代子が精神的に未熟すぎて最後まで共感出来ませんでした。そのため、メインエピソードともいえる鳥取との恋愛も応援する気になれず白けてしまったのが痛いです(そもそも、異性として意識してもらえないから専属メイドになるという発想が気持ち悪い)。灰音の兄から鳥取を庇うシーンも本来ならグッとくる展開のはずなのに、千代子の主張が幼稚すぎて逆に兄のほうが正しいと思ってしまいました。せっかく、鳥取は弱者としてそれなりにリアリティの感じられる造形になっていたのにこれはもったいなかったです。
加えて灰音と兄もバックグラウンドの描写が多い割に何がしたいのか最後まで掴めませんでした。あるみの結末もハッキリ言って消化不良です。千代子のエピソードばかりに注力しすぎて他が若干おざなりになっていた印象です。
また、上記の専属メイドといい緊縛ネタといい、エロゲーまがいのシーンを強引にねじ込んでいたのも違和感を強くしていました。
一見、丁寧な作りながら素直に楽しめない要素が多すぎて残念な作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-11 21:10:25] [修正:2011-11-11 21:12:47] [このレビューのURL]

5点 HAPPY!

全体を通してあまりにも不快な「タメ」を作りすぎたために肝心の「カタルシス」が目立たず綺麗に爽快感を残せなかった構成の失敗例とも言える作品。
また、テニスの描写も表層的な上に試合の演出がどれもワンパターンで、作者のテニスへの知識や思い入れの乏しさが伝わってきてしまうのはスポーツ漫画としてはかなり物足りない。
綺麗にオチないという意味では浦沢直樹の作家性がよく現れている凡作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-22 19:57:01] [修正:2010-11-22 19:57:01] [このレビューのURL]