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10点 寄生獣
最後の最後で人間を否定したのが『デビルマン』。
それを下敷きに発展、追求し、とうとう真逆の真理にたどり着いたのが『寄生獣』だと僕は思う。
ミギー大先生の最後の言葉は、僕の中でおそらく生涯ブレることのない価値観になっています。
恐れ入りました
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-12-12 05:20:04] [修正:2006-12-12 05:20:04] [このレビューのURL]
7点 座敷女
唯一ホラー漫画で怖えーって感じた漫画
オレは幽霊とか化け物って全然平気だ
子供の時に、
「幽霊は人を殺してないけど、人間は毎日人を殺してるのよ」
って母親に教えられたからだ
超リアリズムを知らされた少年の苦い1ページがあったのだ
その時、怖いのは結局人間なのかぁーって子供ながらに思った
だから、これは怖い
狂気入ってる謎の女って、オイ 勘弁してくれよ、イヤ、だめだって、オイオイオイオイ、お、おっかないよ、うわ〜ん、おっかちゃーん
都心は近所の人の繋がりが薄い
30メートル先の家の人の生活を知っていますか?
20メートル先の家の人では?
隣の家の住人が何をしているか知っていますか?
あなたの目の前の人間がどんな人なのか知っていますか?
そういうイヤーな盲点をついていくる都市伝説のような漫画
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-12-04 18:58:53] [修正:2006-12-04 18:58:53] [このレビューのURL]
1点 D.Gray-man
絵がうまいというところのみに1点
設定自体が暗い上に、内容も暗い
ガス抜きシーンも構成があまく失敗しているのは、キャラクターの作り込みが甘いせいだからだろう。感情移入が全然できないのです
あれだけ重く暗い経験をしてる割に、主人公は成長らしい成長もみせず、見ている側をガッカリさせます
元々悪魔は、宗教の世界の存在で、何かを乗り越える為の障害として存在し、その障害を乗り越えた時、人々は大きく成長させる為の導き手(だから元々は神であった堕天使という考えが後で生まれたけど、そのうちこの作品のようにただの悪の象徴になっちゃったわけですが・・・)なのですが、主人公達の成長をみてると全然その役目は果たしていないとも言えます。
色々応用がきく設定だし、魅せる絵もあるだけにもったいないといえばもったいない作品
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-25 01:05:22] [修正:2006-11-25 01:05:22] [このレビューのURL]
9点 天才柳沢教授の生活
正直、これのレビューは難しい
初めてこれを読んだときは、あまり面白くなかった
しばらくして読み返したら、すごく面白かった
レビュー書くにあたり、また読んでみたら、もっと面白く感じた
また、この先読み返したらもっともっと面白く感じるんだろう
間違いなく自分の中では、このマンガは「本物」だからだろう
しかし、うーん、どこが面白いというとちょっと説明しにくい
4巻途中くらいまでは、規則正しい教授の生活をユーモアに描いている
化け始めるのは、この後だ
段々とヒューマンドラマとして色濃くなってくる
柳沢教授が、人の心の中に発見したビューティーというのかな
美だとちょっと堅いし、美しいだと詩的すぎる。まとめたビューティーがなんか一番近い気がする
これを魅せられた時、ものすごい感動があるのだ
でも、人によっては美しく感じないかもしれない
最初読んだ時のオレのように
美は難しく、感じとれればすごい熱狂できるが、ダメな人はダメなのだ
バトル漫画のようにわかりやすい燃えるような展開があるわけでもない
感じ取れた人だけ熱狂できるのだ
たぶん、これが自分の感じた柳沢教授の面白さだと思う
はっきりしてるのは、これを読んだとき、自分はものすごく幸せな気分になれたという事だ
