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夢を持っている少年達にではなく、夢を持っていた「かつての少年達」に贈られた物語。

人って、少年・少女から「大人」へと変化する過程の中で、突然この世の全てが憎くなり絶望し、最終的にはこんな世界なんか滅んでしまえばいい、なんていう考えになってしまう時期があると思うんです。それはつまり、自己以外の全てに対する存在意義の否定です。しかしそれは逆に言えば、それほど強大な意志を持った、他者に対しての自己肯定の願望意識の現れであるとも言えると思うんです。つまり、「私を認めて欲しい」という意識です。

この物語は、そんな絶望と願望から生まれた作品のように思えます。

ある日突然、子供達は気付いてしまうんです。
世界は限りあるもので、宝島や夢の王国なんていうものは存在しない。
社会は欺瞞に満ちていて、正義のヒーローや神様なんていうものも存在しない。
あるのはただただ「現実」のみで、そこには空虚で冷たい世界しか存在していない。
そんな、社会に絶望してしまった「かつての少年達」に贈られた、「残された希望」とは何かを問い掛けた物語。それが、この「惑星のさみだれ」という作品だったのではないかと思います。

最後に、この作品を一度全て読み終えた人には、もう一度最初から読むことをオススメします。もう一度読み直すと、作者が終盤に向けて序盤に仕掛けた伏線の数々が、意味を持ってもう一度姿を現してくると思います。

「こんな世界なんか、滅んでしまえばいい」

そう思っている人達に、ぜひ一度読んでみて欲しい作品です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2009-04-02 19:48:44] [修正:2010-12-02 12:03:43] [このレビューのURL]

この漫画は泣けます。
やはり星野氏はお話作りが上手いですな。

絵の精緻さに至ってはもう芸術の域。
SF作品の頂点の一つと言っても過言じゃないと思います。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-11-25 14:49:15] [修正:2010-11-25 14:49:15] [このレビューのURL]

1点 WILD LIFE

この漫画で
感染症で足の傷が腐りつつある猫の足を一旦切り離して体の別の部分に移植し,またつなぎなおすっていう手術を鉄なんとか(名前を呼びたくないほど嫌い)が思いついた話があるんですけど、この話ははっきりいってかなり最悪です。
以下、自分の感情も込めてお送りします。

まず何がおかしいかって、飼い主がその手術は嫌だっていうのに主人公・鉄なんとかが「最低だな、おっさん・・・かっこわりいよ。」と言って手術を強行させる横着な態度。いつも思うんだけど、こいつの言葉遣いはなんとかならんのだろうか。むかつくだけだろ。

また,「そんなに手術の前例が欲しいなら俺が実験台になってやるよ!」と自分の腕にメスをぶっさす鉄なんとか。
狂ってるよ。そんな頭に血のすぐ上るようなバカに大事なペットを手術させたくないだろ。

そして手術後の猫が足をなかなか動かさないので鉄なんとかが「動かしてみろ!」とキレ気味(漫画の絵がそうみえる)で怒鳴る態度。どう見ても励ましてるように見えない。まあこれは画力の問題だろうけど。

あと動物がぜんぜんリアルじゃないデフォルメだし、とはいってもかわいくなく。。。動物の鳴き声がセイウチが「セイセーイ」とか、ちょっと…。

読んでいてちっとも面白くない。ストレスだけたまった。

追記
なんか連載終了後にこの作者サンデーに不満たらたらだったようですね。無理やり描かされていたのでしょうか?同情点として1点はあげときます。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-05-13 00:12:07] [修正:2010-11-10 23:21:55] [このレビューのURL]

青年誌でヒロインが第三者にレイプされる展開を好む男性読者はまずいないと思います。
中には寝取られ属性という性癖を持っている人もいるでしょうが、極めて少数派ではないでしょうか。

無防備に自分から他の男の家に押しかけ、睡眠薬飲まされレイプされ、自暴自棄になって街中で援助交際。
加害者を許してその後も馴れ合い。
それに対する主人公「俺の千砂ちゃんはやっぱ優しい」・・・男性視点では絶対に出てこない台詞ですね。
2人がトラウマを乗り越えるというより、ひたすらヒロインの行動を正当化するのに展開は割かれている。

画力などは申し分ないし、レディースコミックとしては評価できるのだろう。
その手の漫画を読まないので強く語れないが、おそらくこの漫画はそういった場で発表されるべき内容で、一般誌で読んでもただの欝展開に過ぎない。

