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7点 雷火
藤原カムイ先生の「ロトの紋章」と並ぶヒット作です。この頃から画力にしても構成力にしても魅せかたにしても一流ですね。
舞台が「卑弥呼の死の直前の邪馬台国」というのが思い切った設定だし、珍しい。確かに謎の部分だから自由に描ける利点はあるだろうが、かと言って余りにも世界観を壊してしまっては「竜頭蛇尾」に終わってしまうことだろう。
「忍術」と「仙術」の中間とも言うべき「神仙術」の使い手たちが繰り広げる戦いは、戦略にしても戦術にしても武器にしてもまだ未熟な「古代」を全く意識させない迫力。
そして最大の難敵にもってきたのは当時の邪馬台国が親交を結んでいた大陸の超大国・魏から派遣された張政。
本国から遠く離れたこの国で自身の野望を叶える王にならんとする。
その権力欲たるや凄まじく、特に祖国の魏が滅亡した後は故郷も失いもはや後戻りも出来なくなったことで暴走に拍車がかかる。
主人公たちと同じ「神仙術」を使う手下を従えて、不気味な行動を次々と起こす。そして手下のしぶといことこの上ない。
とにかく何度も倒したかと思わされるが、その度に立ち上がって来る。ほとんどターミネーター(笑)。
張政との最終決戦では壱与と身も心も結ばれた雷火は、意識の世界でなんと宇宙にまでも飛び出して戦う。
もはや古代邪馬台国が舞台であることすらも超越した。スケールの大きな戦いも見事に描き切っている。
巻末の設定資料の細かさに「この世界観の構築」が裏付けされる。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-10-13 12:55:07] [修正:2013-10-14 10:08:26] [このレビューのURL]
4点 自殺島
自殺に失敗した人達にしては揃いも揃ってみなさん若すぎると思う
若さ故にすぐ自殺を考えてしまうのはわかるけどリアリティが無い
自殺がしたくてしたくてしょうがない人ってあんまりいないと思うので
みんな好きで自殺したいわけではないでしょう
ようは現実世界で他人との交流が上手く行かなかった人達
そんな人達が無人島に送られて他人との社会生活から一切開放!
生きたかったら自給自足、死にたかったらどうぞっ!
なんて、まさに楽園なのでは???
ただ生きるためだけに生きてるなんてどちらかと言えばうらやましいぞ?
そのうえ食べ物も建物も仲良く出来そうなお仲間までいるなんて!!!
とはいえこんな所まで来て他人と関わりたく無いとやっぱり自殺する人
はわかる、しかしコミュニティを作るなら結局現実世界と変わらないし
自殺願望があった弱いセイがこの島では英雄視されてるのは面白いけど
(あと燻製のつくり方が詳しい所)
セイが生きる事に希望を見出す事が面白いわけではないかな、
だってこの島はセイにとっては自分は英雄で、仲間もいてヒエラルキーは上で
興味のある可愛い女の子だっているんでしょ?
さらには自分なら倒せそうな敵までいる!敵を倒すって目標まであるんでしょ?
おいしすぎるよそんなの。
まぁ、LOSTみたいに最後はこの無人島でないと生きている実感が得られない、
現実に帰っても島での英雄視が忘れられなくて、島に戻ろうと考える
変人にでもなれば面白いかも。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-10-14 01:29:13] [修正:2013-10-14 01:29:13] [このレビューのURL]
テレビ版は見て無いんですが、映画がやるって事で色んな所でごり押しされているので
漫画を読んでみる事に。。。
はっきり言ってつまらない。100万回くらい使われた内容だし、新しさは一つもなし
分りきった展開に分りきったラスト。
良い話なだけに悪く言えない雰囲気。
アニメ版は面白いんでしょうか?
泣く人も沢山いると思いますが、泣けば面白い話ってわけでは無いと思います。
絵はとても奇麗ですが、商業臭がプンプンしました。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-10-03 23:18:14] [修正:2013-10-04 13:49:42] [このレビューのURL]
10点 うしおととら
少し前に読破しました。長文です。すみません。
『うしおととら』、以前より「名作漫画」として名高い作品ということは聞き及んでいましたが、正直なところ、第一巻を読んでの感想は「そこまで言うほどか?」。
絵が漫画のすべてではないことは承知しているのですが、それにしてもかなり荒いし(鬣に隈取り、縞模様というとらのデザインには凄い美学を感じましたが)、そもそも作風があまりに説教臭い。熱いというか暑苦しく、古臭い。読者の思い出補正+いくつもの作品へ影響を与えた妖怪バディものの先駆けというだけで、過剰な評価を受けているのだな……と、冷めた目付きで一巻を置きました。
今思い返せば、早急すぎる判断だったと思います(言い訳をさせてもらえるなら、余計なことを考えずに作品と触れ合える少年時代に読んでればこんなことは……!)。
おカネがもったいないし、買った分の巻数だけは読んでしまおうと、気乗りしないながらも続きに手を伸ばしてから、二巻、三巻……あれ?