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-22 22:57:52] [修正:2006-11-22 22:57:52] [このレビューのURL]
8点 フルーツバスケット
小さいときに父親は病死し、溺愛してくれた母親も事故死してから数ヶ月、親戚の迷惑をかけまいとテント生活をはじめていた透(女)が、美男子(笑)一家にひょんなことから転がり込むところから物語は始まります。ところがこの一家は、異性に抱きつかれると一定の動物に変身してしまう「十二支の呪い」に取り憑かれていて・・・
最初こそ「アホか!」と思っていた「十二支の呪い」だけど、この設定が何気に深いっ!この物語に出てくる登場人物たちは皆心の傷や痛みを抱えていて、それを受け止めることが出来ずにぶつかり合ったり、引き篭もったり、何かに執着したりしています。「でも違うんだ、それを受け止めるためには人に頼ったっていいんだ、甘えたっていいんだ」と、その人のすべてを暖かく受け入れ、包み込む行為、\"抱く\"。それを許されない人々の物語なのです。この一家は何かを大切にしたり、認めてあげることが苦手だけど、それって他の人も多からず少なからず持っていることなんじゃないかと。この「抱きしめる」というキーワードが凄く効果的に使われていて・・・ACのCMでも「抱きしめる、という会話」って文句があったけど、まさにそれ。その人の心にまで触れて、包み込んであげるその行為の重み。「弱くったっていいんだ、寂しがりやだっていいんだ。強がらなくてもいい、ありのままをさらけ出せばいいんだ」・・・そんなメッセージが全編に込められています。なんて、優しいんだろう。その人を大切にしたいと思う気持ちが、その人を助けてあげたいって気持ちが、こんなにも重く深く、揺ぎ無い支えになることが出来る。透が、そして草摩家の面々が、静かに語りかける言葉ひとつひとつに溢れんばかりの優しさが込められていました。痛みを受け止めて、抱きしめてあげられる人がいる強さ・・・。某アーティストの曲に「embrace」ってのがあるのですが、それをちょこっと思い出しました。登場人物設定もなかなか上手いのですが、特筆すべきは、主人公の透。大好きだったお母さんまで亡くして、不遇に不遇が重なる悲しい役なのに、なんであんなに明るく前向きに笑ってられるんだよぉ!「世界で一番バカ」な完全無欠の透の「愛おしさ」が、この作品を引っ張っていると思います。ただ、その「説教」にたどり着くまでにはもう少し手順を踏まないとなぁ、と感じる部分はありましたが・・・。良い事は言ってるのに、その言葉が伝えられるまでのプロセスにもう少し丁寧さがあれば、より違和感なく、唐突に感じずに受け入れられたと思います。
それ以外の部分だと・・・生徒会長のキャラがええわ(笑)それと「欲情すればいい!」に大爆笑したりとか(でもこの後すぐに紅葉の名シーンなのだから、このマンガはあなどれない・・・)。ただこれ、「ホームコメディ」かぁ?コメディ以上になんだか大きなものがあるけれど、あえてそっちを紹介文では否定して「コメディ」にしちゃってるのか・・・。重たいテーマを低年齢層でも読める少女マンガに上手くアレンジ出来ていると思うので、そっちを推せばよいのにね。
絵柄自体はだいたい2〜3冊で慣れましたが、やっぱり爪を紫色に塗っちゃうセンスが僕にはわかりませぬ・・・。とはいえ星5つまであと一歩ってくらいの見事な作品でした。女性はまずもちろん、男性でも手に取っても悪く無いんじゃないかな。最初に人から薦められた時に言われたとおり、「巻が進めば進むほど面白くなり」ます。ところで、メイドが出てきたり、コスプレが出てきたり、女装がいやに多く出てきたりとか、微妙にヲ同人臭がするのは何でだろう・・・?女性なら誰でも少なからず持っている願望なのかしら。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-19 21:01:05] [修正:2006-11-19 21:01:05] [このレビューのURL]
10点 よつばと!
