「フィロ」さんのページ

総レビュー数: 34レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年03月23日

8点 嘘喰い

[ネタバレあり]

絵が美麗です。

ギャンブル漫画ですが、ギャンブル時代の勝ち負けだけではなく、それをもっと大きな目で俯瞰できるかといった視点があり、面白いです。

途中に挟まれる賭郎同士のバトルが、頭脳戦だけでない躍動感を出していて、全体としてバランスの良い漫画だと思います。

獏さんにはカリスマ性があり、それを追って成長してゆく梶くんという二人の主人公という構図が王道で良いです。
キャラクターに底知れない独特の魅力や愛嬌があります。

ファラリスの牡牛、エアポーカー、古本屋の勝負が好きです。特にエアポーカーは夢中になるほど白熱していて面白かったです。
徹夜で読んでしまいました。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 18:19:52] [修正:2018-12-17 19:39:04] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

エリジウム的な格差のある世界観のSF漫画。
モーターボール編が一番好きです。

序盤に仲良くなった少年は死ぬわ、イドはああなるわ、鋼鉄の天使ガリィにとっても読者にとっても容赦ない展開が続きます。

マカクやザパンや博士をはじめとする敵キャラが立っててゾクゾクします。

SFとしての設定に目新しさはなくなったかもしれませんが、人間描写の掘り下げが深く、今なお哲学的な魅力がある作品です。
定期的に読み返したくなります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 19:32:42] [修正:2018-12-17 19:37:46] [このレビューのURL]

8点 BASARA

[ネタバレあり]

数年前に読んだのでざっくりした感想ですが。

画風はキラキラの少女漫画なのですが、主人公タタラが勇ましく、冒険とバトルがあるので少年漫画のような感覚で読めました。生き抜くたくましさのようなものを感じます。

朱里よりも、いつも身を呈してタタラを守ってくれていた揚羽が健気で好きでした。

味方を含めた登場人物がバタバタ死んでゆくのでつらいかな。
人気があるキャラだから死なせるのをひるむといった要素がないのが、かえって緊張感や先の読めなさを醸し出していたと思います。

熱い台詞回しが多い名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-12-17 17:13:08] [修正:2018-12-17 17:13:08] [このレビューのURL]

富裕層の子女があつまる学園、そこでは読心術や駆け引き力などを養うため、ギャンブルの強さで決められる暗黙の階級制度があった。
強い者はスクールカーストでいう上位、弱い者は家畜と呼ばれ、虐げられる。
そんな奇妙な風習が根付いている学園に、ギャンブル狂の美少女、蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)が転校してくるところから、物語は始まります。既刊6巻と外伝があります。

ギャンブル漫画なのですが、賭けられる額は高額で、人生そのものや、ときには命まで賭けることになってしまいます。なので、ジャンルとしてはデスゲーム物ともいえます。主人公が全て勝つのではなく、大敗することもあるので緊張感があります。

身近なゲームに独自のルールを加えたギャンブルが多く、親しみやすくもアレンジが効いていますが、特筆すべきは絵の美麗さ。
黙っていれば日本人形のような夢子や、ツインテールの強気なメアリ、個性豊かな生徒会メンバーなど美少女がギャンブルに荒れ狂い、おびえている様子や勝ち誇ってドSな表情に変わるさまなど、萌え絵とは違いますが好みの人にはたまらないと思います。
ある意味、名物である表情の変化を楽しむ漫画だといえます。

また、夢子の対戦相手は必ずといっていいほどイカサマを使ってきます。そのイカサマを夢子が見抜き、勝ち誇っていた相手を逆に追い詰めていくさまが水戸黄門的なお約束で、スカッとするところです。

しかし、夢子が正義感からイカサマを看破するのではなく、ギャンブルを楽しみたいからこそ、看破をすることで相手を同じ土俵に持ち込んでスリルをお互い味わいたいという「純粋なギャンブル狂」であるからこそ、勧善懲悪だと鼻につくことなく展開を楽しめます。

純粋なギャンブラーであるからこそ、夢子は命を賭けることは好まないし、諦めて戦わおうとしなくなった者全てに対して、夢子はそのままでいいのかと挑戦を問いかけます。
姉の入院費を支払っているとのことで、彼女が資金や、前述した信念や価値観を持つに至った背景も謎が多いのですが、これから伏線は解明されてゆくのでしょうか。


夢子の狂気にひきこまれる、美少女の表情の変化や先の読めなさがスリリングな面白い漫画だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-30 19:59:57] [修正:2017-03-30 22:39:56] [このレビューのURL]

「王ドロボウJING」「KING OF BANDIT JING」は全巻所有しており、私の一番好きな漫画のうちの一つです。万人向けのエンタメとして進められるかは別として考えると、悩んで7点にしました。

王ドロボウのジンと相棒のカラスのキールが異なる世界観をもつ都市から、それぞれの目的物を盗みます。
ときには、「物」ではないものまで……。
序盤はボンボンらしく少年漫画らしい絵柄なのですが、終盤と続編にかけて繊細で独特の絵柄になっていきます。

それぞれ全く違った性質をもった各都市にあわせて、盗むものは毎回異なります。この点で、キノの旅が好きなタイプの人にもオススメです。
その各都市の世界観は、オリジナリティ満載で構築されています。
私たちが夜、夢見るような愉快な夢や悪夢を凝縮させたような世界観で、少し毒をはらんだ哲学を滲ませています。
ネーミングはカクテルから名付けられているものが多く、センスのいい洋画へのオマージュも沢山あります。
童話のような右脳全開の甘々しい世界観でも、大人がかえってハマってしまうのは、この哲学が毒の効いた苦味としてアルコールになっているからと考えると、この漫画そのものがカクテルのような存在かもしれません。
台詞回しや結末が小洒落ており、一つの壮大な映画を見終わった時のようなカタルシスが各話のラストにあります。

