「団背広」さんのページ

総レビュー数: 137レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年05月03日

[ネタバレあり]

新ターちゃんのころからこの作者さんは結構凄い人なんじゃないかと思っていたが、まさかこの人の本気がこれほどとは。
この迫力、この深味。そしてギャグもちゃんと活かす漫画性。
ああ、もう何から書きゃいいんだ?何から誉めりゃいいんだ?誉めるとこが多すぎてどこから書いたらいいんだかわからねえよ!とか言いたくなるくらい凄え漫画なんで、俺なんぞではうまくまとめることすらできません。ってかさ、真面目にこれのレビュー書こうと思ったら半端じゃない長文になっちまうよ!ああ困った困った。

とにかく名エピソード揃いで、どの話も素晴らしいです。
俺がその中でも特に良いと思うのは八木編、白鳥編、アルカディア編の3つ。「S」との熱いバトルが出てくる八角大尉編もかなり良いが、まぁ選べと言われればこの3つです。
八木編は八木というキャラ自体がいいし、ガンダム0080を思い出すラストが泣ける。アルカディア編はフェイント付きの激辛なオチとそこに至るまでの展開が秀逸。
そして白鳥編。これはもう、マジで最高のエピソード。
マイカを抱いた白鳥の「お前が初めての女だ!」に俺は泣いた。
ああ、なんて童貞くせーセリフなんだ!痛いほどにわかるぞ、白鳥!何かわかる!妙な何かが!非常に恥ずかしい何かがな!

んで白鳥と狂四郎のガキのころの話もいいし、何より〆の「二人で200人斬り」はもう男なら燃えろ!と言わんばかりの激燃えシーン。少数で圧倒的多勢に向かっていく、というのはやっぱいいね!燃えるね!最高だね!!
しかもちゃんと俯瞰視点で敵の多さを見せたりとかの映画的な演出も入っていて、なんかもう嬉しくなっちゃうよ。どこまで幅が広いんだ、この人の漫画は。あーもーなんかスゲェ。

時代劇+SF+ラブストーリー+ギャグという多くの要素が混ざっていながら、どれもおろそかにしておらず、むしろ全ての面で深くまで斬り込んでいるという隙の無い漫画。
ま、「結局八角博士のタイムマシンってなんだったの?」とかいう穴もあるにはあるが…そんなのは気にならなくなるほど迫力のある内容ですからね、やっぱ傑作ですよ。大傑作ですよ。これだけ完成した長編連載が他にどれだけあるってんだ?文句無し10点!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-01-31 11:20:57] [修正:2006-01-31 11:20:57] [このレビューのURL]

10点 谷仮面

[ネタバレあり]

うおっ、おもしれー!超おもしれー、っていうか最高!!
思春期高校生の無駄に一直線なパワーを、そのまま「とんでもない馬鹿力」として漫画にしたこのアイデアは素晴らしい!読んでてこんなに爽快で気持ちいい漫画は久しぶりだよ!

とにかく仮面高校生・谷はムカついたら殴る。殴って壁を破壊!校舎を粉砕!不良をアッパーで屋上まで吹っ飛ばす!
こんなマンガもマンガな馬鹿らしい描写を恥ずかしげもなく、むしろ思い切ってやってくれるからすごく楽しいんだよなー。なんかガキのころに特撮ヒーローが活躍するのを見て心から楽しんでいた、あの感覚を思い出したぞ!
それに脇役もちゃんとキャラ立ってるし(変な奴ばっかりだが)、なんかセリフの節々に普通じゃない変な味があって、いいねえ。

全編通して面白いが、特に後半の告白シーンが最高だった。
せっかく島さんに告白してもらったのに、「ああ、そんなわけない。これは夢だ…」と逆に落ち込む谷!
そして「あんまり夢の中の俺をナメるなよ!いいか夢の中の俺は凶悪犯だ!」と逆ギレする谷!
うあー、なんかその気持ちわかるぞ!その無軌道っぷり、最高だッ!!

