「みかん」さんのページ

総レビュー数: 29レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年04月27日

[ネタバレあり]

細々とした設定の矛盾や強さのインフレによるインパクトの失速、後半のドラゴンボールの存在意義を考えると、減点方式で8点ぐらいが妥当かな…と思ったんですが、この漫画の場合キャラクターの魅力が少年漫画では満点以上のものがあると感じられるので、結局10点に戻しました。

漫画としては決して完璧な出来とは言えませんが、「週刊少年漫画」として少年相手に最大限の面白さを与えたという意味では非常に完成度の高い漫画だと思います。その面白さの1つにあるのは、まずはなんと言ってもキャラの魅力。悟空、クリリン、ピッコロ、ベジータ、悟飯、トランクス、ヤムチャ、天津飯に餃子。桃白白、ピラフといった小悪党、フリーザや人造人間、セル、ブウといった強敵もまた劣らず魅力的。さらには非戦闘要員のブルマやウーロン、ブルマの両親やカリン様、神龍らもそれぞれに生き生きとしていて、悟空の居る世界そのものを魅力的なものに映してくれます。

初期の冒険メインの話も私は好きですが、強さを追い求める悟空の性質に焦点を当てて戦いにシフトしていったことで、強さそのものに憧れる少年たちにとって「悟空」というキャラクターは憧れの対象となりえたように思います。

また一見設定等にルーズに見える作者ですが、キャラクターの性質的な設定にはこだわりがあるらしく、ブルマと悟空をくっつけるようにという編集の注文に反対したこともあったようです。結果的に悟空はチチと、ブルマはベジータと…行き当たりばったりながらもきちんと相性の良いキャラ同士を合わせているあたりにプロとしてのセンスを感じます。

キャラの魅力以外にも、飽きさせない展開・わかりやすくかつ迫力が伝わる戦闘描写・かめはめ波や魔貫光殺砲などの真似やすく覚えやすい技・スカウターやホイポイカプセル、仙豆などのアイテム・宇宙やあの世も巻き込む壮大さ・・・。こういった点が、少年漫画として非常にハイレベルな作品であると感じさせてくれます。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2009-04-28 04:40:16] [修正:2009-04-28 04:40:16] [このレビューのURL]

この作品をきっかけに、幕末や明治維新に興味をもった方って多いのではないでしょうか。小学生の頃は(ふーん…)とあまり食いつけなかった歴史の授業も、この作品を読み始めて中学で再び日本史を習う頃には、大久保利通や自由民権運動など、興味津々で授業を受けていた記憶があります。

それはさておき…。。。罪と贖罪という一筋縄では答えの出せないテーマを扱いながら、少年漫画らしい魅力も取り込みつつ、ジャンプの人気漫画(当時はおそらく看板)としては珍しくテーマを描き切って終わるべきところで完結した作品だと思います。

キャラクターたちもそれぞれに「らしい」魅力があり、作中にも表現されていたように、何が正しいか、何を幸せと感じるかは自分の物差しだけでは決めつけられない所が面白かったです。主人公サイドだけでなく敵サイドにも魅力を感じるのはこういった部分が影響してるのでは。

惜しむらくは、最終章である人誅編の縁以外の敵キャラ(特に呉黒星一味)やバトルが、京都編の敵やバトルに比べてしょぼく感じられてしまったところでしょうか。おそらく根幹のテーマをどう描くかということの方に作者がいっぱいいっぱいで、敵やバトル面を丁寧に創り上げることにまで追い付かなかったのではと推測してしまいます。
それでも京都編までは文句無しに、リアルな世界観を残したまま剣術を巧く少年漫画風にアレンジし、動作が分かりやすく迫力もあり、優れたバトル描写だと感じました。

最後に、あまりこういった評価は見かけないのですが、作者は女性キャラの恋愛心理をなかなか巧く描いていると思います。薫・恵・操・由美・鎌足(心は女性なので)・巴。それぞれの恋心が絡んだ言動は女性視点でみて共感できる部分が多く、少年漫画を読む上でこういう風に共感できるのは珍しいと思います。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2009-05-02 02:26:47] [修正:2009-05-02 02:26:47] [このレビューのURL]

