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生きることに役立つ何かを得るという漫画があるとしたらこの漫画はその対極にあると僕は思っていた。

「おもしろい」「楽しい」「わくわくする」「熱い」

そんな結局何にもならない感情をこれでもかと刺激する少年漫画。
何にもならないから僕らは楽しむことができるし、読みたいと思うのだ。この漫画もその範疇から漏れることなく最高峰のエンターテイメントを僕らに与えてくれていた。

でも虫編からのHUNTER×HUNTERは何かが違う。
今までの少年漫画が与えようともしなかったモノを与えようとしている。僕らはそんなモノは少年漫画に求めていないはずだ。
なのにどうしても読みたいと思う気持ちが止まらない。
どんなに長い休載を挟んだって再開すれば「待ってました!」とページをめくる。

やっぱりそんな感情を「少年漫画」と言うのだと思う。

HUNTER×HUNTERは少年漫画の限界を超えているわけではない、広げ続けているのだ。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-10-06 01:24:43] [修正:2011-08-17 21:07:29] [このレビューのURL]

「僕の頭は酢入りだからね!」とか言って末期状態の糞漫画ばかり連発していたガモウが、優秀な作画とコンビを組んだらこれが大ヒットしてしまった。

この漫画は最低にいやみったらしくいけすかない馬鹿な主人公達が読者やら漫画を舐めまくって格好つけながらドヤ顔でのし上がっていくだけの胸糞の悪い漫画ですが、そうしたご都合主義の展開にも作中に叔父さんとして現れるガモウのくやしさがつまってると思うとなぜか悲しくも思えます。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-07-01 20:53:34] [修正:2011-07-01 20:53:34] [このレビューのURL]

 自分が週刊少年チャンピオンを定期購読するきっかけとなった、個人的にも思い入れの深い作品。チャンピオン漫画らしいアクの強さと少年漫画の王道的魅力が良いバランスで融合し、娯楽作として非常に読み応えのある作品に仕上がっている。

 名門校獅子堂学園に転校してきた主人公の白鷺杜夢は、中学生ながら並外れた知性と度胸そして運気を備えた天性のギャンブラーだった。消息を絶った父の行方、そして奪われた一族の秘宝を追って陰謀渦巻く学園に流れ着いた彼を待ち受ける命がけのギャンブル対決また対決!果たして杜夢の運命やいかに!?
 ストーリーラインはこのように古典的とも言えるほど王道であり、脇役のキャラ造形にしても主人公に憧れる非力なメガネ君、意味もなくバラが舞い散る高慢なヒロインお嬢様、一目見て悪役だと分かる分かりやすい悪役教師…ジツに分かりやすい。当然倒した敵は仲間になり、物語後半からはトーナメント戦が待っている。ジツに分かりやすい。分かりやすいがそこはやはりチャンピオン作品の宿業という奴で、「やり過ぎだろ?」と読者が驚愕するアクの強さに満ち満ちている。自分がチャンピオンに本格的に目覚めちゃったのもこの毒気のなせる業だったのかもしらん。

 毒気のその一は少年誌の限界ギリギリとも言えるエロ描写である。作画担当の山根和俊は集英社在籍時代は正直鳴かず飛ばずだったが、本作ではまさに水を得た闘魚のように欲望のままにペンを走らせまくっているのがビリビリ伝わってきて無性に嬉しい。主人公とギャンブル勝負を交える主なライバルたちの多くはいずれもグラマラスな美女たちばかりで、そんな彼女たちが熾烈なギャンブル勝負の中で色々エロひどい目にあってオトされる様を楽しむのが本作の見所の一つと言える。あ、エロとは言っても性行為そのものとかが描かれるわけでは無いソフトコアエロスなので、そこは安心して欲しい。

 毒気その二はエクストリーム極まるギャンブル勝負の数々。ゲームそのものはブラックジャックやビリヤード、麻雀やポーカーなどありふれた題材ばかりだが、そこに本作ならではの変則ルールや無茶苦茶なペナルティ(脱衣とか電気イスとか!!)が加えられることでとんでもない超展開の数々が実現する運びとなってしまった。そもそも主人公の白鷺杜夢が連載初期のブラックジャック勝負で「この指を賭ける」と躊躇なく自分の指をチェーンソーでぶった切らせたあたりから作品が謎のエクストリーム魔次元に引きずり込まれていったのだろう、まぁその後指は無事に繋がったが。ちょっと考えると日本のしかも中学校校内でこんな変態的ギャンブル勝負が公然と行われている時点でおかしいんだが、試合展開の熱さやトリックの鮮やかさのおかげでそんな事はもうどうでもよくなってしまう。これこそ視点誘導(ディレクション)の典型例と言える。
 なお、作中で死人が出たりすることはないのでそこは安心して欲しい。