いやー、ここまで読んでて楽しかった漫画は久しぶりだわ。
え、ちょっと絵が下手?知るか!気にすんな!気にしなけりゃ最高なんだよ、この漫画は!
で、点数。まぁ正直これに10点つけるのはどうかとも思うんですが…でもそれくらい楽しんだからなあ。典型的な名作しか10点つけちゃいかんってこともないだろうし。
つーわけで10点満点!最高!谷最高!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-09-24 23:05:44] [修正:2005-09-24 23:05:44] [このレビューのURL]

10点 火の鳥

この作品にはロマンとスペクタクルと哲学が溢れんばかりに盛り込まれている。読んでいると心臓に腕を突っ込まれるような感じすらする、それくらいに凄まじく恐ろしい漫画だ。
毒と愛とがぐちゃぐちゃに入り混じったこの世界こそが、本当の人間の世界。それは救いようがなく、だからこそ美しい。

この漫画が描かれたときこそ、まさしく手塚治虫の手に神が宿った瞬間だろう。すべてが圧倒的すぎる。
なんか読んでて土下座したくなった漫画。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-11 22:58:56] [修正:2005-05-11 22:58:56] [このレビューのURL]

グロくてエグくて凄まじい壮大なファンタジー・オペラ。
ファンタジーと言うだけでちょっと食わず嫌いしてしまう人がいるかもしれないが、中身はそう言っていいのか迷うほど血と臓物に溢れた凄惨な話ばかり。だがそれでも嫌悪感を感じず読み進めることができる凄いパワーを持った漫画。
本当の意味での中世ファンタジー漫画って、もしかしたらこの1本だけなのかもしれないな。作品に賭ける気合が違うもの。

いやぁ、点数だけど、これはもう満点つけるしかないよ。本当のプロの仕事だし、何年も何年もかけてこの分厚くて濃すぎる漫画ずっと書いてるんだから。作品の内容については言わずもがな、だしね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-05-04 20:49:33] [修正:2005-05-04 20:49:33] [このレビューのURL]

手塚治虫のすごいところは、どの作品もそれを読んで楽しめる年齢層が幅広いということ。
特にこのブラックジャックはテーマ性と漫画性のバランスが絶妙であり、読者層が幅広い。子供から大人にまで愛される作品というのはまさにこういう作品のことを言うのだろう。

個人的には、中学の図書館で出会って以来その後の漫画フリークスな人生を決定づけることとなったこれまた影響された作品である。
「ゲラ」の回が切なくて好き。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-04 00:59:25] [修正:2005-05-04 00:59:25] [このレビューのURL]

かつてデビュー作で手塚治虫がその異才を認めた、歳を取らない吸血鬼漫画家荒木飛呂彦の代表作。
ネットで検索すれば山ほど関連サイトやファンサイトが出てくるし、他の漫画でも何度もネタにされてるしで、もはや俺が何か言うまでもない漫画史上のマスターピース。

まだちゃんと読んでいない人は絵が濃ゆーい、セリフ多すぎーとか言うかもしれない。しかし、それが何よりの魅力であるということに気づいたとき、この作品に対する評価は逆転する。
そしてあなたは言うだろう、「ジョジョーッ、俺は食わず嫌いをやめるぞーッ!!」と…。

…ショボいオチですいません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-05-04 00:40:24] [修正:2005-05-04 00:40:24] [このレビューのURL]

10点 BLAME!

