「FSS」さんのページ

総レビュー数: 50レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月31日

[ネタバレあり]

<1巻のみの評価>

若き日のラオウが拳王として覇業を目指す物語。

試しに1巻を買ってみたけど、最大の地雷はやはり絵柄。いくらなんでも原作の絵柄と違いすぎる。原哲夫氏のハードなタッチから一転、この白黒を強調したポップなデザイン風のタッチは、およそ世紀末には似合わないw。

ストーリー自体はラオウが拳王になる過程を描いていて、黒王との出会いや、聖帝サウザーとの戦いなど、原作では触れられなかったエピソードは興味深いところだが、やはりあの絵柄がどうしてもダメ。

また、劇場版『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章』のオリジナルキャラクターが、「あの」ラオウとタメ口をきいているのにも大きな違和感がある。キャラデザ的にも魅力に欠ける。

「北斗の拳」ファンで、この絵柄にまったく違和感を感じない人にならお奨め出来るかも知れないが、個人的にはちょっと無理。

結果、1巻で挫折。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-17 19:30:08] [修正:2008-02-17 19:30:08] [このレビューのURL]

3点 蟲師

<1巻のみの評価>

どこでも高評価なので買ってみたが、妖怪、オカルト、民俗学などに興味のある自分には逆に合わなかった。

世界観やテーマを含め、柳田國男のような民俗学的な見地から、人間の感情や精神性などから表出する現象を「蟲」というイメージに還元しているようだが、漫画としてはあくまで「雰囲気」優先で、あまり中身があるようには思えなかった。

蟲の定義も、「生」と「死」、「物質」と「非物質」の狭間の存在という感じだが、それとは別に「幽霊」という概念も存在しているようで、非常に曖昧。現象的にも何でもアリで、この辺の曖昧さをどう受け取るかで評価は変わるだろう。時代設定がはっきりしないというのも、やはり中途半端な印象に拍車を掛けている。

またストーリーが基本的に一話完結な事と、主人公以外、その場限りのキャラがほとんどなので、この陰鬱でノスタルジックな世界観や絵柄などにハマれないと、他に読み続けさせる原動力が無いので、辛いものがある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-09 21:14:12] [修正:2008-02-09 21:14:12] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

他の方にも指摘されているように、なるほど、車田氏は失敗を学習しない人のようだ(笑)。まあ、その唯我独尊的な発想があるからこその天才なのだろうが、さすがにこの作品はヒドい。

設定やキャラデザなど、基本部分は完全に「星矢」の二番煎じであり、ほとんど自己パロディの域。車田氏ほどの人でもヒットの甘味は忘れられないのだろうかとファンを失望させた、「男坂」の失敗とはまた違う意味での伝説的失敗迷走作品。

もちろん二番煎じというやり方が必ずしも悪いわけではないが、問題は車田氏本人が、前作「星矢」がどういう形でファンの期待を裏切っていったのかをまったく理解していない事だ(この頃から車田氏の作家としての「引き出し」が無くなりつつあり、それゆえに客観性を失っているように思われる)。

そういう創作姿勢だから、今作も序盤を過ぎた辺りから当然のように迷走し始める。序盤はカッコ悪い恐竜のような敵ばかりが多かったため人気が出ず、これではダメだと、急遽、紫龍と瞬にそっくりな「美形キャラ」を投入するような安易さ。結局ちゃんとした背景描写も無いままに出したキャラなど、外見の良し悪しに関わらず魅力が無いという事を証明してくれている。

そのくせラスボスの容姿は完全なる「やられキャラ」の典型的デカブツ(もっともそれすら連載が続いていれば中から「美形の人」が出てくるという媚び展開もあり得たがw)。組織の全貌を早々に明かしたのもマイナス要因。結果は…、言うまでも無い。

ラストの<NEVER END>の文字は、ある意味、「男坂」の<未完>よりも物悲しい。

そして「リングにかけろ2」や「冥王神話」に至っては、迷走ではなく、もはや暴走に近い。特に星矢の前世話である「冥王神話」は設定的には破綻していると言っても過言ではない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-28 13:04:29] [修正:2008-01-28 13:04:29] [このレビューのURL]