「FSS」さんのページ

一巻を読んだだけでは伝わらないかも知れないが、メイン以外にも登場キャラの描写が丁寧なので、その地道な造形の積み重ねのおかげで、巻を重ねる毎に確実に物語に血が通ってきている。

歴史上の実在の人物の絡め方など、虚実入り混じった物語構築も上手い。そして、彼らとセスタスの邂逅がより物語を重厚なものにしている。

戦いに派手さは無いが、各キャラに個性があり、彼らの生き様や考え方が、そのまま戦いの勝敗にも影響するというシビアな描写がリアル。まさに人生とは戦いって感じで、誰にでも等しく感情移入が出来る。

ただ、残念なのは、基本的に戦闘シーンが売りの格闘漫画としては、ちょっと地味という事。原因は作者の絵柄が丁寧すぎる事と、カメラワークに工夫が無い点。いつもほとんど同じ位置(目線)や距離であるため、画面にメリハリが無く、迫力も感じられない。こういうのを見ると、やはり「バキ」の戦闘シーンの迫力の凄さが分かる(物語はともかくw)。

まあそれでも十分面白いので読んで損は無い作品。

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[投稿:2008-02-02 19:04:54] [修正:2008-02-02 19:04:54]