「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

皆さんすごく好評価ですが私は読んでいて結構つらかった。
それは物語内にも出てくるが中学校に入って
否が応でも制服を着せられてしまうからだ。
つまり「着たい服を着る」というのが通用しない世界。
これから二人(二鳥君と高槻さん)は社会に出て
これまた否が応でも「男用」「女用」に分けられた世界を
知っていかなきゃならないかと思うとつらい。
(志村貴子は二人の社会人期まで描くとは思いがたいですが)
願う結末はただひとつ、「男は男らしく女は女らしくがイチバン!」
的なもの以外であること。
二鳥くんと高槻さんの幸せを描いてね、志村さん。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-03-10 18:36:25] [修正:2006-03-10 18:36:25] [このレビューのURL]

7点 童夢

超能力SFアクションの傑作。
この作品ってストーリーがあるんだかないんだかって感じで、最初読んだ時はちょっと戸惑った。
しかし、爺さんと少女の超能力バトルが始まった途端、そんなものは吹き飛んでしまいました。
映画でも小説でもない、漫画にしか出来ない演出がバンバン登場します。
漫画表現の革命と言っても過言ではない洗練された描写。
ほんと惚れ惚れします!
絵も構図も影も白もコマ割りも……挙げていけばキリがない、全部すごいです。
特に面白かったのは、心理描写をしない心理描写と言いますか、起こっている出来事をあえて
意図を隠して描いていているシーン。
それが作品に一層恐怖感や奥行きを与えています。

かなり昔に発表された作品らしいですが、現在でもこれだけの演出力をもった作家さんは殆どいないのではないでしょうか?
やっぱり伊達じゃないです、大友克洋!(まあ僕が今さら言うまでもないんですけどね)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-02-18 02:53:58] [修正:2006-02-18 02:53:58] [このレビューのURL]

志村貴子の漫画はセリフが少ないし
描きこみも少なくて淡白な画面なのだけれど
その余白に誰にもまねできない何かが詰まっているような
気がします。
写真のような背景、叫びに近いせりふ、濃い描きこみ、
嵐のようなトーンワークの漫画がよしとされつつある
この時代に余白で表現をできる貴重な存在。

載っている短編はどれも好きです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-02-14 18:56:37] [修正:2006-02-14 18:56:37] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代と共に在った漫画。
主人公はアンドロイドで脇役も変人ばかり、世界征服を企むマッドサイエンティストやら美少女幽霊やらも巻き込んで平穏な学園生活は上を下への大騒動……という体裁の、いかにも80年代的な学園ギャグ漫画だが、そういう奇妙な設定のワリには全体を通じて事件らしい事件がほとんど起こっていない事に驚かされる。
まず主人公のアンドロイド「R・田中一郎」が最後までとぼけた役どころに終始してさしたる成長を見せなかったのをはじめ(ロボットだしね)、美少女キャラが多数登場するにも関わらずラブコメ的雰囲気は薄く、キャラはリアルに歳をとり(留年したRを除いてメインのサブキャラ達が連載中になんと卒業!)、その後も何事も無かったかのようにOBとしてひょっこり学園に顔を出したりする。
そもそも主人公一行の所属していた部活が「光画部」、つまり写真サークルなどという影薄い文系サークルであった事が象徴的で、一所懸命な体育会系とは違ったゆる〜いアプローチで様々な行事ごとに介入しては場をかき乱す姿が何とも馬鹿馬鹿しく、かつリアルだった。
作者は70〜80年代のアニメブームの渦中からこの業界に入ったオタク世代の長兄のような人なので、東宝特撮などのマニアックなギャグを(ゆるくさりげなくしかし濃く)封入しており、それがまたこの作品に奇妙な陰影を結果的に与えているように思う。
最終回付近では、Rを作ったご町内の天才科学者成原博士が世界征服の手始めに学校を占拠し、まるで大阪万博のパビリオンのような秘密基地を建造する。博士の危険な野望を阻止すべく春風高校光画部のOB・現役、その他彼らに関わった様々な奴らが力を合わせて戦う最終章は、あくまでギャグであり、かつ緊張感のかけらも無いゆるい雰囲気の中行われたが、それが却って何事も無かったけれども何故か無性に楽しかった狂騒の学生時代の終わりを痛切に感じさせて見事だった。秘密基地の中枢である太陽の塔もどきが崩壊していく様を見るにつけ、高校最後の学園祭が今終わろうとしている時にも似た無常観を感じたものである。
しかしエピローグで、OBとなってしまったメインキャラ達がそんな儚さを吹き飛ばすように現役のハイキングだか撮影旅行だかに同行し、変わらぬ間抜けっぷりを見せ付けて物語は終わる。最後までゆるくドラマティックさに欠けた、しかし確実な時の流れを掬い取って見せたこの漫画らしい最終回だった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-01-14 00:29:17] [修正:2006-01-14 00:29:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

