からくりサーカスのレビュー
9点 十歩神拳さん
全体で見たら全く必要のない話やグダグダな展開も結構多いのですが、面白い時は10点でも足りないくらい面白いし、爆発力が桁違いです。
また、42巻にも及ぶ長いストーリーを通してこれほど重厚で壮大なドラマを練り上げたことは驚異的だと思います。
サハラ砂漠での熾烈極めるしろがねたちの死闘や壮絶な展開の連続には、それまで私がリアルタイムで読んでいたどの漫画より凄まじい興奮や衝撃を覚えて、毎週鳥肌が立ちっぱなしでした。
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[投稿:2009-11-30 11:49:19] [修正:2011-04-13 10:50:52] [このレビューのURL]
10点 さぶさぶさん
少年漫画という領域からは身体半歩分はみ出している作品。子供が読んで理解できるかどうかはともかくとして、作品としての価値は最高峰だろう。
運命と呼ぶのが相応しいのか。
まるで懸糸傀儡のように、翻弄されゆく登場人物達。
登場人物は皆、残された者――そして読者に何かを残して退場してゆく。
深い世界観や設定。交錯する人間模様。いくつか矛盾している点や不自然に感じるところがないわけではない。ないのだが――それらを笑い飛ばせるだけの力がある。
キャラクター、と呼ぶのは不適切だ。そう思うほどに人物に背景がある。過去がある。願いがあり、相反する絶望を背負っている。
それでも何らかの意味を手に入れ、彼らは笑うのだ。最後の瞬間に。
前作「うしおととら」よりも画力は上達しているが、反面読みづらいと感じる方も少なくはないだろう。
また、女性のスタイルが若干誇張され過ぎではないか、と感じることも事実である。
しかし、それらに寄るところもあるのだろう。
風圧を体感させるほどの圧倒的迫力、その喜怒哀楽が読者の元へ直に届くキャラクター達の表情――それらは、まとまっているだけの作品には存在し得ない、独自の魅力だ。
心に直接届く言葉。
刃物のように鋭いものもあり、水滴で岩を穿つようなじわじわと来るものもあり、握りしめた拳のような衝撃もあった。
構成も素晴らしい。
が、連載向き――特に週刊少年誌という分類――ではなかったろう。
ジェットコースターの登りが緩やかかつ長過ぎる。コミックでイッキ読みする分には気にならないのだが、連載を追っていた人間には辛かったのではないだろうか?
残念に思うのは中盤の盛り上がりが極大過ぎて、終盤にそれを超えることができなかったことか。盛り上がり方が逆ならばもっと一般的な高評価にも繋がったかも知れない。
ハマる人はハマる。そんな言葉が何より相応しい一作。
苦手な人が多くいるのも理解はできるが、私にとってはこの作品は最高のものだ。
どうか食わず嫌いだけはやめてほしいと思う。
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[投稿:2011-02-21 13:17:56] [修正:2011-02-21 14:18:34] [このレビューのURL]
3点 zmxnさん
5巻くらいまで読んだが残念ながらこの漫画に魅力を見出すことは
出来なかった。
藤田氏の作品はこれが初めてだが、キャラや設定、絵に
個人的に受け付けないものを感じた。
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[投稿:2011-01-23 16:50:42] [修正:2011-01-23 16:50:42] [このレビューのURL]
7点 s-fateさん
普通年を取ると時間の流れが速く感じる、と言いますが、個人的には、前作うしおととらより10巻くらい長いだけ、と思えないくらい長く感じました。特に後半は長く感じるのだけど駆け足な感じもする不思議な印象を受けます。一番印象的なのは、生命の水を飲んだ時の後ろから抱かれる描写です。何か大きな人生の転換期の書類にサインをする時とかに、あの絵がどうしても頭の中でちらついてしまいます。「契約」というものを端的に表した秀逸な描写だと思います。あのコマだけは10点。全体としては長くて読み返すのが骨が折れるので7点。
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[投稿:2010-12-26 23:05:44] [修正:2010-12-26 23:05:44] [このレビューのURL]
8点 ITSUKIさん
個人的に非常に非常に点数がつけづらい作品。
途中までがものすごく面白く、熱い為、どうしても「うしおととら」のように最後も最っ高に盛り上げて且つ綺麗に終わらせてくれるだろうと期待せずにいられませんでした。
しかし、ラスボスが判明してから最終章までのストーリー(所謂『黒賀村編』)が長すぎた所為でその盛り上がりも冷めてきてしまいます。
(黒賀村編は個々のエピソードは悪くないとは思うのですが、あそこまで盛り上げた展開の直後に入るというのは読んでいる側からすれば長期にわたって「お預け」を食らった様なものでした。リアルタイムで読み始めたのが丁度黒賀村編からだったのもありましたが…)
やっとはじまった最終章も全体的に間延びしちゃったせいで、最後はとてもうまくまとめたはずなのにどうも中盤までのモチベーションで読めないので、「あれ?これで終わっちゃうの?」と拍子抜けしてしまう感じがしました。
(一文が長ったらしくなってスミマセン…)
最終章はサーカス団が自動人形達と対等に戦えてしまっているというのも、サーカス編最終章の死闘を見た後だとどうしても少し腑に落ちなかったですし、出てくる敵がサーカス団のメンツに都合の良すぎる相手しか出てこないのもご都合主義っぽさを感じました。
要するに本当は面白いはずなのにそれに見合った感動が出来なかったってことでしょうか。
とにかく28巻までは間違いなく読んで損はないです。そこまでなら10点を献上したい位。加藤鳴海は今でも漫画の中で一番好きな男キャラです。
そこから先で嫌になって「残りは集めんのやめようかな」と思うかもしれませんが、最後まで読めば「やっぱり最後まで集めてよかった」と思えるでしょう。
点数は8点とします。たとえ黒賀村編が黒歴史だろうと7点以下は自分はつけられません。
8点としていますが、漫画といえばジャンプだった自分の漫画の世界を大きく広げた作品であり、多大な影響を受けました。
是非読んでほしいです。
読む時はまずは必ず3巻まで一気に。
それでハマれた方は次は7巻までどうぞ。
そこまで読めば後は自然と続きが気になるはずです。
2010 12/12
若干文章を修正・追加。点数はそのまま。
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[投稿:2005-08-10 03:35:37] [修正:2010-12-12 11:52:22] [このレビューのURL]
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