「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

8点

[ネタバレあり]

自身も数多の山に登っていた石塚氏が描いた登山漫画。この情報を知る前に『岳』を読んだ際に、山に対する限りない愛と敬意が伝わってきました。

ここまで「おれはこれを描きたいんだ!」とひしひしと伝わってくる漫画になかなか出会えません。

ストーリー運びがうまいわけでも、画力が高いわけでもありません(『孤高の人』の画力には到底及びません)。この漫画は、危険で過酷、死人がでることもザラという山という存在が、なんだかんだで好きなんだという三歩の、そして作者の情熱を楽しむ作品だと思います。

カテゴリー上は青年誌ですが、山にあこがれる少年たちにもおすすめできる良い作品です。

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[投稿:2013-05-15 23:51:24] [修正:2013-05-15 23:51:24] [このレビューのURL]

10点 キーチ!!

[ネタバレあり]

新井氏の作品は、非常にスロースターターなものが多いです。
このキーチも盛り上がりまで相当な時間がかかります。

そのピークまで我慢してつきあった読者には、必ず感動が待っています。我慢して読みましょう。

ただキーチに至っては、キーチのカリスマ性が伝わってきて、「この主人公ただものではない」となんとなくわかり、あまりドロップアウトする人はいないんじゃないでしょうか?

後、美少女はでてきません。あえて美人を挙げるのなら、キーチのママぐらいですね。ヒロインはびっくりするぐらいのドブスです。

とにかく、キーチのカリスマ性に溺れてください。

非常におすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-15 23:15:50] [修正:2013-05-15 23:15:50] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

[ネタバレあり]

スポーツ漫画の金字塔。連載が終了して20年近い歳月が流れていますが、今なお読んで面白く爽やかな感動を与えてくれます。

敢えて粗さがしをするならば以下のような点でしょうか。

?ベンチメンバーの活躍シーンが乏しい
湘北高校のレギュラーとサブのレベルが激しすぎて、特に終盤は小暮君以外の活躍がほとんどありません。レギュラーの5人がギリギリの状態で闘うさまは、心を激しく揺さぶられますが、もうちょっと見せ場をつくってあげてもよかったのではと思います。

?主人公桜木の私生活の掘り下げがとぼしい
桜木の私生活などは、ほとんどわからないままです。(お父さんが病気に倒れたような描写はありますが)流川楓の私生活もあまりわからないままです。これは読者に部活という世界での彼らだけに注目してほしいという現れだと思います。なので、ライバルたちの人となりを表すようなエピソードの掘り下げはかなり徹底していますので、故意的なものだとは思います。

?全国のライバルキャラの活躍が描かれていない
山王戦終了後、作者の井上氏は「これ以上の試合は描けない」ということでペンを置きました。これは余計な引き伸ばしをさせられる風潮があるジャンプのなかではとても良い判断だと思います。ただせっかく登場させた魅力的なライバルキャラの活躍が見れないのは、やはり残念な気持ちがあります。

というところでしょうか。ただ上記のマイナスポイントは、戦略的なものであり物語を引き立たせるために、仕方なく発生させられた事象です。
文句なしの大傑作です。読んで損はありません。


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[投稿:2013-05-15 15:32:29] [修正:2013-05-15 15:32:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この作品が人気になった所以は絶妙なキャラクター設定だと思います。

まずは六太。宇宙兄弟を読む前のぼんやりとしたイメージは、「凡人が宇宙飛行士を目指す漫画」であり、まぁそうなんですが、まず「凡人」である六太のポテンシャルが非常に高いです。理系の博士号を持っていて、元の会社では非常に優秀な技術者として評価されています。

客観的にみたら六太は、「相当優秀な人間」です。「凡人」だと思っている人は、六太自身なのです。六太は、弟ヒビトと自分を比べて相対的に自身をなくしているのです。

宇宙兄弟の物語は、「六太が宇宙飛行士を目指し努力する物語」というより、「六太が自分のポテンシャルに気づく物語」だと思います。

なので、六太が活躍しても「まぁ六太もともと優秀だもんな」とこっちもつい納得させられてしまいます。

またこの物語には、「成功には類まれなる運が必要なのだ」という暗黙の教えが多々出てきています。「努力や人柄で夢をつかめる」というのは、必ずしも真実ではなく、「縁」や「運」が大きく左右することがあります。ここも成人をターゲットにした漫画として絶妙なリアリティがあると思います。