6点 ONE PIECE

かつて満点つけても良いぐらいに個人的には評価の高かった作品ですが、(少年漫画なのに少年に優しくない作品になってきたなぁ…)と感じ始めてから自分の熱はみるみる冷めてしまいました。
まず不満に思うようになったのは、主人公があまりに短絡的で、ストーリー漫画であるにも関わらず内面的に成長しない点。これじゃ読者の方がこの10年でよっぽど成長してるよと思えてしまって、成長してない主人公が「仲間」だ「信念」だ「信頼」だと叫べば叫ぶ程それらが薄っぺらく感じられ、読んでて苛立ちの方が目立つ様になってしまいました。

「少年漫画なのに少年に優しくない」というのは…コメント等から察するに作者は少年漫画として少年向けに描いているようなのに、長さはもちろんのこと、構成としても中途新規の少年読者向けな造りになっていないという事です。ワンピに限ったことではありませんが、青年向けならまだしも、ストーリー漫画でここまで長く、しかも途中から読み始めるには理解しづらい造りというのは少年漫画としてどうなの?と疑問です。

キャラクターに関しても、個性があるようで薄いというか…。どのキャラも作者が透けて見えていて……キャラが動いてストーリーが進んでいくのではなく、作者がもっていきたいストーリーに合わせてキャラの言動が動かされてるように感じられるためか、いまいちキャラクター個人にハマれる程好きにはなれませんでした。

ただ、少なくとも個人的にはチョッパーがクルーに加わるあたりまでは上記の点は気になる程ではなかったし、純粋に過去エピソード等にも涙したし、少年漫画としての魅力も十分たっぷりあったと思うので6点で。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2009-04-28 02:02:43] [修正:2009-04-28 02:02:43] [このレビューのURL]

8点 レベルE

すんごく馬鹿馬鹿しいことを、真面目に、誠心誠意真心込めて描きました、というような作品。宇宙人のバカ王子(本名)がしでかす命がけの悪ふざけと、それに振り回される周囲とのやりとりが非常に面白かったです。馬鹿と天才は紙一重、天才なのに馬鹿。実際に居たら迷惑極まりないですが、こんなにも頭のキレるお馬鹿なキャラってなかなか居ないと思います。
カラー戦隊の少年たちの話では、王子は相変わらずであるものの少年同士、少年たちと人魚の交流では心温まる描写もあり、いい具合にバランスのとれた作品だと思います。


ナイスレビュー: 3

[投稿:2009-04-28 02:43:03] [修正:2009-04-28 05:08:11] [このレビューのURL]

私個人としてはとてつもなく思い入れがあるという訳ではないのですが、改めて客観的に作品自体を振り返ってみると、かなり質の高い作品なのではと感じます。

可愛いだけじゃなくイラッとさせられる赤ちゃん・子供の言動なども主人公たちを通して伝わってくるし、また、その苛立ちと向き合い昇華していく様子も丁寧に描かれているので、読み手として様々な感情を体感しながら読み進められる作品だと思います。

「優等生で良い子」な主人公も、真面目すぎて頑固だったり、色々と気にし過ぎて却って状況を悪化させてしまう節があったりと欠点もちゃんと描かれているところに好感がもてました。

登場人物やそれぞれの家族も個性的で、主人公以外の人物目線の話自体も多いので、脇役キャラやその家族がお気に入りだという読者も多いのではないでしょうか。私は藤井くん一家の、もめ事が絶えないけれど絆がちゃんと深く感じられる所が好きでした。

ラストのエピソードはありがちといえばありがち。ですが、初期の読み切り作品への原点回帰のようにも思えます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-05-05 01:01:16] [修正:2009-05-05 01:01:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

欠点だらけなのに魅力のあるキャラクターたちが織りなすドタバタな世界が、楽しく面白い作品。ヒロイン(?)あかねは東風先生を好きなんだけど彼はかすみお姉ちゃんに恋していて…という初期の恋模様は、ベタながらも純粋で、その様子を何となく気にかけている乱馬という図もまたくすぐったくて良かったです。
乱馬とあかねのやり取りにニヤニヤするのはもちろんのこと、ギャグ漫画としても存分に楽しめる作品だと思います。
個人的には中・長編のバトルメインの展開よりも、日常のギャグ寄りのお話の方が好みでした。(恋愛要素の強い真之介編は大好きです。)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-04-27 21:59:28] [修正:2009-04-27 21:59:28] [このレビューのURL]

