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[ネタバレあり]

今では当たり前にあるが、剣と魔法を扱ったファンタジー漫画の先達という点では評価すべき部分も多い作品。作者の漫画家としての技量は非常に高いし、戦闘シーンにおける演出センスなども良い。

実際、破壊神の復活→箱舟攻防戦の辺りまでは非常に盛り上がった。だが残念な事に、それ以降の引き延ばしのせいで、それまでは辛うじて守られていた設定や伏線も完全に破綻してしまった。地獄に落とされた地点でポルノ・ディアノに手も足も出なかったD.Sが、どうやって6人の悪魔王から「ユダの痛み」を抜き取ったのかとか、「竜戦士」は箱舟で破壊されたんじゃなかったかとか、いくらなんでも人類が作ったものにしては強すぎるだろとか、数え上げるとキリが無い。

また、天使と悪魔を出した事による戦闘力のエスカレートは、ジャンプ連載作品の中でもダントツでトップw。ある意味ではドラゴンボールをも軽く凌いでいる。特に単行本23〜24巻現在での戦闘シーンでは、すでに旧キャラのガラやネイどころか、四大天使や七人の悪魔王たちすら蚊帳の外w。もはや漫画における戦闘シーンの演出表現でも限界に達している(そういう点では見るべき部分はあるが)。

ただ、物語の行き詰まり感は誰の目にも明らかながら、それでも「竜戦士」を何とか使おうとしたり、人類側の救世主アダムという新キャラ(?)を出したりと、出来るだけまとめようとする努力の後も見られる。ここまで破綻しつつある物語を続けられる事を、逆に応援してしまいたくなるほど(まあ、今さらエルフやドワーフ、人類を含めた「汎人類連合」なんかを出されてもなあ、というのもあるがw)。

何にしても、ここまでリアルタイムで読んできた作品だけに、どんな形であれ最後まで付き合うつもり。その日がいつになるかは分からないけどw。

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[投稿:2008-02-24 21:54:47] [修正:2008-02-24 21:54:47]