パーフェクト。「平成のサザエさん」になりえる(笑)、日本人のスタンダード・コミックにもなりえる、紛れも無い傑作です。
このマンガは、夏休みの初めの日に引っ越してきた「とーちゃん」と「よつば」が、近所の人たち(特にお隣さん)を巻き込みながらも、実にだらだらと「なんでもない日」を過していくマンガです。幼稚園〜小学校低学年くらいの年齢で好奇心旺盛なよつばは、田舎っ子なのか海外っ子なのか、都心から外れた住宅地の何もかもが発見で、ブランコからクーラーまで知らないものばかり。些細なことでもよつばの目には夢のような世界が広がっていて、何でも不思議で、何でも楽しくて、毎日元気に走り回っています。その「ちっちゃい子ならでは」の無邪気な行動が何から何までがなんだか微笑ましくて、テキトーにどのページを開いても顔がほころびます。設定では「変わった子」なんてなってますけど、僕は子供ってアレぐらいでいいんじゃないかなって思えてしまいます。雨にわざと当たって「おーすげー!」とか、鳥よけの風船を怖がったりとか(僕も子供の頃怖かったです)それってきっと人間として純粋なことなんじゃないかと。周りの大人や子供たちもどこか素朴で、人間味溢れています。2巻からギャグもパワーアップし、クスクスからゲラゲラになることもしばしば。登場人物の瞳が心情でコロコロ変わるのもユニーク!最後にいたっては「あー、人間っていいなぁ」って思えてしまうほど(笑)
・・・そうやって読んでいると、なぜだかノスタルジックな世界に引き込まれるような気がするのが不思議です。書かれている話は「買い物」に行ったり、些細なイタズラをしたり、挙句の果てには旅行のお土産を配ったり等、本当に日常のなんでもない姿です。だけれど、それもよつばの目からは発見だらけで、そして楽しくてしょうがないものに見えてくる。どうでもない日常もマンガとして見事に描かれる。ふと時折、「果たして現代人は(自分も含めて)毎日をこんなに楽しめてるだろうか」なんて考えてしまうのです。プールの監視員の上るイスから見た世界も、トラックの荷台から見る世界も、今の私たちは忘れかけてる。ケーキ屋さんに入ってたくさんのケーキを見たときのあのトキメキも、デパートの陳列棚が面白くって駆け回っていたあのトキも、今は感じなくなってしまったことです。たしかにそれが「大人になる」ことなのかもしれない。だけれど、忘れてはいけない事なんじゃないかと。見方が変われば世界も変わって、退屈で倦怠な毎日もなんだか違って見えてくるはず。大人になったって、「すっげーおもしろかった!」って言える出来事を見つけたっていいはず。「朝飯が美味しい!」ってことは、実はものすごい幸せのはず。マンガ中の言葉を借りるなら「何もないが、ある」。今ある平凡だって永遠じゃないし、だからこそ現実は楽しい。そして切ない。夜が更けるまで遊びまわったあの頃は、夜寝るときに明日が楽しみで仕方が無かったはず。今は?・・・そんな深い、深い、そして重たいテーマ。「大きくなると忘れてしまう\"何か\"」を、このマンガは持っています。「本当になんでもない日だって、マンガになるんだ」ということを問いかけてくる全編に通じるテーマには深く共感できました。
たしかに「このマンガはつまらん!」という人はいると思います。でも、できるだけ多くの人がこの\"笑い\"が分かる日が来たら・・・なんて考えてしまったり。多分このマンガは夏休みの終わりとともに終幕を迎えるでしょう。そんな、たった一ヵ月半の\"永遠の時間\"を精一杯駆け回る、よつばと近所の方々。暖かくて、どこか切ない。
不満点がふたつ。ひとつはとなりんちの綾瀬さんが庶民にしてはだいぶいい生活をしてること。この場合は裕福層にしないほうがいいのにな・・・それともう一つ、どんなにこのマンガをベタボメしても許せないのが、ちょっと大判だからって、一冊630円は高い!(笑)
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-19 20:55:48] [修正:2006-11-19 20:55:48] [このレビューのURL]
9点 リアル
ため息が出る。
井上雄彦はなんてすごいんだろう。
障害者バスケを題材にしてこんなにも熱い物語を創る。