少女漫画好きなら一度は読んでおきたい、王道中の王道ラブコメ作品。呆れる程にドジでおバカな主人公ですが、入江くんへの愛と情熱パワーがたくましく、そういう部分にはちょっと憧れてしまう部分があります。
連載当時別マの大看板だったと記憶していますが、続きが気になる…という所で作者が急逝されてしまったことが非常に残念でならないです。

琴子や入江くんや金ちゃんなど個々のキャラクター付けや役割・配置は、作者のイタkiss以前の作品にも割とよく見られるパターンの様に思いますが、イタkissでのこれは、まさに彼女がこれまでに描いてきた作品たちの集大成だったのではと感じます。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-05-10 00:15:58] [修正:2009-05-10 00:15:58] [このレビューのURL]

マサルさん程の知名度は無いかと思いますが、読んでみると「あれ?なんか知ってるかも」とうっすら記憶が蘇る人は多いのではと思います。今で言うジャガーさんの位置(巻末)を定位置にそこそこ長く連載されていました。
独自の絵柄と独自のテンポ、そして独自のセンスが巧くマッチしていて、不意打ちで笑わしてくるギャグ漫画です。漫画というか、作者の妄想がフリーダムに描き綴られた妄想手帳と言っていいかもしれません。合間合間のオマケ漫画も面白い。

後半は作者のセンスに慣れてきて新鮮さが薄れる印象もありますが、とりあえず前半は、ハマる人はクセになる、珍味のようなギャグ漫画。

〜追記〜
単行本は大判で古本屋でも非常に見つけづらい場所にあったり無かったりなんですが、最近コンビニで復刻版みたいなのが売られてたので、試しに読んでみて損はないと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-28 05:25:11] [修正:2009-04-28 05:25:11] [このレビューのURL]

8点 DEATH NOTE

[ネタバレあり]

連載中はコミックス発売まで待てず、ジャンプを久々に立ち読みするようになる程続きが気になる作品でした。先の展開が予想の斜め上をいくというか…センター試験で月の後ろの方にLが座っていたヒキなんかは、ゾクゾクきました。

後半は前半に比べやや物足りない感じはありますが、面白く鮮度も比較的保ったまま終わってくれたのは良かったです。Lという魅力あるキャラが死んだのは非常に残念ですが、記憶を無くした時点で月の勝利が決まっていたという展開は面白かったし、終わってみればほぼ満足に楽しめた作品でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-28 01:05:30] [修正:2009-04-28 01:05:30] [このレビューのURL]

一言でいうと「面白かった」。

まず、願い事を叶えてくれるという紅茶王子を呼び出すおまじないや、小さな紅茶王子、王女の見た目の可愛らしさ、そして人間サイズでの華やかさ…。このあたりの乙女ちっくでドリーミングな要素
と、しっかり者だけどややがさつな主人公のバランスが丁度良かったと思います。甘さだけでなく、爽快感も印象に残る作品でした。


勿体ないなと思ったのは、美佳→奈子→アッサムの三角関係が不完全燃焼に終わったところですかね。人間でしかも主人の好きな人に恋愛感情を持つなんてタブーだ、というアッサムの葛藤や、そこから奈子が一度はハッキリと失恋するという展開など、きっちり掘り下げた構成で見たかったなーという思いが残りました。
美佳が嫉妬と焦りからアッサムを帰してしまったところで「いよいよ三角関係がメインに!?」と期待したら、そこで美佳がほぼ退場になってしまって「あれっ?」でした。

終盤は設定上の伏線回収に比重がいきすぎだったかな。

上手く表現されてたなと思うのは、紅茶王子たちとの出逢いによる心躍る気持ちと、別れの寂しさ、それを乗り越えようとする前向きさ。ペコーの時も紅の時も、読んでて切なかったです。

それからやっぱり少女漫画で大事な魅力のひとつ。
ヒーローがかっこいい!
ケンカップルがデレる瞬間というのは最高です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-07-02 12:31:09] [修正:2012-07-02 12:41:49] [このレビューのURL]

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