男女の発想の違いを感じるには面白い作品かもしれない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-10-31 06:02:43] [修正:2010-10-31 06:02:43] [このレビューのURL]

自分にとって、理想の女性はと問われれば、「音無響子」と答えます。
綺麗で可愛いなんて反則です。

当時はある意味「のび太としずかちゃん」的な感じで読んでいましたけど、今にして見れば、五代くんが一刻館の面々よりも、響子さんの気まぐれとワガママに振り回されながらも、それを許容する心の広い男の物語と思っています。

自分にとって「ラブコメ=めぞん一刻」です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-10-20 20:05:44] [修正:2010-10-20 20:05:44] [このレビューのURL]

9点

山岳レスキューもの、という括りで読み始めるとまず肩すかしを食らったような気持ちになります。確かにレスキューは沢山あります。日常茶飯事です。しかしレスキューが物語として語られる場合にはハッピーエンドとして語られてきたのが一般的ではないでしょうか。その類いの漫画の系列には含められないです。なぜならバットエンドも数えきれないほどあるのだから。

この作品は人がもの凄く沢山死にます。それも自発的に登ってきた山で。現実のそのようなニュースを見るたびに山に対する認識の甘さとか、自然を舐めちゃいかん的な発想をしてしまいがちになるのですが、この漫画を読んで考え方が変わりました。ベストの状態で、かつ細心の注意を払っても死ぬことがあるのが山なのだと。

そんな山の厳しさと美しさを誰よりも知る三歩とそれを取り巻く人々を描いた物語です。山そのものというよりも、山という特殊な環境でしか見る事の出来ない人間の姿を描こうとした漫画だと言う風にも感じます。ほぼ一話完結型で、12巻までクオリティを落とす事無く書き続けている作者の力量と三歩という特別なキャラクターを生み出したパーソナリティには敬服しっぱなしです。長く長く続いて欲しい漫画の一つです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-09-17 13:10:03] [修正:2010-09-17 13:10:03] [このレビューのURL]

普通の人間は、世界の平和よりも、自分の身の回りの平和を守る事で精一杯なわけで、この手の話ではまずいかに敵が自分達の生活を脅かすか、いかにして自分達が巻き込まれるかが描かれる物。
しかし、この物語では主人公達はただひたすら「地球を守る」「地球を壊す」という中二病的思考で行動しており、これがかなり痛々しい。

終盤のアニマ・アニムスの過去話が出てようやく戦闘している理由が明確になるが、それまでがちょっとだるすぎた。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-09-06 20:18:26] [修正:2010-09-06 20:18:26] [このレビューのURL]

私はこの作品の最終回を本誌の方で読みました。

その時は正直納得出来なかったんですよね…。なんかあまりにも綺麗に大団円過ぎるというか。なんか正直この漫画の描きたかった事ってなんだったんだろう、と思いました。命の大切さ、仲間との絆の大切さ、どっちを重点的に描きたかったんだろう、と。しかも最後に「痛みを乗り越えたその先に鋼のこころを手に入れるだろう」っていうメッセージで締めくくられていてなんか感動的な言葉で逃げられたような気分になってしまったんです。

そもそも「おとうさま」というキャラクターの設定が最後までよく理解できなかったです。この世のすべてを理解したかった、とか言っていたけれど、じゃあどうして「おとうさま」はそう思うように至ったのか、という理由が全く描かれていないからです。

荒川先生は非常に才能ある漫画家だと思うのです。それは1巻から20巻までの話の構成力ではっきりとわかります。しかし21巻からの最終章に入ってからそれまでの話の構成力が急に落ちてしまったような気がするのです…。とにかく自分の描きたいことを詰め込もうとしている印象を受けました。
やっぱり、アニメ化のせいなのかもしれません。アニメと同時に終わるか、それよりも早く完成させる必要があったでしょうから。


私は本当はもっと説明したいこともあったのではないか、と思っています。
でも時間も限られているし、すべてを描いている時間もないので、所々省略して最大限いいものを描こう、という感じがしました。
でもあくまで私の推測でしかありません。今のままでも十分面白いのです。しかし私は鋼の錬金術師という作品は少年誌的な面白さだけでなく、もっと深いメッセージ性もある作品だと思って見ていました。だから最後の終わり方も、ハッピーエンドのなかにも重みのあるものにして欲しかったのです。
ハードルを上げすぎたのかもしれませんが、そうしたくなるくらい、この作品は面白かったです。


