「souldriver」さんのページ
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しばらく漫画から遠ざかってましたが、少し余裕がでてきたので過去のレビューの修正などぼちぼちやってます。
自分のレビューを読み返していて気付いたことが1つ。それは「緊張感」という言葉を多用していること。
僕にとっての漫画の評価基準とはつまり、(ユルい作風でも、ギャグ漫画であっても)「独自の緊張感」を感じられるか否かということろに終始するようです。
7点でオススメ、8点で秀作、9点以上で傑作、10点は特別な点数。点数は気分次第でけっこう変わるので、なるべくレビュー本文をしっかり書くように心がけてます。
○定期的にチェックしてる作品(レビュー変更の可能性あり)
「ヴィンランド・サガ」 「岳」 「銃夢 Last Order」 「CRAYMORE」 「さよなら絶望先生」 「シグルイ」 「SIDOOH 士道」 「ジパング」 「スティール・ボール・ラン」 「Damons」 「賭博堕天録カイジ」 「バガボンド」 「ハチワンダイバー」 「ヒストリエ」 「PEACE MAKER」 「へうげもの」 「BECK」 「HELLSING」 「魔人探偵脳噛ネウロ」 「無限の住人」 「よつばと!」 「ラストイニング」 「リアル」 「WORST」

9点 ピンポン
構成の過不足のなさ、キャラの魅力、独創的な構図やタッチ、意外な結末…全てが素晴らしい。
才能を持て余す能天気なペコと、才能を生かす気のないクールなスマイル。作者得意の二人の対比を中心に描かれる青春像は、天才であるがゆえの苦悩や孤独、努力では超えられない壁にぶつかった者の挫折感、スポーツをやっている人間なら誰もが感じる、けど誰も決して声を大にしては言えなかった、そんな真実を痛快に表現している。
主役級の二人から脇役に至るまで、それぞれの思いを胸に卓球に命を賭ける姿は、みんなどうしようもなくカッコイイ。
また、粗さと繊細さが見事に溶け合った絵は濃すぎず、薄すぎず、一度見たら忘れられないインパクトを持っている。ほとんど動きのない「静」の絵にこれほどのメッセージを込められたマンガがかつてあっただろうか。
青春という2文字をたった5冊の中に見事に集約してみせた作者の感性は驚異に値する。
文句なしに傑作。
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[投稿:2007-06-29 19:14:27] [修正:2007-06-29 19:14:27] [このレビューのURL]
5点 ホムンクルス
これは評価が難しい。
最初読んだときは衝撃を受けたしどんどん読めたけど、なぜか今考えるとどういう内容だったのかよく思い出せないほど印象が薄い。
着眼点はすごいし、現代人の深層心理について興味深い考察?がなされていると思う。ただ描写がリアルすぎてイマイチ馴染めなかったのと、展開が飛躍しすぎるため状況がよく理解できない(主人公も僕も)のが原因なのだろうか。
おもしろいんだけど、印象には残らない。
「おもしろい」と「印象に残る」は今まで常にセットで感じてきたから、これはかなり珍しい。ある意味貴重な作品なのかもしれない。
しかしながらさほど先が気にならないのは痛い。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-29 18:52:02] [修正:2007-06-29 18:52:02] [このレビューのURL]
少年誌の王道のような冒険マンガ的オープニングを見せたかと思えば、闇の世界や独自の設定の闘技場、さらにはネットゲームやオークションの概念まで。
いろんな世界を違和感なく料理して物語に組み込むセンスの良さはさすが。
あえて舞台を広げることで様々なエッセンスをまじえながら、読者に旅行をさせているような感覚を持たせようという意図も読み取れるし、全く飽きなかった。
念の設定も独特で、一元的な「力」の概念と操る人間によって様々な特徴を見せる「スタンド」の概念の良いところをうまく融合させたようで画期的。ときどき常軌を逸した変人が登場するのも作者らしくて良かった。
が、蟲編に入ってからどうもおかしくなった。
休載のことは抜きにしても、戦闘の駆け引きがどこか短絡的に思えたり、あまりの急展開にパワーバランスが崩れすぎてせっかくの念の概念が置き去りになってるような気がする。
ともかく、今後どう物語が進んでいくのか。気にしても仕方ないのが現実だけど、今の状態はどう考えても生殺し。ちゃんと続きを書いてほしい…。
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[投稿:2007-06-29 17:33:22] [修正:2007-06-29 17:33:22] [このレビューのURL]
7点 ONE PIECE
何と言われようが、「10巻までの雰囲気が好きだった」という意見は変えられない。
その後のあまりにも人が死なない理不尽さや短絡的な思考が多すぎるのに嫌気が差して何年か読むのをやめていたが、久しぶりにまとめて読んでみると、やっぱり良いところも数多く持ちあわせているマンガなんだということを再確認。
とことんまでバカに徹するキャラクターになったルフィはこれはこれで魅力的だし、中途半端なキャラだった頃よりはだいぶ良くなった。
世界観や登場人物なんかもどんどん広がってるし、伏線も張られまくりだけど、不思議と消化できるような気がして安心して見てられるのはこの作品独自の魅力。
ただ死を描かないことはどうしても戦闘の緊迫感を損なうし、そもそもの航海の部分もかなりおろそかになっている。その点において「海賊」っぽさは相変わらずちっとも伝わってこなかった。
海洋冒険ファンタジーとして読むには十分に面白い。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-29 17:14:09] [修正:2007-06-29 17:14:09] [このレビューのURL]
7点 スカイハイ 新章
明るめな展開が多くなっているのは個人的には好き。
前作が「現世の汚さ」を描いているなら、今作は「現世の素晴らしさ」を描いた人間賛歌と取ることができる。つくづく人間とは裏表の生き物なんだなぁ。
特に猫の話は思わずウルッとくる。