恋愛小説の二番煎じ、というのが率直な感想。村上かつらの作風といっちゃそれまでだけど。

村上かつらさんは、キャラを通じて自分の言いたい事、それも思想的なことじゃなくて聞こえがいい(格好が付く)ことを言わせるからどうしても物語に影響がでます。

例えば、「劣等感が強い人は優越感も強い」なんて台詞をユキが言いますけど、この台詞は物語を進める上ではっきりいっていらない台詞です。こんな台詞をそこかしこに入れていくから演出・構成がおろそかになって、最後には「作者のエッセイをふんだんに盛り込んだ恋愛小説の2番煎じマンガ」ができあがってしまう。

逆に言えばそんなカッコイイ台詞回しが聞きたいという人にはうってつけ。ただ、それだったら恋愛小説(山田詠美とかね)読んだほうがいいかと・・・^^;

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-01-07 15:36:01] [修正:2006-01-07 15:36:01] [このレビューのURL]

なんとなく心が豊かになった気がする。

幸せの定義は難しいけれど、ドンちゃんの言うような幸せは俺には実感できないかもしれません。
誰かが幸せなのを見るのは嬉しいけれど、俺は自分も幸せになりたいしそこに少しでも加わりたいとも思う。
ドンちゃんの想い描く幸せの風景の中にドンちゃん自身の姿はない。
そこにあるのは自分が好意を寄せている女性と親友が、おじいちゃんおばあちゃんになっても結婚記念日をささやかに喜びあっている暖かな日常だ。そして夫婦がドンちゃんも祝ってくれてるかしら?なんて幸せそうに話すんだ。
それでもドンちゃんは幸せなんだって。嬉しそうに夢を見ながら笑うんだ。

土田世紀の描く人間はどうしてこんなに命が込もっているんだろうね。
酷い仕打を受け続けてもドンちゃんは優しい、優しすぎる。痛みを知っているから。だから俺は哀しい。
俺にドンちゃんみたいに生きる自信はない。
だけどドンちゃんのような心をもちたいとも思う。
俺はまだまだちっちゃいな。いい加減そう思う。
とりあえず読んでください。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-01-03 04:15:11] [修正:2006-01-03 04:15:11] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ギャグもバトルも色々ありましたが、ラストの

  導は無くなったのだから

という一文がこの漫画の全てだと思います。
何というか「ああ、終わったんだ。もうこの漫画の続きを気にしちゃいけないんだ。」という気持ちになります。
この一文のおかげで安心できると言えば正しいでしょうか。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-12-27 22:51:08] [修正:2005-12-27 22:51:08] [このレビューのURL]

9点 SLAM DUNK

スポーツ漫画の頂点の一つ。
飛び散る汗の一つ一つにも迫力がある。テンポの緩い会話で笑わせ、全く無言の試合会場で得も言われぬ緊張感を描き出す。
井上雄彦氏の生み出すキャラ一人一人に味があり、何度読み返しても常に変わらぬ爽快感がある。
私もこの漫画の影響でバスケを始めたクチだが、試合前はチームメイト間で回し読むのが定番だった。大学で出会ったバスケ友達にも同じ習慣があったと知り、氏の影響力を感じずにはいられなかった。
いつか氏が書いていた、この本を読みバスケを始めた人がNBAで活躍でもしてくれたら俺は泣くだろう、という願いは、日本にこれだけ「バスケットボール」というスポーツを浸透させたという意味で、既に達成されたのではないだろうか。

興味のある方は「スラムダンク 黒板カード」で検索すれば、氏が黒板に書いた続編が見つかるので、手に入れて読んでみて欲しい。

幾つかのコマが既存のNBA等の写真をトレースしたものであるという事で、騒がれていることもファンなら知っていてもらいたい。
「エデンの花」との折り合いも考えて−1点。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-12-19 06:04:54] [修正:2005-12-19 07:23:19] [このレビューのURL]

3点 WILD HALF

単行本集めてて、いとこの兄ちゃんにワラわれた。
少々のトラウマ。

人情味あふれる話ばかりです。
ただ、それがある意味欠点で、奇跡が起こりやすいです。
それと、ご都合主義になりがちで。
動物がしゃべるという設定はめずらしくないけど、ここまで突き抜けていたら新しく感じます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-12-18 04:12:05] [修正:2005-12-18 04:12:05] [このレビューのURL]

8点 長い道

心に染み渡るあったかさ。
基本的に3p〜6pの超短編集。
でも、一話一話がしっかり作られていてとても好印象。
いつまでも読んでいたいという欲求をページ数が少なくなるにつれ思いました。
道はいい妻です。理想的な妻です。やさしく、抱擁し、暖かくしてくれます。
荘介さんはダメな夫です。定職に着かず、女房を質に入れたり、女の尻追いかけたり男の風上にも置けません。
しかし、この二人だからこそこの空気を出せたのでしょう。
この二人をいつまでも見ていたい。祝福したい。
なぜか胸が苦しくなりました。
暖かな季節になります。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-12-10 18:48:03] [修正:2005-12-10 18:48:03] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示