「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

ドラマ化で一躍人気になった、タイムスリップドクター漫画(そんなジャンルは多分ないですが^^;)の「仁」で有名な村上もとか氏の作品です。

激動の昭和を生き抜いた龍という一人の男の人生ドラマです。

正直、同氏の作品の中でもっとも過小評価されているのではないかと思っている作品であります。

この物語の素晴らしいところは、龍の経験してきたものがその後の人生に大きく影響しているように描かれている点だと思います。

龍が会得してきた武術や、企業を経験することによって会得したリーダーシップなどが、後の活躍に大きく役に立っています。「それまでの経験の何が役に立つかわからない」という人生の普遍的ともいえる性質を見事に表現していると思います。

また、ダブルヒロインや、実際の歴史上の人物と龍を違和感なく絡めさせる技術は人間ドラマに深みを与えています。そしてこの手法はのちのヒット作「仁」でもいかんなく発揮されています。

最後が若干駆け足ですし、最後みんながどのような人生を送ったのかはうむやむになっている点も多いですが、そこは読者の判断ということでしょう。それまでの面白さを減退させることはあまり無いかと思います。

非常におすすめです。

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[投稿:2013-05-13 18:57:53] [修正:2013-05-13 18:57:53] [このレビューのURL]

落語家の世界を描いた尾瀬あきら氏の作品。

尾瀬氏は、これまでの作品からして閉鎖的な社会や、マイノリティの世界を描くのを得意としているようです。

絵のタッチは温かい雰囲気なのですが、どことない息苦しさや閉塞感を漂わせています。もはや職人芸の世界だと思います。

若干の説教臭さがありますし、話の展開も良く言えばクラシックで正統派、悪く言えば古臭いですが、何か夢を追いかける人は共感できる点も多々あるのでは。

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[投稿:2013-05-13 18:31:12] [修正:2013-05-13 18:31:12] [このレビューのURL]

もう作者が、好きな構図、好きな登場人物、好きなセリフをこれでもかというぐらいに書き込んでいます。

日本橋先生は本作品以前の連載はすべて打ち切りだったそうで、打ち切りられる前に思い切り自分の表現したい描写を描きまくったのでしょうか。

なので内容が濃い。セリフが極端に多いとかではないのですが、なぜか1巻を読むのに膨大なエネルギーを消費します。

絵は、非常に上手だと思うのですが、かなり実験的なデザインにしているコマも所々に見受けられます。

説教臭さは人によっては鼻につくかもしれませんが、それは読者に伝えたいことがはっきりとある、芯のある漫画である証拠なのかなと思いました。

漫画家だけでなく、ものづくりに従事している人には、是非とも読んでほしい漫画だと思います。

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[投稿:2013-05-12 21:22:53] [修正:2013-05-12 21:22:53] [このレビューのURL]

原作者の体験をもとに描かれた刑務所ライフマンガ

このマンガは2つの大きなハードルがあると思います。
一つは若干おどろおどろしさを含んだ絵。これはそれぞれの好みがあるのでどうしようもないかと思います。
そしてもう一つは刑務所での生活をあまりにも面白可笑しく描いている所です。

「罪をつぐなうための場所なのに、なぜに彼らはこんなにも順風満帆な生活をおくっているのか・・・」と疑問に思ったり、腹を立ててしまう人々は読まない方が良いと思います。

しかし、その2つのハードルをクリアできた人は、とても楽しくこのマンガを読むことができると思います。刑務所という異世界での生活を、ギリギリまでしめっぽさやマイナス的なイメージを排除したこのマンガはエンターテイメント作品として上質のものとなっています。

刑務所のおやつに一喜一憂し、好きな子を語るように大麻について盛り上がる、林間学校や修学旅行にきている少年たちに重なります。

ただストーリーの骨格はかなりでたらめで、一話毎のつながりはあまりなく、最終話も途中で切れているような感じで終わります。

自分とは異世界の日常を楽しむといった点からして、「ゴッドファーザー」を見るときのように楽しめばよいかと思います。

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[投稿:2013-05-12 20:40:56] [修正:2013-05-12 20:40:56] [このレビューのURL]

絵は綺麗で、女の子は可愛い。ストーリーも王道的。時々エロスもあり、シリアス場面とギャグ場面のバランスもちょうど良い。

要素だけ取り出すといかにも、人気がでそうな作品だが読んでみるとなぜにこんなにも魅力がない作品になってしまっているのか・・・

これはおそらく「自分の好きなものを描き出そう」という自己満マンガとは全く逆の「読者に受けそうなものを描き出そう」というこびへつらいが所々に見えてしまうのが原因なのか。

王道を描き、かつ面白い作品に昇華させることがいかに難しいかを体現している作品。

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[投稿:2013-05-12 01:19:00] [修正:2013-05-12 01:19:00] [このレビューのURL]

あらすじは、伊橋悟が一人前の板前を目指す料理マンガ、というより板前道マンガ。料理のうんちくや知識が所々はいってくるが、伊橋の成長というマンガの軸を邪魔はしないのであまりうざさはない。

はっきりいって、絵は下手。ギャグセンスもほとんどないマンガ。

ずっと淡泊なまま物語が続く。しかしその物語の中にあるささやかな読者へのメッセージが胸を打つのだ。さらりと大切なことを教えてくれるので、説教臭さもほとんど感じない。
そしてこのマンガは本当に一歩ずつ登場人物が成長する。一つのエピソードで爆発的に成長することはないが、長い目でみると、着実に大きくなっていくのである。この部分もまた。愛着の持てるゆえんだと思う。

「面白い!!」となる作品ではないかもしれないが、爽やかな気分になれる作品だと思うので、是非多くの人が読んでほしいと思う。(ブックオフで安売りされているしね(笑))

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-12 00:10:32] [修正:2013-05-12 00:10:32] [このレビューのURL]

8点 SUGAR

[ネタバレあり]

新井英樹流スポーツマンガ

作品としての完成度は新井作品の中で間違いなくトップ。
あらすじはお調子者の石川凛がボクシングの世界でその天才的才能を
いかんなく発揮する作品。

この作品に限らず新井英樹の作品は「スポーツマンガ」「学園マンガ」といった分類分けが非常にしにくい作品が多い。それは作品の主人公の人生すべてを書きだそうとするからだと思う。

例えばこのシュガーにいたっては、凛の上京までのエピソード、料亭での生活、恋愛や周りの人たちとの交流を書き出しているので、肝心のボクシングの練習や試合をしている場面は他のボクシングマンガと比べて、驚くほど少ない。

つまりこのマンガは、石川凛という「天才観察物語」なのである。
「ボクシングの天才の仕事風景は?周りとのコミュニケーションは?幼馴染との恋模様は?」ということをこれでもかというぐらい綿密に描き出している。もちろん、ボクシングなどのアクションシーンの迫力は素晴らしい。こちらの痛覚さえも刺激しているのではと思ってしまうほどだ。

新井英樹の癖のある絵と、セリフという壁をクリアできたら間違いなくはまれる作品だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-11 23:45:40] [修正:2013-05-11 23:45:40] [このレビューのURL]

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