これはSF好き、兵器好き、ロボ好きとかいう人たちにはもうたまらん!な漫画です。もー凄い凄い。濃い濃い。
とにかくアクションセンス、SF的なセンスが最高!
重力子放射線射出装置だの侵入対攻電子空間だの漢字つなげまくった名前やら、ダフィネルリンベガとかドモチェフスキーとか独特すぎるネーミングがSF好きの感性にヒットしまくる。
その上アクションはスプラッター描写満載の手加減なし、手足飛ぶわ首飛ぶわ半径100kmくらい消滅させるわでやりたい放題。
はっきり言ってやってることはほとんどバカに近いと思うのだが、これを独特な絵や秀逸な演出、描き込まれた建造物等でクールに見せてしまうんだから凄い。

甘ったるいドラマなんざいらねぇ!手足の飛ばない戦闘なんてクズだ!もっと血を!もっとハードコアを!!とか言いたくてたまらない男前なアクション好き、またはスターウォーズのパクリが永遠にループし続ける現状のSF業界に嫌気が差している人に問答無用でオススメ。
とにかく趣味が合えば最高な漫画ってことです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-05-04 00:18:19] [修正:2005-05-04 00:18:19] [このレビューのURL]

(王ドロボウJINGのレビューから続く)
中学になったころ、さすがに俺は気恥ずかしさに耐えられなくなりボンボンを買うのをやめた。JINGとの別れは辛かったが単行本で買えばいいやと思っていたのでまぁすんなりと卒業した。
しかしその後探してみたところ、JINGの単行本は俺の住んでいる地域の本屋には売っていなかった…(俺が見つけられなかっただけかもしんないけど)。意気消沈し、でも段々と俺はJINGの存在を忘れていった。

高校になって、帰りに立ち読みをするのを日課としていた俺は、偶然新しいJINGの連載を発見した。
もうそのときの感動といったら!ああ、ああーと過去の記憶がよみがえり、そしてこの人漫画まだやってたんだ…良かったなぁ…としみじみとしたものも感じるわでたまらんかった…
まぁかなり読みづらくなったなーとか正直思ったけど…いやぁ3つ子の魂なんとやらと言いまして、JINGだったらオールオーケー!と全肯定しちゃってるわけです。それに楽しかったよ、小学生のときのように読みづらい、わかりづらい漫画を何度も読み返して理解するのは。
俺は極度のめんどくさがりなので、ダルイ漫画は斜め読みしてしまうんだがこれだけは特別。いやぁ、幼いころの記憶は消えないもんですな。

ところで皆さん、サザン・コンフォートの回に出てくる2枚の写真、森の部分のトリックに気づきました?
こういうイタズラっぽいことが仕掛けてあるから、「やっぱりJINGが好き!」なんですよ。へへへ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-03 23:09:47] [修正:2005-05-03 23:09:47] [このレビューのURL]

小学生当時、みんなはコロコロを読んでいたが、俺はボンボン派だった。ぶっちゃけ買っているのはクラスで俺だけという有様だったが、それでも俺はボンボンを買うのをやめなかった。

理由はこの漫画が連載していたからだ。
小学生の俺はJINGの連載第1回を読んで思った。
「うわ、わけわかんねぇ!!」
でもこうも思った。
「わけわかんねぇけどスゲー格好良い!スゲー面白い!!」
俺はそれまでこんな特殊な漫画は読んだことがなかった。まるで脳に電撃が走るかほどの衝撃を受け、何度も何度も読み返して理解しようと勤めたことを今でも覚えている。

この漫画にオリジナリティのあるものは素晴らしい、自分の世界をしっかりと確立して描いているものは素晴らしいということを俺は教わった。
その当時はそこまで考えなかったが、しかし感覚的に感じ、そのことだけは理解していた。話の内容は理解できなくとも。
それからというもの、俺は映画にしろ音楽にしろ何にしろ、特殊なもの、新しいもの、オリジナリティのあるものを飢えたように求めるようになった。新しい、どこにもないものを見たときの衝撃。それを現在進行形で求めている。

おそらく俺は小学生のときJINGの1ページ目を開いて感じた、忘れられないあのインパクトをいまだに追い求めているのだろう。
俺にとって間違いなく、漫画というメディアを超え魂を揺るがし、人生に影響した作品だ。満点以外はつけられない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-05-03 22:45:46] [修正:2005-05-03 22:45:46] [このレビューのURL]