「霧立」さんのページ

総レビュー数: 33レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年05月13日

サーカス団の日常が中心のサーカス編と
自動人形との戦いを描くからくり編。
それぞれに散りばめられた伏線をきっちり回収しつつ
一つの流れにまとめていくという構想はとても面白く、
また圧倒的なキャラクターの存在感と描写力で
見る者を引き付けてやまない、すばらしい作品でした。
…途中までは。

多くのレビューが黒賀村編からのダレを
指摘しています。自分ももちろん同感なのですが
個人的に一番がっかりしたのは最後を結局
「バトル」で決着させたことです。

二つの話がシンクロする前までは、からくり編の
悲劇を最終的に救うのはサーカス編だと思っていました。
力ずくのバトルで決着をみるのではなく、
サーカスを通じた幾多のエピソードを経て、
エレオノールの見せる笑顔がきっとすべてを氷解させると。
「世界を救うのなんて、案外こんなもの」なんて
仕掛けをこの作者ならきっと見せてくれたはずと今でも
信じています。

結局は両編のキャラクターを巻き込んでバトルに突入した
訳ですが、どうみても戦闘スペックに差がありすぎる
サーカス団連中が無理くりバトルをしている展開と、
そもそも戦闘的カタルシスはサハラ編でピークに
達していたことも相まって、後半の崩れ具合は連載時見ていて
とても辛いものがありました。

それでも前半部だけでも読む価値はありますので、読んでほしい
作品ではあります。
パウルマン&アンゼルムス戦は正直泣きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-13 15:54:06] [修正:2010-11-13 15:54:06] [このレビューのURL]

作者がいい意味で肩の力を抜いて
好き勝手できている作品。

90年代のキャンパスライフをベースに
恋愛・痴情・復讐(笑)などをちりばめた
テンポのよいストーリーで大いに笑い、
ちょっぴりの感動も心得ている。

サブキャラたちが面白すぎるので
主人公が埋没しているのが少し残念ですが
そんな所も気にならない、とにかく楽しい作品です。

同作者の「無限の住人」を読んでも読んでいなくても
楽しめます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-13 00:01:24] [修正:2010-11-13 00:01:24] [このレビューのURL]

色々な面白さを持っているのでまとめるのが難しいのですが、
敢えて言うなら
漫画の持つあらゆる要素(ストーリー・絵柄・構図・セリフ・擬音etc…)にオンリーワンを追求し、
かつそれをエンターテイメントの域まで高めている作品です。

確かに好き嫌いは分かれます。基本グロですし絵はクセがあるし
難解すぎて「?」な展開などもあります。ですが
それを補って余りある魅力があるのもまた事実。
ハマった時の中毒性はどの作品よりも強いと思います。

生理的に受け付けなかったら申し訳ないけど、それでも薦めずには
いられない、そんな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-12 23:40:12] [修正:2010-11-12 23:40:12] [このレビューのURL]