「霧立」さんのページ

総レビュー数: 33レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年05月13日

[ネタバレあり]

森永あいの作品ということで楽しく笑えるかと思ったがちょっと風合いが違った。
想い人の異性と身体が入れ替わる話なのだが肝心の想い人とは一向に恋愛が進展せず、お互い異性の体のまま自分達の親友(つまり同性)と関係を深めていってしまう。
つまり見かけ上は男女のつきあいでも本質的にはBLであり、それが許容できる読者でないと基本受け付けない作品なのだ(当然他方では百合も発生するがそちらはヒロインが元来粗暴なので全然期待できない)。
森永あいの笑いは、基本的に無垢な善人が不運や人格破綻者に翻弄される悲劇を同情しつつ笑い飛ばす事にある。しかしこの作品では主人公の想いがブレる事が原因で話が拗れるため正直あまり同情できない。それはすなわち笑えないという事になるのだ。

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[投稿:2015-02-23 15:36:31] [修正:2015-02-23 15:36:31] [このレビューのURL]

古代ローマと現代日本を温泉というキーワードで繋げた発想は面白いし、こうした作品を描くには相応の造詣というか作者自身のバックボーンが必要なのでそこは素直に感服します。
ただ全巻読み終えて感じるのは何か「足りない」という事。印象に残るエピソードも、もう一度読みたいシーンも、思い出し笑いしてしまうようなギャグも、おっと思わせるような台詞も、あーこいつ好きだわと思えるようなキャラクターも見つからない。じゃあ破滅的につまらなかったのかと言えばそうでも無い。
ただ間違いないことはもう一度作品を読み直そうという気にはならないということ。厳しい言い方かも知れないが作者の「熱量」をあまり感じられない作品に思えた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-02-05 22:01:18] [修正:2015-02-05 22:01:18] [このレビューのURL]