「宇宙飛行士」になるという少年らしい夢を追う物語で絵のタッチも非常にポップなのですが、絶妙なリアリティをもった設定がこの物語を多くの人々に愛される漫画になっていると思います。

また、余談ですがこんなにもヒロインが愛らしい漫画も昨今珍しいのではないでしょうか。




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[投稿:2013-05-15 14:40:07] [修正:2013-05-15 14:40:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

農業大学が舞台の漫画。

キャラクターのデザインや世界観の設定はとても魅力的な漫画です。
そのキャラクターに妙な性格を設定しているため、読んでいてひっかかりや違和感があります。またいきなり説教モード(おそらく作者が伝えたいこと)を前置きなくぶっこんでくるときもあります。

そして、この漫画の最大の欠点ともいえるポイントは、セリフがものすごい説明口調です。専門知識が多々登場しますので読者を置いてけぼりにしていかないための配慮だと思うのですが、これが作品のテンポをとても悪くしています。そして図鑑の文章をそのまま抽出してきたのではないか?と思ってしまう程、固いセリフとなっているので、あまり知識として入ってきません。なので結局は置いてけぼりにしているような現象が発生しています。(これは、僕の理解力不足もあるのでしょうが)

とはいえポテンシャルは非常に高い作品ですので、理系知識がすんなり入ってこれる方にはおすすめかもしれません。




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[投稿:2013-05-15 14:18:06] [修正:2013-05-15 14:18:06] [このレビューのURL]

8点 ROOKIES

ルーキーズはまぎれもない青春漫画の名作です。

森田しのヒット作『ろくでなしBLUES』も十二分に面白かったですが、本作では野球がメインテーマになっているので不良どもは成長と同時にチームプレーを覚えていきます。それはつまり『ろくでなし?』よりも不良が『仲間』の大切さを知ることの説得力を一段と強くしています。

野球の試合は迫力満点。もちろん、ケンカシーンも少なからず存在します。

お涙ちょうだいシーンが過剰だったり、川藤氏の純粋すぎる人間性が嫌いな人はいるかもしれませんが。

この作品はドラマ化、映画化しましたが、漫画にあった汗臭さ、汚らしさがなく魅力が半減していました(俳優さんたちの演技は思ったより良かったです)。

ともかく映画を見るぐらいなら、漫画を読んでください。

ひじょうにおすすめです。

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[投稿:2013-05-14 01:31:31] [修正:2013-05-14 01:31:31] [このレビューのURL]

8点 YAWARA!

柔道に美少女とラブコメをミックスし、国民的漫画になった本作品は浦沢氏の名前を一気に有名にしました。

この漫画の肝は、まず主人公の柔ちゃんの魅力です。強く、美しく、女の子らしい彼女は読者の心を掴んで離しません。

そしてストーリーのテンポの軽快さ。一巻をすらすらと読んでしまいます。のちの同氏の持ち味となる、女の嫉妬とか人間の深い闇なんてものはこの漫画には存在していません。

すっきりした絵ですので、柔道の試合も見やすくスピード感があり、柔道にまつわるそれぞれのドラマはある程度しっかり描かれています。

僕個人としては、YAWARAは浦沢氏の作品の中で、一番すぐれた作品だと思います。このひと、人間の重いドラマを描くよりテンポアップにものごとが展開するストーリーが向いているんじゃないかなと。。

「浦沢といったら『MONSTER』『20世紀少年』だろ!」と思っている人は、是非とも読んでいただきたいと思います。

また逆に上記のシリアスな作品が嫌いで浦沢作品を避けている人にもおすすめです。


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[投稿:2013-05-14 01:15:52] [修正:2013-05-14 01:15:52] [このレビューのURL]

まさに『ポケモン版ジョジョ』、まだ緻密な戦略やシリアスなストーリー展開で読者を大いに楽しませてくれます。何より、ポケモンという存在に大いなる愛と敬意を感じます。

ただ、この漫画はその外の部分で非常にツキのない作品というか、『もっと売れても良い』作品だと思います。(多分、読んだ人であればそう感じるのではないでしょうか)

その要素を書き下ろしてみました。

1.作画者の交代
初期の作画は真斗氏。しかし、体調不良を原因に途中から山本サトシ氏に変わっています。真斗氏が描くキュートなキャラクターから、クールな雰囲気を好む山本氏に変更になったことは僕自身かなり残念でした。
まぁ、この好みは人それぞれなので一概に不幸ではないと思いますが。