 毒気その三は、乱れ散るオヤジキャラ達のほとばしる濃厚さである。本作の売りは上に挙げたセクシーな美女達、ということに表向きはなっており、単行本の表紙を飾るのも基本は美女たちばかりである。(主人公が初めて表紙を飾ったのは何と最終巻だった)
 しかしそれはあくまで表向きの話。本作を読んでいると、作者が美女たちに負けず劣らず気合を入れて、濃厚なオヤジキャラ達を描いていることにいずれ読者は気づくこととなる。
 本作には、実に多種多様な属性に彩られた素敵なオヤジキャラ達が多数登場し、物語に彩りを添えてくれる。一見かませ犬の中ボスキャラに見えて実は最強のラスボスとなった悪魔のような外見を持つ狂気のギャンブル教師“阿鼻谷”(アビダニ)を筆頭に、

・愛する妻のパンツを常時携帯し悪い娘にはキン◯バスターでお仕置きをする米国海兵隊員。
・一見温厚な紳士だがヘリを乗りこなしバズーカ砲を携える妙齢の黒執事。
・ギョロ目と出っ歯、狒々のような相貌の香港映画から飛び出たようなギャンブル老師。
・「私立ジャスティス学園」のラスボスそっくりな筋骨隆々の学園長。
・恰幅がよく、いかにも喰えなそうな面構えをしたイタリアマフィアの大物。
・ふんどしとサラシ姿が異常に似合う着流しの博徒。
・アメリカ合衆国大統領。

 ここはまさにオヤジの惑星と言ってよかろう。中でも特筆すべきキャラが、「デブ」「ハゲ」「下品」の3重苦を背負わされたゴキブリのような醜悪オヤジである不良ハスラーの五木島(ゴキジマ)だろう。普通に考えたら好きになる要素など皆無のこの人物、しかし作中では飛んだりはねたり目を潤ませたり「ドキッ」とときめいた、しまいにゃ半裸で緊縛されたり、と妙に愛されており、作品終盤ではほとんどマスコットのような存在になってしまった。バキ風に言うなら「毒が裏返った」というんだろうか。可愛くって仕方がない。
 この醜くも美しいオヤジ達があんなことやこんなことをしてくれるのである。あなたの知らない世界の扉が、今、まさに…。大丈夫、病気じゃないんだよ。だから安心して欲しい。

 本作のエクストリームっぷりはこのように書いていてキリが無いほどあり、作者も編集もノリノリで作品を転がしていた様が手に取るように伝わってきてとても楽しかった。しかしながら無論欠点もある。
 欠点としては、まず女性キャラが多い割には外見上の個性があまり感じられない点がある。一応の売りのはずなのに、女性キャラが等しく服装と髪型くらいしか違いがなく体型が似通っている(どいつも「中学生に見えなーい」)のはちょっと問題だろう。これは作画担当の嗜好の問題だろうか。
 それともう一つ。本作の魅力の一つは王道的ストーリー展開のはずだったが、敵としては強かった美女たちが仲間になった途端にお色気担当以外に価値のない役立たずになってしまうのもいただけない。特にマジシャンの月夜野さんの仲間になった後の扱いの不憫など、「器用貧乏」という言葉が頭を過ぎって痛々しかった。結局一番役に立った仲間が、最初期から主人公のの側にいたキノコ頭のメガネ君だったというある意味超展開には頭を抱えてしまうが、まぁ、それすら作品の味として納得させてしまう謎のパワーが本作にはあった。

 掲載誌がチャンピオンであったがために世間一般の知名度は高くないが、逆にチャンピオンであるからこその異様な魅力に溢れており、そんな濃さと少年漫画の王道的魅力が高いレベルで組み合わさってしかも安定したテンションを最後まで維持できているので全体的な完成度はかなり高い。正統派の娯楽作としても楽しめるが、ネタ漫画としても一級品で一粒で二度美味しい。巻数も19巻と長すぎず短すぎずなので、露骨なお色気描写とかに抵抗がなければ皆様も一度手にとってみる事をお勧めしたい。完(アヴィッ)!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-06-26 03:26:46] [修正:2011-06-26 03:59:16] [このレビューのURL]