エピソードが積み重ねられ、物語が動き出してゆくとともに、気づけば、荒いだけと思っていた絵から作者の思いと息遣いを感じ始め、少しずつ気持ちを掴まれていきました。そして、迷いながらも途中購入した中盤からは自分でも制御できないくらいに、読み進めてゆくスピードがどんどん加速してゆき、気づけば最終決戦へ。
……最初の巻で切らなくて、本当に良かった。
少なくとも自分にとっては、久々に、「堂々完結」という字のふさわしい、一個の少年漫画を見せてもらった気がしました。
涙もろいなどと言う自覚はなく、むしろ泣ける泣けるというような言葉に対して斜に構えてしまうような性分なのですが、比喩でなく、悔しいながら泣かされてしまった。各エピソードにも名場面が目白押しですが、最終決戦に入ってからの勢いが物凄い。中でも32巻・33巻は反則です。(また、バトル漫画の常として、一般人、いわゆるモブの人々の死亡描写が派手なのも特徴ですが、一方で、そういう「普通の人々」が、精一杯前を向いて踏ん張るシーンもきちんと描かれていていたのが印象的)
かしこぶって分析するならば、この漫画は、カタルシスを作りだすのが凄まじくうまいのだと思います。作風が合わない、面白いと思えない人も当然いるでしょう。ただし、波長が合った人、何かしら同調できる部分を見つけて読み進めることを決めた人に対しては、溜めに溜めた末の、でっかい「お返し」をくれる作品です。
最終回を読み終わった後、最後の青空のページ及び、表紙に描かれた「うしおととら」というタイトルを見ると、熱く込み上げてくるものがありました。初め見た時はヘンテコにしか見えなかったこのタイトルが、なんとこの作品に、まぎれもない「一人と一匹」の物語にふさわしいことか。
少年漫画であること――大切な言葉を真っ直ぐに伝えること――から目を背けずに、力いっぱい描き抜かれたこの作品へ、魂揺るがされた一人としての「10点」を捧げたいと思います。
*追記
個人的な好みについて言わせてもらえれば、あちこちに見られる妖怪というモチーフへの愛にニヤニヤしました。字伏や一鬼、一角、山魚など、オリジナル妖怪(山魚は読者投稿ですが)が多く、また既存の妖怪に対してもアレンジを加えてある本作ですが、少年漫画的世界観との絡ませ方、また、なまはげ伝承や「しっぺい太郎」伝説を、テーマのある短編のモチーフとして落とし込む手腕には、作者の確かなこだわりを感じました。「白面の者」の啼き声が『山海教』における九尾狐の記述+本当の願望の発露という風になっていたり、とらの異称の一つに正体不明の妖怪である「わいら」を持って来たり、『稲生物怪録』の化け物たちをこの時期に採用するなど、知識があれば唸らされる小ネタが随所にあるのも素晴らしいです。(後で知ったのですが、作者はかの妖怪研究家・多田克己の友人でもあるらしい)
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-08-20 03:16:39] [修正:2013-08-20 03:21:17] [このレビューのURL]
9点 よつばと!
最近、変なノリのギャグ漫画、まあつまりシュールなものが売れているがこれはそういうのじゃなくてしっかりとした笑いの基盤を理解して描かれている。しかもただの日常生活の中で。
まず小さい子を中心とするその視点が良い。
確かに日常生活でちっちゃい子の言動を見てると思わず笑ってしまうようなことがよくある。
それがこうも見事に表されていてホントに凄いと思う。
あと、何よりほのぼのするというか、読んでいてホッとする感じはとても好感が持てる。
今の子は小さいころから塾に行ったりして、こんな風に外の世界で自分から新たなことを発見してみたりすることが少なくなってきていると思う。
よつばのように何にでも明るく楽しく取り組むことが必要になってきてるんじゃないかなと感じた。
子供はこのくらいはしゃいでた方が調度良い。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-10-17 23:44:45] [修正:2013-07-25 01:50:46] [このレビューのURL]
9点 らんま1/2
水をかけると、女になったり、パンダになったり、ブタになったり…個性豊かなキャラ達で読んでいて飽きない。
ラブコメみたいなのには正直抵抗があってあまり読まなかったのだが、この漫画のおかげで好きになった。
格闘している時でも何でも自然にギャグが溶け込んでいて、こういうドタバタラブコメでは群を抜いて面白いと思う。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-04-30 21:18:36] [修正:2013-07-25 00:57:36] [このレビューのURL]
5点 荒川アンダーザブリッジ
キャラ設定はかなり狂っていて良い。
ただ、キャラ設定だけの漫画だなと感じた。
序盤は確かに面白いシーンも多かった。が、長く続けすぎである。
