「souldriver」さんのページ

総レビュー数: 110レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月21日

非の打ち所のない域にまで完成された世界観、洗練された人物像。この点においては現段階で最高の完成度を誇る作品の一つと言って良いと思う。

映画版とは違い宗教問題や民族問題、泥沼の権力争い、さらには人類の在り方といった、愛や環境問題にとどまらない深いテーマまで踏み込んで取り上げており、重厚で複雑なストーリーは非常に読み応えがある。
絵は丁寧なコンテのようなものだが、決して手抜きではないし、どの場面にもしっかりとした味がある。逆に絵の表現方法はあくまで漫画の要素の一つでしかない、ということを分からせてくれる。

結末に関して言えばかなり賛否の分かれるところで、正直なところ僕もこれで良かったのかどうなのか分からない。でも作者がごまかすことなく、この物語に対しての一つの答えを明確に示したことはすごく評価できる。

それだけに終盤かなり急いで終わらせた感じがするのが残念。最終巻までは満点の出来だった。
もう1〜2巻使ってしっかり描き切っていれば…。

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[投稿:2007-06-21 05:53:46] [修正:2007-06-21 05:53:46] [このレビューのURL]

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