「FSS」さんのページ

総レビュー数: 50レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月31日

今まで未収録だった漫画を一冊にまとめた短編集で、各作品ごとに掲載年代や絵柄のタッチなどに大きな違いがある。なかには「あたしンち」と同じ作者とは思えないものも。

純粋に漫画として評価すると正直イマイチだが、けらえいこ氏がカット描きから漫画家に転身する際の葛藤や工夫が色々と垣間見えてファンとしては興味深い。

けらさんファンなら持っているべきコレクショングッズw。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-16 01:07:47] [修正:2008-04-16 01:07:47] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ある日やって来た転校生、卜部美琴に、主人公、椿明が恋してしまう恋愛漫画。

とは言うものの、従来からある正統な恋愛ものではなく、ヒロインがいわゆる「不思議系」に属するタイプ。

ノリ的には「ハルヒ」に近い部分があるが、この卜部美琴を象徴するものが「よだれ」と「ハサミ」という変態的かつフェティッシュなギミックである分、「変人度」や「フェチ度」はこちらの方が上(笑)。

誤解を恐れずに言えば、可愛い女の子に「よだれ舐め」という変態的な行為を強要されるというのは、ある意味、男のMっぽい願望を表していて、変に共感できてしまう部分がある。そこに目をつけたというのは面白い。

ただ、今のところそれほどパンチの効いた展開や演出がある訳でもなく、全体的に淡々とした印象。シリアスでもなく、コミカルでもない中途半端なバランス。今後、もう少し恋愛漫画として劇的なドラマを期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-17 22:03:51] [修正:2008-02-17 22:03:51] [このレビューのURL]

5点 彼岸島

[ネタバレあり]

<22巻までの評価>

ご多分に漏れず、長期連載の弊害で凡作に成り下がってしまった典型。10巻辺りまでは面白いが、それ以降の巻を買ってまで読む価値があるかは微妙なところ。

同じ「吸血鬼」を題材にした漫画としても「ジョジョの奇妙な冒険」の二部までと比較すると、明らかにオリジナリティや展開の意外性などで負けてしまっている。

よくある吸血鬼ホラーを和風テイストに仕上げた序盤は、独特な世界観といくつかの伏線や謎解き要素が上手く絡み合っていて、先が気になる展開だったが、ここ最近は、ほとんどアクション映画のようになってしまっている。特に「姫」との戦いなどはインディ・ジョーンズの映画かと思うようなリアリティの無いアクションシーンの連続で、見ていてシラけてしまった。絶望的な状況や強大な敵が現れるほど、主人公サイドの「ご都合主義度」もアップしていくという展開が多すぎるので、もう真面目にハラハラする事は出来なくなっている。逆に普通のザコ吸血鬼は弱すぎて、最近では障害物レベルの扱いで、これまた緊張感が薄い。それに加え、長期連載でダラダラと引き延ばされているせいで、一回毎の戦闘シーンも長くなっていて、余計に間延びした印象になっている(蜘蛛ババアとの戦いなど二巻近く費やしている)。

また、基本的に「島」という閉鎖空間が舞台という事もあって、ビジュアル的な変化に乏しいというのも難点。本来、閉鎖空間という舞台はアクションにしろ謎解きにしろ「短期決戦」というシチュエーションがあってこそ魅力が出せるもののはず。展開がダラダラし出すと閉鎖空間というシチュエーションが大きくマイナスに働く。これも長期連載ゆえの弊害。

あれだけ引っ張ってきた雅に関わる謎も、結局「日本軍の生物兵器の研究」オチというのも陳腐。同じく「ジョジョ」のDIOと比べるとボスキャラとしての魅力やカリスマ性にも欠けている。要するにそこまで凄そうに見えないのだ。

また、この作者の描く画にも好き嫌いが別れるだろう。何年も描いている割にほとんど上達が見られない。特に女性キャラの魅力の無さと横顔のデッサンがひどい。全体的に黒目をはっきり描かないので目にも表情が無い。

その他にも色々と突っ込みどころはあるが、何よりもこれ以上引き延ばしてしまうと、それこそ凡作から駄作に成り下がって終わってしまう可能性がある。

もうすでにやるべき事はやっているのだから、今後、ダラダラとした引き延ばしは止めて早期に終了すべき。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-17 20:08:47] [修正:2008-02-17 20:08:47] [このレビューのURL]

長く続いた「ゆず」シリーズの最終巻で、どこの感想でも「泣いた」とあるし、私もファンとして十年以上の付き合いがあった作品だけに、ゆずの最期には号泣するかと思いきや、あまりにも須藤さんや旦那さんの入り込んでしまっている悲嘆ぶりに、正直、ちょっと引いてしまった。

長年、可愛がっていたネコが死んだんだから、そりゃ悲しいのは分かるけど、ゆずほど幸せなネコもいないんじゃないかと思う。漫画のキャラとしてみんなに愛され、漫画の中で永遠の命を与えられた訳なんだから、笑って送ってあげようよ。それこそ、その辺の人間よりもずっと幸せな人(猫)生に思うけどなあ。

この辺の描き方は、ある意味、映画「初恋の来た道」に通じるものがある。要するに内容のほとんどが「悲しみ」しか描かれていないのだ。何よりも死者が生者に望むことは、死んだ者が残してくれた多くのものから、その悲しみを乗り越える前向きな強さと生き方を得てくれることのはず。その辺の描き方がかなりに希薄に感じた。

たとえば半年も経たないうちに、別の子猫を飼い始めるのがそうで、結局、「ゆずがいなくなったのは悲しいけど、新しいネコちゃんを飼い始めたから悲しくなくなったよ」という感じの終わり方に違和感がある。こういうペットを飼う人に共通の心理は、ペットを飼わない自分としては理解しがたいものがある。なんか泣く泣く別れた女がすぐ別の男と付き合ってた、みたいなw。

それと内容的には直接関係ないけど、今まで一切出てこなかった旦那がこの巻から突然出てくるのも、結婚してたなんて全然知らなかっただけに、めちゃくちゃ違和感があったw。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-02 15:56:19] [修正:2008-02-02 15:56:19] [このレビューのURL]