ここまで似たようなノリの連続だとさすがに飽きてしまう。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-06-01 22:28:46] [修正:2013-07-25 00:13:36] [このレビューのURL]
展開が読めない作品はいっぱいありますが
ここまでいい意味での期待を裏切ってくれる作品はありません。
作品の世界感のなかで通常ならありえない、ときには残酷きわまりない展開を
平気でぶっこんできます。
それがまかり通る作品力にただ感無量です。
読み手の感情を変に揺さぶられるから、続きが待ち遠しくなる。
こういった奇妙な感覚にさせてくれる私にとっては唯一無二のマンガと言えます。
画力についてですが、
「まじめに書けばもっと上手いだろうに」
といった印象です。
おそらく作者の性格からしても、そんなくそまじめに描いていては
連載を続けること自体不可能なんでしょう。今ですらギリギリなのですから笑
しかし「魅せるシーン」での一枚絵は時に気持ちが悪いくらい
感情がぶつかってきます。背筋がぞっとするような。
この緩急が、、クセになるのかもしれないですね。
ストーリーに関しては、見えない部分での細部のこだわりが感じられ
結果的にそれが当作品の持ち味になっていると思います。
常に薄くて暗い膜が作品を覆っていいるイメージは1巻から続いており
少年漫画としては異色な作品と言えるでしょう。
中毒性はんぱないですよ
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-06-17 14:19:59] [修正:2013-06-17 14:19:59] [このレビューのURL]
レビューの点数は思い出補正が200%入っているので申し訳ない
小学生の時にドラクエが発売されRPGにハマった
中学時代には剣と魔法、神や悪魔等のファンタジーの世界にどっぷりと浸かっていた
。。。そういわゆる厨二病の発病だ
ゲームブックソーサリーシリーズから始まり、ファイティングファンタジーシリーズ、T&T、コンププティーク誌に連載されていたD&Dリプレイコーナーのロードス島戦記
安田均とグループSNE、富士見ドラゴンブック、ドラゴンマガジン創刊、そしてソードワールドの世界へ
。。。順調に厨二病は悪化していく
そんな頃に連載が始まったのがこのBASTARDだった
テーブルトークRPGであるD&Dを始めていた私にとってこの作品はバイブルとなる
本物のスライム、職業としての忍者やサムライ、ビボルダー、作中に出てくるうんちく、作者はわかっている奴なのである
。。超上から目線の厨二病にジョブチェンジ
さらにエロなのである、魅力的な女性キャラが乳を揉まれ体を舐め回されるのだ、処女の接吻、服だけ溶かすスライム、耳たぶ噛むって?
。。。童貞の厨二病ピンコ立ち全開アタックだ
ビボルダー→鈴木土下座衛門、文字だけのページ、細かな設定等などとにかくネタにも困らない規格外の作品だった
。。。オタク厨二病炸裂
テーブルトークRPGには『プレイヤーはドラゴンを倒してはいけない』という法則がある
これはプレイヤーが強くなりすぎると倒す敵がいなくなりプレイヤー自身が化物になってしまう
最終的には不死の道をめざしたり、領主になって城を立てて他国と戦争とか変な方向になってしまってプレイできなくなるというもの
この作品も地獄の鎮魂歌編あたりまではいいのだがその後は神との戦いという展開になって収集がつかなくなり破綻してしまうあたりがテーブルトークRPG的で面白い
結局、高校へ進学して友人達とバラバラになり疎遠になってテーブルトークRPGの熱が冷めたのと
度重なる休載や他誌へ移動したりで22巻くらいまでしか読んでないが
今でもこの作品を読むと二度と戻れない最高に楽しかったあの頃を思い出す
。。。スタンド・バイ・ミー厨二病症候群併発(完治の見込み無し)
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-06-14 10:44:21] [修正:2013-06-14 11:56:00] [このレビューのURL]
10点 タッチ
80年代の「さわやかスポーツ漫画」の初期作品にして、サンデーを代表する作品といえるでしょう。
素晴らしいのは、劇画とは対照的ともいっていい、デフォルメされた線、輪郭(野球シーンはちょっと線の入れ具合が多くなりますが)。
あとこの作品は「間」が良いですね。安易に表情で喜怒哀楽を表現したりすることはあまりないです。一見したら無表情だけど、行間から悲しみや怒りなどが伝わってきます。あだち作品の代名詞ともいえる漫画的表現です。
ヒロインである南ちゃんもこの漫画を名作へと押し上げている要素となります。僕は全然タッチ世代でもないのですが、最強に可愛いです。後ギャグがそんなに古臭くない所も好感が持てます。
「80年代の漫画なんて古い」と思っている、タッチ世代じゃない方にこそ読んでほしい、おすすめの作品です。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2013-05-20 15:57:09] [修正:2013-05-20 15:57:09] [このレビューのURL]