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8点 めぞん一刻
最終話の素晴らしさは漫画史上最高クラス。
男と女のすれ違いだけでこれだけのバリエーションを考えられるのは凄い。
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[投稿:2008-07-31 20:38:11] [修正:2008-11-03 00:41:16] [このレビューのURL]
6点 ハヤテのごとく!
よく久米田先生の影響受けすぎとか書かれてますが
私には萌え要素が加わったこち亀っていわれるほうが近い気がする。
面白いですよ。
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[投稿:2008-11-02 23:45:57] [修正:2008-11-02 23:45:57] [このレビューのURL]
3点 テニスの王子様
能力インフレ漫画の中でもすごい部類。
初めの方は現実感と凄さのバランスを維持しようとする努力がまだ見られたのであるが、途中からタガが外れたかのように能力が暴走し始めた。
超人暴走漫画となった後のこの漫画に、いちいち現実的ではないとかいう突っ込みを入れながら読むことは、無粋なことかもしれない。だが、スポーツ漫画と自らを謳っている以上、現実性を維持しつつ、試合を面白く魅せようとする努力を怠っているとしか感じられなかった。私はかねてから、真剣に作者が描いているであろう漫画をギャグ漫画として読むことは嫌いであったのだが、このような漫画に関して言えば、そのような評価も妥当であると言わざるを得ない。
しかし、WJという少年誌が掲載誌であったことを鑑みると、能力インフレ化はある程度は仕方のないことであった。ただの大味な漫画となってしまったが、全42巻という長期連載が可能であったということは、購読者層である小中学生はある程度の評価を下していたということであろう。
そのような背景も考慮して、青年の私としては3点の評価であるが、この漫画に高得点をつける人がいてもおかしくはないと思う。読んだ後に、失敗したかもと思う漫画。3点。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-10-09 22:00:06] [修正:2008-11-02 17:54:07] [このレビューのURL]
10点 SLAM DUNK
話の内容を説明する必要もないほど、社会的に影響を与えた漫画。バスケ部の人は、この漫画に影響を受けてバスケットボールを始めた人が多かった。国民へのバスケットボールの認知度をあげるほどの影響を与えた。
とにかくテンポがいい。一試合に結構な話数を費やしている試合も多いのだが、話自体に引き込まれ、臨場感を持って読むことができるため、長いと感じさせられることがなかった。こういう例えは変かもしれないが、バトル漫画に例えていうなれば、戦闘自体が楽しめる漫画であると言えよう。
熱い。
花道がうまくなるのが早すぎるとか、ブランクを抱えた三井がここまで動けるのはおかしいとかいう人もいる。また、レギュラーと控え選手の微妙な溝とか、地味な選手の描写もしっかりしてほしいという人もいるだろう。たしかに、それらの要望はもっともなものである。
そういった視点で漫画を切り取ることも大切であるが、この漫画に限って言えば、話のパワーを感じ取ることに集中すべきだ。不純な動機でバスケを始めた花道。やっていくうちにバスケットボールの虜となっていく。うまくなりたい、もっと速くなりたい、試合に勝ちたい。そういった青春をバスケットボールにかける思いが、敵味方を問わない選手たちの息遣いの中で自然に、これほどうまく表現されたスポーツ漫画はないだろう。それらの熱い思いに加えて、その青春をバスケットボールにかける思いがなぜ生まれてきているのかが、メインの選手に関しては深く描かれている。脇役についてはややいい加減になっている感があるのは前述のとおりであるが。しかし、メインの選手に華があることは紛れもない事実であろう。また、バスケットボール未経験者の花道を通じて、バスケットボールに興味を持ったことのない人でも話に入り込めるようになっている。
井上雄彦のバスケットボールへの強い愛着が感じられると同時に、登場人物には魂が吹き込まれている。これほど作者の思い入れが感じられるスポーツ漫画には出会ったことがなかった。漫画に興味を持つことになるきっかけにもなった作品として、10点を献上したい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-10-13 11:46:27] [修正:2008-11-01 19:52:14] [このレビューのURL]
8点 げんしけん
オタクな方々の大学生活をげんしけんで送る日常が淡々と描かれています。一見起伏のない日常ですが、長い期間で考えるとコミケといった行事や恋愛などの出来事を中心として、会員どうしのつながりがきれいに描かれています。
コミックス版ではサイドストーリーが追加されたおかげで、話の切れ目切れ目が見事に補完されており、全体としてわかりやすく納得のいく形で作品として完成されています。他の方々と同様に斑目のストーリーは切なさを感じました。彼の咲ちゃんへの思いは叶わないままでしたが、彼の人間的な成長は見ていて応援したくなりました。おそらく木尾先生の中でも彼はお気に入りのキャラクターではないでしょうか。先生のぬくもりが感じられました。作品自体にまとまりのあるいい作品だと思いました。
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[投稿:2008-10-30 13:59:23] [修正:2008-10-30 13:59:23] [このレビューのURL]
9点 不思議な少年
少年と登場人物の交遊は見ていて微笑ましく、またどこか切なさや哀愁も漂う雰囲気です。山下先生の作画はこのようなオペラティックな作品に見事にマッチしています。