ただ前作とあわせて5巻、6巻と続くにつれさすがに題材が尽きてきたのか、あまり入り込めないエピソードもちょくちょくあった。
それでも着眼点が良いというか、主題の見つけ方が上手いと思わせられる話が多く、全体的にクオリティーは高い。
誰が読んでも見所を見つけられる作品だと思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-27 19:48:49] [修正:2007-06-27 19:48:49] [このレビューのURL]
7点 スカイハイ
死を前提にしているだけあり、全体的に暗い雰囲気が漂う。死んですぐの人間の視点で現世を描くというのは新鮮味があった。
天国に行って転生を待つか、死を受け入れず現世で彷徨い続けるか、人間を一人呪い殺して地獄に行くか。
淡々と死者にこの選択を与えていくだけのストーリーだが、それぞれの選択に深い人間模様が描かれていてマンネリは感じなかった。
幸せを奪われた者、不幸のうちに死を迎えたもの、全くの事故で命を奪われた者、数多くの死が描かれているが、他人を殺めるということがどんなに不幸を与えるのかを教えられる。
どんな人間であれ命というものは重いんだなぁ、と。
子供が多く出てくるので絵が少し柔らかくなった感じがするが、相変わらず上手い。ただ「地雷震」後期の方が鋭さがあって好きだった。
地雷震から続けて読むと作者の社会問題への関心と人間観の変化が感じ取れて面白い。
サクッと読むことも深読みすることもできる良作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-27 19:33:27] [修正:2007-06-27 19:33:27] [このレビューのURL]
7点 シグルイ
かなーり敬遠していた作品。周囲の熱い推薦もあってこのたび思い切って読んでみた。
やっぱり最大の不安材料だったあのグロテスク表現は凄まじく、1巻の時点で何度か読むのをやめようかと思った。しかし読んでいくうちに徐々に気にならなくなっていってしまった自分がちょっと怖い。
絵もさることながら登場人物も一人残さず狂人。それも常識の範囲内では考えられないような狂いぶりで、逆に惹かれるものすらあった。思えば絵が気にならなくなったのも、この狂った人間像と完全にマッチしてるからなのかもしれない。
そんな副次的な要素に目が行きがちだけど、どんどん読めてしまうのはストーリー自体に魅力があるからに違いない。最初に衝撃的な情景が見せられ、それから過去に戻るという構成になっているので、何気に先が気になる。
面白い、というのが素直な感想。ただ面白いだけじゃなくて、人によっては麻薬的にハマる魔力を持ったマンガだと思った。幸か不幸か、僕は「まだ」その領域には行ってないけど。
全く万人にお奨めできるような代物ではないけど、臓物がOKな人はなんだかんだ楽しめるんじゃないかな。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-27 01:35:16] [修正:2007-06-27 01:35:16] [このレビューのURL]
7点 墨攻
戦国時代の思想家の人生を描いた教科書的歴史漫画かと思ってたら、意外にもかなり脚色の入ったエンターテイメント性の強い内容。典型的な劇画調の「濃い」作風で、残酷なシーンもそれなりに出てくるので読む前にある程度の覚悟はした方が良い。
もともと墨子や墨家の思想は学校の授業で少しかじったのだけのおぼろげな知識しかなかったが、これは無理に思想的な部分を押し付けてこなかったのですんなり読み進めることができた。
描写はかなりリアルで、良くも悪くも「大昔の価値観や戦争の様子はこんな感じだったのか」という雰囲気はよく分かる。現代人の視点から見れば墨家の思想など単純だ、と思うかもしれないが、当時の常識となっていた物事の考え方がしっかり描かれているので、いかに革離が先進的な価値観を持っていたかというのが伝わってくる。
また攻城戦をメインに描いている作品だけあって、アクション的な要素やかけひき、読み合いにもリアリティーがあって良い。
映画が面白かったから、といって軽い気持ちで読んでしまうとちょっと痛い目に遭うかもしれない。
しかし中国史が好きな人や本格的な歴史漫画を求める人を満足させるには不足無い出来。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-06-27 00:49:14] [修正:2007-06-27 00:49:14] [このレビューのURL]
8点 レベルE
着眼点や発想の面白さは言うまでもなく、王子を筆頭にキャラクターもそれぞれ最高に魅力的。作者の変人ぶりがフルに発揮されている作品。
かなり非現実的な設定なのにもかかわらず現実とのリンクがものすごく上手くいってる。また構成も良く、シリアスかと思ったらオチはコメディー、というやり方には何度騙されたことか。それでも許せてしまう「発想の斜め上をいく」茶目っ気がこの作品にはある。
とにかくやりたいことが無駄なく納められており、他の長編のだれっぷりを見るともう「短編だけ描いてください」な気分。
たった3冊でこれほどの満足感を与えてくれた漫画は他にない。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2007-06-26 00:02:48] [修正:2007-06-26 00:02:48] [このレビューのURL]
7点 最強伝説黒沢
一人のしがないおっさんの生き様をここまでコミカルにできるのはさすがといったところ。なんでこの人はこんなにダメ人間を描くのが上手いんだろう。
冷静に考えてみたらかなり異常なキャラクターと無茶苦茶な展開ばかりなのに、なぜかこの作者の手にかかると違和感がなくなってしまう。突っ込みどころ満載な内容だが、ふと自分に対して言われているような気分にさせられるリアルさがあり、素直に笑えないことも。
ただ終わり方が…。「え、これで終わり?」という感じでかなり呆気なかった。えてして人生なんてそんなもんだ、と言いたかったのかな?
ギャグ漫画として読む分にはかなりおもしろい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-06-25 23:36:21] [修正:2007-06-25 23:36:21] [このレビューのURL]