悲しいだけの話なら、他の誰かにも描けるだろう。
だが、ここには井上雄彦にしか描けないものがある。
生きようとする姿が熱いのだ。
生きるのは難しい。
だけど、生きなければならない現実の中、
生きるために強くなろうとする登場人物たち。
そして一人のうだつの上がらない青年の目線を通して読み手に問いかけてくる。
「あなたは?」
圧倒的な画力。物語の構成も申し分がない。赤裸々に描かれた登場人物たちがぐいぐいと物語の世界に引き込んでいく。
またもや傑作の予感。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-11 14:14:43] [修正:2006-11-11 14:14:43] [このレビューのURL]
9点 大日本天狗党絵詞
最初に主人公とその師匠が「天狗」だということがわかるシーンですごい引き込まれますね。
この漫画を一言で説明するのはちょっと難しいですね。ちょっと文学っぽい描写も入ってますし。
よくわからないと言う人もきっといるでしょう。それはキャラクターの性格がちょっと複雑で、その心情を文字で表現してないからなんですけどね。その時に何を思っているかをちゃんと絵から読みとらないと作品に置いていかれてしまうんです。
でも基本的なルールはシンプルなんです。舞台は普通の日常なんですけど、ひとつ変わっているところがあって、「天狗」の存在を知った際に、世界に自分の居場所がないと感じているとその人も「天狗」になってしまうんです。
つまりこの作品は孤独感や存在する理由を「天狗」に例えて表現しているんです。
僕がこの作品を好きなのは、主人公のシノブと師匠が辿り着く答えが、結果的に全然違うものになったことなんです。
この二人は話の途中ですれ違って決別してしまうんですけど、もしも二人の答えが同じだったらもっと点数は低かったはずですし、ひどく安っぽいB級漫画で片付けられてもおかしくないでしょう。この作品がそうならなかったのは、いかにも漫画的なことをしながら、出てくる人間を深く掘り下げた奥行きがあるからだと思います。
僕は哀しさと力強さを感じる師匠とシノブの最後のやりとりが大好きなんです。
僕にとって『大日本天狗党絵詞』はおもしろくて勇気をくれる漫画なんです。
このレビューを書いていて改めて気付いたことがあります。それはこの作品のキャラクターの表情、特に目の表現力が非常に素晴らしいということです。
セリフがなくても伝わる、いや、言葉にしづらい感情を見事に捕らえているんです。
そのことに気付いてからは、この作品はシノブの表情が変わってゆく過程をを描いた物語なのかもしれないなと思っています。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-11-09 22:45:54] [修正:2006-11-09 22:45:54] [このレビューのURL]
8点 ラストイニング
監督視点からの野球漫画はいくつか知っているが、この漫画はその中でも特に良い。
その理由としては野球をひたすら理詰めで考えていることにあると思う。
この作品にも日高や大宮といった好選手はいるものの、絶対的な存在ではないし、他校の選手にも怪物的な選手がいるわけではなく、極めてリアリスティックな作品であると思う。
しかし常識外れの選手や、一人の絶対的なエースが登場せず、また勝つために何が必要であるのかを、根性や努力といった精神論的なものではなく技術的な面から言及している作品は驚くほど少ない。
それだけ野球の技術面、戦術面を書くのは難しく、そうした視点から描かれたこの作品は稀有な存在なのだと思う。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-10-09 01:30:37] [修正:2006-11-01 00:31:07] [このレビューのURL]
1点 NANA−ナナ−
ただの少女漫画だった、
異常なまでに繊細な人間ばっか
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-10-30 22:57:51] [修正:2006-10-30 22:57:51] [このレビューのURL]