体操というジャンルを扱った漫画でこの作品を超えるものは今後出てくるのでしょうか。
そのぐらいの完成度と面白さを兼ね備えた、素晴らしき少年漫画。

原作は、自身がオリンピックで10点満点を出した金メダリスト・森末慎二氏。
というか本当に森末さんが考えたのか?と疑うぐらいに面白いです(失礼ながら本当らしいです)。
前半部分は特に対象年齢が若干低めな感じもしますが、それもそのはず。
そもそもの連載目的が、若い人にもっと体操に興味を持ってもらいたいから、とのこと。
体操の人気低下を危惧した森末さんが、そのために青年漫画誌ではなく少年漫画誌に漫画原作企画を
自ら持ち込んだ、と当時インタビューで答えていたように思います。

笑いあり、涙あり、ラブコメ部分はママゴトみたいですが女の子キャラもかわいく、
読めば熱くなり、ドキドキワクワクできる、非常にバランスの取れた作品です。
体操に関しては森末さんが原作だけあって詳しくてわかりやすく、その上リアリティに溢れています。
技とか成功しすぎという声もあると思いますが、実際に10点満点取った人が原作ですし。
何より、不安、緊張、葛藤、苦悩、昂揚、という選手の心理描写がとても丁寧で臨場感たっぷり。
だから練習の場面が面白い。 そして試合の場面はもっと面白い。 これは良いスポーツ漫画。

少年スポーツ漫画だけあって、他の様々な作品の例に漏れず主人公の天才っぷりが半端ないですが、
魅力的なのが先輩たち、通称・三バカのキャラ。
「跳馬の(真の)スペシャリスト」、「ゆかの貴公子」、「つり輪のヘラクレス」。
いやあこの3人は本当に好きだったなあ。 笑えるし泣けます。

全34巻と長丁場な作品ですが途中でダレることもなく、むしろ前半よりもそれ以降の方が面白いです。
アジア大会の盛り上がりが凄い中盤、そして五輪代表選考からシドニー五輪へとつながる後半。
ただ気になったこととしては、この作品のピークはメインであるシドニーオリンピックではなく、
その前の代表選考ではないかと思えてしまいました。
言い換えれば、代表選考が面白すぎてオリンピック本戦が物足りなく感じてしまいました。
あとついてにもう1つ、この作品(特に前半)は少年漫画の王道パターンであるトラブル発生→解決、が
多用されますが、そのトラブル発生が強引すぎて無理やり感がありました。 そこがちょっと残念。

最近は大人向けとも思えるような少年漫画も多いですが、対象年齢が低めに設定されていること自体は
その漫画の評価において決してマイナスではない、そんな好例の作品です。
少なくとも、体操に興味を持ってもらう、という当初の目的に関しては文句の付けようもありません。
体操の魅力を十分に表現した、爽やかで胸熱くなるような少年漫画。
オリンピックの度に読みたくなる作品です。 ちなみに現在では体操のルールも大きく変わってしまって
10点満点ではなくなり、技の最高難度もEではなくFやGまで上がったらしいので、そこを踏まえつつ。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-06-16 16:13:07] [修正:2011-06-16 16:14:59] [このレビューのURL]

 神マンガ、その一言に尽きる。

 内容、構成、表現力、どれをとっても申し分無く、子供から大人まで幅広く楽しませ、40の父親が小学生の息子と本気で語り合うことができる、稀有な作品であると言える。

 それが可能なのはやはり、作品全体がしっかりとした理論、設定に支えられているからだろう。

 大人になるとどうしても目ざとくなりがちで、作品に無理や矛盾があると白けてしまいがちになるが、この作品にはそういった粗がほとんど無く大人でも安心して読むことができる。

 新技一つから勝利に到るロジックまで丁寧に作り込まれ、読者に決して「それは無いわ」と思わせない、その綿密さこそがこの作品の傑作たる所以であると言える。

 また、キルアと父の約束や、勝てぬと悟りながらも会長という立場にいる責任ゆえに王に挑んだネテロなど、少年が大人の男になるために必要な「男の生き様的要素」を所々に含み、少年漫画の鑑であると私は思う。

 重度の肝硬変で先の長くない私の恩師に「せめてHUNTER×HUNTERが終わるまでは生きていたい」と言わしめた傑作。

 一人の人間に生きる目標を与えた、まさに神マンガである。

 冨樫先生には、命を削りながら待っている人がいることを知って頂き、どうか最後までやり遂げる勇気を持って頂きたいと、私は切に申し上げたい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-06-09 17:37:26] [修正:2011-06-09 17:37:26] [このレビューのURL]

どこが面白いんですかね?この漫画。

正直説明出来ません。
読んでても熱中するって感じでもないし、でも読み終わった後はしっかり面白かったと思える。
不思議な漫画です。

これがこの作者にしかない飛び抜けた才能なのかなぁと思います。


ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-05-23 13:44:34] [修正:2011-05-23 13:44:34] [このレビューのURL]