哲学的なテーマを扱いながらも説教臭くないのが魅力的です。生と死、人間の絆など荘厳なテーマになればなるほど、作者の個性が出て読みづらくなるのが世の常です。しかし、この少年と同様に山下先生は一歩引いた立場から淡々とその物語を語ってくれます。それにより読者自身が思索をして、その物語の結末を自分自身の価値観へと物語を昇華させることができます。不定期連載であることが少し残念な漫画です。しかしライフワークとして末永く頑張っていただきたいです。
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[投稿:2008-10-30 13:36:11] [修正:2008-10-30 13:36:11] [このレビューのURL]
10点 寄生獣
扱われているのは環境問題や人口問題といった作者の個性を出そうと思えばいくらでも出せそうなテーマです。しかしあくまで岩明先生は一歩引いた立場でこの物語を描くことで、読者である私たちに考えさせたという点が非常に好感が持てました。
共生も一つのテーマです。パラサイトでもなく人間でもない新一を主人公に置くことによって、複雑な現実が描かれていると感じました。ただのグロテスクな漫画にならなかったのは、このような複雑な漫画の設定が現実の複雑さとマッチして、よりストーリーに深みが出たからです。エンターテイメントとしても考えさせられる漫画としても傑作の漫画だと思います。何より読者のわれわれにこれだけ深い問いを投げかける漫画というのも、現在ではまれだと思います。
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[投稿:2008-10-30 13:13:01] [修正:2008-10-30 13:13:01] [このレビューのURL]
8点 新世紀エヴァンゲリオン
シンジがゲンドウや自身の境遇と葛藤するシーンはとても印象的です。深く描写される人間模様と薄い線で描写される貞本先生の作画がマッチして哀愁が漂っています。レイやアスカ、他の登場人物の抱える問題はそれぞれ自分自身が思春期に抱えていた問題と重なります。誰もがその点は共感できるように作られていると感じました。
読むと少し鬱になります。でもこの漫画を読んで自分自身と見つめあうことができます。シンジは自分自身と正面から見つめあって成長していきます。その姿と自らの環境をオーバーラップさせて何かを感じ取ることができるのではないでしょうか。その点がこの作品の漫画やアニメ版も広い人気を獲得し得ている原因のような気がします。もちろん戦闘もしっかりと描かれていて漫画としても楽しめるように設計されています。ラストが気になる作品の一つです。
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[投稿:2008-10-29 19:43:11] [修正:2008-10-29 19:43:11] [このレビューのURL]
8点 PSYREN-サイレン-
新連載の中では結構面白い作品だと思います。何より、演出やバトル描写に安定感があります。ただその安定ぶりが逆にメインの読者層に受けないんでしょうね。
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[投稿:2008-10-28 16:28:18] [修正:2008-10-28 16:28:18] [このレビューのURL]
9点 攻殻機動隊
漫画、というより公安9課という組織を通した物語の中で、科学的、社会的に物事の考察をする読み物。
個人的に攻殻機動隊の世界観が大好きであるため、アニメ版の作品(SAC、2nd GiG、SSS、劇場版Ghost in the shell、劇場版イノセンス)は全話すべて視聴している。その背景があればこそ、100%この世界に浸れたわけである。
つまり、一般の方、とりわけ今まで攻殻機動隊に親しむことがなかった方には、この世界観を理解するのに、やや思考力と読解力が求められるということを示唆している。難解なセリフ、世界観、倫理的な問題を孕む事項についての哲学的な認識。それらの事項への積極的なアプローチ、つまり読者の主体性なくしては、この漫画を漫然と読み進めることはつらいと考えられる。それでも、アニメ版と比較すると外部記憶装置に頼る台詞がかなり少なく、読みやすい印象は受けた。また、少佐のキャラがアニメよりも、砕けた感じになっていて親しみが持てた。その分示唆に富む知的な発言が少ないという欠点もあるが。
だが、1991年初版のこの漫画が、17年後の今現在でも十分に通用しうる問題を提起していること。また、その世界観に向かっていくかのように、現実世界の方が進歩し続けていること。その2点だけでも、既存のSF漫画には到達し得なかった奥深さがある。さらに、深い社会考察、科学的なアプローチ。これらが複合的に作用して独特であり、かつどこか現実的な攻殻機動隊の世界観を構築しているのである。
この作品を楽しむために。
士郎正宗が1巻で述べているように、この漫画は解説文を読む回と作品を読む回に分けて読んでほしい。また、他のレビュアーの述べるように、一回で全てを理解しようとして読むのではなく、数回に分けて理解しながら読むのが賢明かと思われる。さらに、機会があれば、アニメ版も視聴してほしい。より深い考察ができるだろう。
総じて見れば、エンターテイメント性を備え、かつ深い考察をすることができているこの作品。良作であることは間違いない。だが、万人受けは決してしないと思う。現代、そして未来の社会が抱えるであろう諸問題への考察をしたい方、サイボーグ技術に関心のある方にはぜひ一読を勧めたい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-10-27 19:51:26] [修正:2008-10-27 19:51:26] [このレビューのURL]