結構辛口になってしまいましたが、私のようにハードルを上げすぎなければ、最後まで本当に面白い漫画だと思います。




ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-02-19 04:47:32] [修正:2010-08-14 19:38:41] [このレビューのURL]

この作品に出てくる人々はみんな笑顔です。
その笑顔の裏側に、かつて世界の破滅に抗い、絶望し、平穏な最期を迎えるに至った諦めの心境を
読み取るのは乱暴でしょうか。

アルファさんは常に笑顔です。
その笑顔の裏側に、自分だけが時間の移り変わりから弾き出された孤独感、取り残される寂しさを
読み取るのは考えすぎでしょうか。

そんな風にいろいろ深読みしてみたくなるぐらいに何も起こらない作品ではありますが、
雰囲気漫画(自分はこの言葉を揶揄ではなく褒め言葉だと捉えています)と評されるほどに特徴的な
作品の雰囲気が何より素晴らしいです。
全体に漂う無常観。
滅びに向かってゆっくりと歩み続ける中で、作品の端々から溢れ出てくる優しさや暖かさ。
この作品のてろてろとした時の流れ、世界観に、ほんわかまったりゆったりどっぷり浸っていると、
つくづく感じてしまいます。 あぁこの作品好きだな、って。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-08-14 01:20:46] [修正:2010-08-14 01:21:42] [このレビューのURL]

今更ながらだが当マンガレビューのキモとは個人ではフォローできなかった良いマンガに出会えることだと思う。
作者名も知らなかったマンガを特に期待もせず読んで大当たりだった時の喜びは計り知れない。

私自身も本サイトで何度かお宝にめぐり合い大変幸せな想いをさせていただいたのだが本作ピース電器程お宝感を感じた事は今まで無かった。
(後述するが)そのギャップも含めて衝撃を受けた。

まずここまで万人にお薦めできる少年マンガは今どき珍しい。
一言で言えば発明マンガだがドラえもん程児童向けで無くまたスケットダンス程マニアックでも無い。その中間に位置し守備範囲もかなり広い。

似た立ち位置のマンガを挙げるならば「それでも町は廻っている」や「大長編ドラえもん」辺りであろうか。
他のレビュアーさんが褒めちぎるのも納得、私も子供と本を奪い合って読んだくらいだ。(大人げないわ)

いや褒めても褒めても褒め足りないくらい良かったのだが「人気はイマイチだった作品である」事実も強烈に感じた。
私はこのマンガを古本屋数店まわり全巻揃えたのだが単行本全てが初版本だった。(重版されてない・・・作者あとがきマンガでも印税より原稿料の割合が多いと書いていた)
さらに古本なのにことごとく新刊ニュースが挟んであった。(出版社の返品在庫が古本店に流れたということだろう)
販売不振具合をヒシヒシと感じた。

敗因は私が思うに二つ。

タイトル「おまかせ!ピース電器店」はい、まずここだ。
作品によってはカマキリとまで戦うほどバトルマンガが隆盛の少年マンガのこのご時世に電器店のマンガに引き付けられる少年が何人いるとゆーのか。(本当は発明マンガだが)
残念1、タイトルをもう少しなんとかッ!

ジャケ買いも欲しい。はい、次ここだ。
通常ページには何の問題も無い。無いどころか非常に魅力的。さらに内容も濃密で小さいコマも多いくせに小さいキャラがまたかわゆい!
なのに何故かカラー原稿がイマイチ。よって単行本の見栄えがイマイチ。
残念2、色ゲンコーがもう少しなんとかッ!

敗因は以上だが書いてて馬鹿らしくなった。そんなの関係なく面白いんだって、もう。
息子はゲラゲラ転げまわって喜ぶし、大人の私はそのクオリティに驚愕したそんなマンガ。
なによりもそんな不人気の作品が24巻も続いた事実。これは編集部が作品の良さを認めていなければあり得ないことであろう。(巻末のやさぐれ4コマも作者の苦悩が味わい深い・・・)

今買うにも新刊は無かろうし古本屋でも不人気で安値のハズ。見つけたら(一話完結なのでどの巻でも)即買いを自信を持ってオススメする。

少年チャンピオンの埋蔵金。これ埋もれさせちゃダメだ。



ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-08-10 19:12:41] [修正:2010-08-10 22:58:52] [このレビューのURL]

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