少女マンガ系、スポ根サクセスストーリーの王道。

バレエをいつの間にかやめてしまった高校生の愛子が、神崎の踊りに賭ける情熱に触れ、踊る楽しさを思い出す所から始まる。
さらに本場NYでダンスに触れ、その魅力に憑りつかれ、やがてただ楽しいだけでなく、プロとして認められたいという強い思いを抱くようになる。

その間に、友情や仲間といった「青春」ぽさや、同じ道を目指しながら才能を意識しあう嫉妬という醜い感情、挫折、そして恋愛などが程よく混ざり合う。
都合よく成功の階段を駆け上るだけではなく、色々な思いが交錯し涙を流しながら踊り続ける愛子の姿に引き込まれてしまう。

執筆当時のディスコや、ダンスチームなど、古いところがあるのはご愛嬌。
ただ、結末がわかっていても何度も読み返しては、若さや才能がある事への羨ましさを改めて感じられる、きらきらした作品。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-10 23:02:52] [修正:2011-05-07 23:15:39] [このレビューのURL]

少年誌では最高峰。てか自分の中では最高。

なーんでこんなワクワクすんだろ。悟飯、オラワクワクすっぞ!!

会長VS王とか
興奮しすぎて逆に読めなかったわ

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-27 01:23:06] [修正:2011-04-27 01:23:06] [このレビューのURL]

数々の幕末漫画・小説を読んできたにも関わらず、小栗上野介という人が何をしたのか全くと知らなかったが、本作品を読んで、正直恥ずかしくなりましたね。
こんな人物がいたなんて、あまりにも扱われなさすぎでしょう!
・・・と、急に小栗ファンになったりして・・・

竜馬や新撰組と、分かりやすく強いキャラばかりにスポットが当たり、数々の優秀な人物が、幕末の時代に埋もれてきたのは確か。
最近になってようやく、幕臣側にも見直されるべき優秀な人材がいたと取り上げられるようになったが、それにしてもまだまだ埋もれてる感がある。

小栗が最初から最後まで、しっかりと時代を見つめ、世界の中で日本の進むべき姿を考え続け、お役御免を繰り返しても、出来る事を淡々とこなす姿は、この時代にあって、何て冷静なのだろう。
身分も関係なく、経済を重視して、先を見る目は、立場こそ違うが竜馬と重なる自由なもの。

自分がいなくなっても、幕府が無くなっても、やった事は受け継がれると信じて、最後まで自分の運命を粛々と受け止める。

・・・泣けます。男です。

正直、薩摩薩摩ととらわれ過ぎていた西郷がもともと好かなかった私。
かなり悪役に描かれているので、西郷好きには耐えられないと思うが、個人的にはすごく納得。
立ち位置が変わるだけで、こんなにも歴史観が変わるんだなと感じました。

架空の人物は一人のみ。史実に基づき見事に著した作者の力量も素晴らしい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-18 17:13:26] [修正:2011-04-18 17:13:26] [このレビューのURL]

想いが届くまでは最高の少女漫画の1つかもしれない。
どこまでも正統派の少女漫画なんだけど、これだけ良質だと男性にも受け入れられるんだな。

風早くんのキャラをファンタジーだって言う人は多いけど、そんなこと言ったら爽子ちゃんのピュアさだってファンタジーだと思う。
リアルさを追求する漫画じゃないと思っているから、私はその辺は違和感なく受け入れられた。
爽子ちゃん大好き! もしかしたら今まで読んだ漫画のヒロインの中で一番好きかもしれない。
見ていてこれだけ応援したくなる娘もなかなかいないよ。

こういう漫画だと、ヒロインの爽子ちゃんが憧れの風早くんに少しずつ少しずつ想いを届かせ、風早くんの中で爽子ちゃんの存在がだんだん大きくなってきて…、なんていう展開が定番だけど、この漫画は違うのね。
途中からはどちらかと言うと風早くんが鈍い爽子ちゃんに想いを届かせようとする展開になってきて、少女漫画としてはなんだか新鮮だった。

読んでてこっぱずかしくなっちゃうぐらい初々しくて、心地良い漫画。
いつまでもこの世界に浸っていたいぐらいだけど、もうお話が下り坂になっているのは誰もが感じているところだと思うので、想いが届くまでの素敵なお話が無駄になってしまわないうちにきれいに終わってほしい気もする。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-02 20:51:55] [修正:2011-04-02 20:53:51] [このレビューのURL]

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