2.連載誌の購読対象が独特
もともと『小学生シリーズ』に掲載されていましたが、この小学生シリーズは読者が小学4年生であれば、「小学4年生」を、小学校6年生であれば、『小学6年生』を読むのが普通となっています。(まれに、そうじゃない人もいるとは思いますが)購読者が定期的に確実に入れ替わるという雑誌での掲載は、かなりリスクを伴うんじゃないでしょうか。
そして、『小学生シリーズ』が廃刊になった後も、『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』というあまり有名じゃない雑誌へ引っ越しました。


3.ポケモンというコンテンツによる大人のファン層の獲得の難しさ
この『ポケモン SPECIAL』は子供はもちろん、大人が読んでも十二分に楽しめる作品だと思います(私も単行本を集め始めたのは、大人になってからでしたが思い出補正抜きにしても面白かったと思います)。しかし、大人の漫画ファンは「ポケモン」という題材というだけで、眼中に入れていない人も多いんじゃないでしょうか。

上記の3つが、この漫画の抱えるどうしても外すことのできない足枷だと思います。ただ根強いファンを獲得し続けているのは事実ですし(どうやら1000万部突破しているみたいですし)、何度もいうように作品としての質は非常に高いので、『ポケモン』というだけで敬遠している人にこそ是非とも読んでほしい、おすすめの作品です。








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[投稿:2013-05-13 21:04:19] [修正:2013-05-13 21:04:19] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ドラマが大ヒットしましたね。僕は柴咲コウが大好きですが、ちょっと感じが違うんじゃないかなぁと思います。

『ドクターコトー』は漫画でももちろん感動作です。所々に、涙腺が緩くなる話もありました。ただこの作品を読み進めていくうちに、「あぁこの作者、絶対にサディストだ」と思うようになり、2、3周と何度も読むうちにそれは確信に変わりました。

『コトー』に限らず、医療漫画は生死を伴うような話が大半を占め、かつある程度のドラマを加えなければいけません。なので、「突然の不幸」だったり「幸せからの凋落」を描く必要があります。その落差が激しければ激しいほど、読者からの共感や同情は増します。その作者による「徹底的な叩きのめし」が必要なのは、充分よく理解できます。

しかしながらこの『ドクターコトー』は、その叩きのめしが「えっ、そんなところまで!?」と言ってしまいそうなぐらい徹底しています。最後はコトーがなんとかしてくれると思いながらも、目を背けてしまいそうな場面も多々あります。その演出が過剰と言えば過剰です。

まぁそんな風に読んでいるということは、もうコトーの島の人々に大きく感情移入している証拠ですが。

非常に面白いし、おすすめですが、ドラマと同じ感動を求めているのならば注意が必要です。







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[投稿:2013-05-13 19:50:57] [修正:2013-05-13 19:50:57] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代には熱血スポ根漫画からの脱却を試み、さわやかでハンサムな少年たちが主人公になるスポーツ漫画が主流になりました。

その漫画の一角を握る名作です。

「高校柔道部」という劇画との相性ばっちりだと思われていた舞台をあえて、ポップなタッチで仕上げています。

仲間を情熱と友情を持って、集めるなんてことはせず、「中学でも柔道をやっていたから高校でも柔道するかー」ぐらいの勢いであっさりと仲間は集まります。

そして主人公はかなり序盤から彼女持ちで、もう一人の主人公に想いを寄せるヒロインもギャグとロマンスに活躍します。あっさりしているので、この2人が主人公を取り合うなんて昼ドラ的なことはしません。

つまりこの漫画は試合外のドラマをかなり省いています。この作品がヒットした所以は、単純に試合の面白さ、柔道という武道の面白さを研ぎ澄ませた
所にあると思います。(しかもスーパー必殺技はなし)

試合の勝敗もなかなかシビアで、予想できないような展開などもかなり多いです。作者が柔道経験者であることが大いに活かされています。

そのテンポの良さ、軽さというメリットの分、読んで心に残る作品かと言われれば微妙ですし、『カリスマ性』を持った作品ではないかと思いますが、読んでいる間はとても楽しい時間を過ごせますし、男性、女性問わず読むことができますので、かなりおすすめだと思います。






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[投稿:2013-05-13 19:32:30] [修正:2013-05-13 19:32:30] [このレビューのURL]

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