漫画という媒体で、こんな表現ができるのか。
そう驚きたい方や、刺激を得たいアーティストにはオススメです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 23:14:13] [修正:2017-03-25 23:14:13] [このレビューのURL]

世紀末的な暴力がはこびる世界で、強化外骨格「零」をまとい、戦術鬼と戦う少年、葉隠覚悟が主人公のバトル物です。
葉隠、という名字でもわかるとおり、武士道精神が熱く語られる漫画でもあります。
残虐な世界観の中、強化外骨格の「零」の悲しみや痛みを背負う覚悟の深い優しさがあったり、罪子の心の強さや慈愛があったり、ラスボスの散は部下には器が広かったり、
昨今の薄っぺらいデスゲーム(それはそれで面白いです)が一番流行りのジャンルになっている現代には、失われてしまったような真逆のクドい人道をこの漫画から感じたりもします。お爺ちゃんのお説教を聞くような懐かしさというか、真っ直ぐに一本筋の通った漫画です。

正直画風が今風ではなく、さらに薔薇で囲まれて耽美だったり、内臓がでてグロかったりしてこってりとしているので、ライトな漫画好きには敬遠されると思います。しかし、前述の理由から、その濃さや武士道にハマる人はハマると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 21:55:30] [修正:2017-03-25 21:59:31] [このレビューのURL]

泣き虫で気が弱いのに潜在的Sの殺し屋イチと、 どMゆえに痛みに強く嗜虐性のあるヤクザ垣原が徐々に接近していくバトル漫画……ではなく、愛の漫画です。

すべての人を冷徹に駒とみなすジジイを黒幕として進んでいく話には、サスペンス要素があり面白かったです。
殺し屋のお話なので残酷に人が殺されるシーンが多いのですが、むしろ一筋縄ではいかない人の心理について色々考えさせられる部分がありました。
人の見ちゃいけないところを覗き見ているような背徳感に、お前はどうなんだ?と何か突きつけられているような気さえしました。

究極のSとMの邂逅というのを疑似体験できた気分でした。垣原のキャラが際立っていて最高。少しひねくれたものが好きな人にはオススメの漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 21:34:24] [修正:2017-03-25 21:34:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

洋太を応援するためビデオから出てきたビデオガールのあい、洋太が片想いする少女もえみ、もえみが好きな貴志、洋太と付き合う後輩伸子。洋太とあいを中心に、そんな人々の織り成す恋愛模様です。

ビデオって今思うと年代を感じますね。
恋愛してはいけない、というビデオガールの掟から来る、後半のあいの苦しみや孤独が切ない。洋太とあいの純愛も、いつも自分を助けてくれた洋太の格好よさにやっと気づいたもえみも、自分の元を去ってからもえみを好きだったことに気づいた貴志も、みんな人間らしくて、不器用です。
相手を思うゆえに断りきれない弱さ、あるときには気づけない存在の大きさ、気づいてから取り戻せない人の心。こんなに真剣に恋と向き合っている漫画は、少女漫画でも少ないような気さえしてしまいます。

あいが服を見つけるシーンや雨の中洋太がもえみを助けに行くシーンがなぜか強く印象に残っています。

人って失ったり失いかけてから、やっとその大切さに気づくんだよね、そう思わせる切ない漫画。

最高のハッピーエンドだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 21:21:36] [修正:2017-03-25 21:21:36] [このレビューのURL]

マンガワンで全話読みました。ボクシングの元世界王者が、起業家の世界に足を踏み入れ、Tシャツ会社を大きくしていく話です。「ドラゴン桜」と同じ作者さんですね。

あらすじだけ書くと地味かもしれませんが、迫力ある描写や、従業員やライバル会社の思惑など、つぎに主人公の拳がこれをどうやって乗り越えていくのか、とても見ごたえがありました。

元ホームレス組、主力のおばちゃんのやえこ、ライバル会社の意地悪な女性とその部下がキャラが立っていて良かったです。

主人公にカリスマ性があり、自分に仇なす者や下克上を狙う者、そういった全てを否定せずに会社を大きくする方向性に使います。この清濁合わせ飲むような主人公の人柄や行動が、読んでいて一番引き込まれたところでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 20:46:03] [修正:2017-03-25 20:46:03] [このレビューのURL]

6点 BLEACH

尺魂界編に8点です。尺魂界編はめちゃくちゃ面白い。

主人公が死神の力を手にいれて、死神同士や虚と戦うバトル漫画です。
初期の、町に霊や虚がでて倒していたのが連載していたまだ地味な頃、周りに誰も知っている人がいなかったのですが、ひそかに読むのを楽しみにしていました。

ルキアが尺魂界にさらわれていき、一護がそれを取り返しにいくところから、グッと面白くなりました。
まだ見ぬ未知の尺魂界という設定、侵入しないといけない難しさ、そしてなんといっても、護廷十三隊のキャラクターの濃さ。

少年漫画って敵が濃ければ濃いほど面白いと思うんですが、美男美女だけではなく、貫禄あるお爺ちゃんや獣やマッドサイエンティストまで含まれている護廷十三隊が、しかも敵として立ち塞がり、個性豊かな斬魄刀で戦っていくという展開は、ワクワクが止まりませんでした。

ルキア奪還までは、本当に熱くて、作者のスタイリッシュなセンスも相まって夢中で読めましたが、アランカル編からは少し和風の世界観から逸れてきて、ページの余白も増えてきて、面白さが薄れてきたように思いました。アランカル編の途中までの評価として、この点で感想を書かせていただきます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 20:38:27] [修正:2017-03-25 20:38:27] [このレビューのURL]