「columbo87」さんのページ

総レビュー数: 284レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年04月28日

ガイドブックが出てしまうくらい多くのエピソードを持つウルヴァリン。彼最大の謎がまさにそのオリジン、ヒーリングファクターによって年をとらず、おまけに度重なる洗脳によって記憶が残ってなかったり混乱しているわけです。
この企画がウルヴァリンZEROの映画に合わせてだったか、原作レイプな映画化されるまえにこっちでやってしまえという思惑だったかは忘れましたが、ウルヴァリンの過去は謎だからこそ面白いわけで、それ自体がキャラクターのアイデンティティとなっているわけです。その謎を明かしてしまうのは明らかに蛇足、手品の種明かしみたいなものではないかと思ったりします。実際企画を出した時ライターたちからは大反対を受けたとか。
反面そういった声があることを承知しつつオリジンをやろうと踏み切ったのは勇気ある行動だとも言えるでしょう、キャラにあぐらをかいてマンネリになるよりはいいのかもしれません。

肝心の作品としての完成度は、無難な所でしょうか。全体的に古い映画のようなシナリオで、ヒーロー物という感じは薄い。もしかしたら新規読者も読みやすいかも。
最大のマイナスポイントは出オチ感…ミスリード狙いすぎてバレバレだったし、あの貧弱ぼっちゃんがウルヴァリンてのもちょっとかけ離れすぎだ。加えて物語も、ウルヴァリンへと変化する動機付けとしては弱い。
キャラクターの過去を語るのだったら、現在につながる後付け伏線をもっと用意してもよかったのではないだろうか、ローガンの赤毛好きくらいしかつながってないような。
このストーリーによって特にウルヴァリンというキャラクターの肉付けがされたされたようにも新たな魅力が引き出されたようにも思えない。特に読む必要は無いなーというのが素直な感想。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-10 11:31:03] [修正:2011-12-10 11:36:16] [このレビューのURL]

ヒーロー登録制度を巡ってヒーロー同士が殺し合いを始めるお話。
マーベル系の邦訳、特にクロスオーバーやニューアベンジャーズシリーズは単体で楽しめるものはあまりなく、シリーズを通して読まないと面白さが伝わってこないように思います。ただでさえそれぞれのシリーズ、キャラクターの素性やら人物関係を知っていないと読むのが厳しいアメコミなので、マーベル邦訳は新規読者にも財布にも優しくないなぁと思ったりします。
しかし、このシビル・ウォーは例外です。とにかくド派手にヒーロー同士が戦うのでそれだけで見ていて楽しい。結構原作ファンからはキャラ崩壊だのと批判されるようですが、僕は特にキャラクターに思い入れのない初心者なもので、「おう、やったれやったれ」という感じで、泥沼化していく無茶な展開も楽しむことができました。
個人的に面白かったのはパニッシャーの嫌われっぷり。これだけ見ると苛められっ子だぞw


主題としてヒーロー登録制なんてのがあるわけなんですが、両陣営とも急にヒートアップしちゃって内ゲバをおっぱじめてしまう無理な展開なので、特に考察しなくてもいいんじゃないかなーとか思う。まぁどちらの言い分もわかるんですがね、もうちょっと話し合えよお前ら・・・という、これがアメリカ流なのか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-10 10:54:51] [修正:2011-12-10 10:58:37] [このレビューのURL]

メタもメタ、二次創作的(アメコミはまあそういう性質なんだが)に、これだけメタにバットマンという作品、キャラクターを捉えたものを生み出すのには、かなり勇気がいったことだろう。
表題からして完全にムーアのを意識して...というかそもそもそういう趣旨で依頼された作品なのだが、かなり切り口は変えてあるので、比較して評価というよりもこれはこれ単体で見ていくべきだと思う。

「何がケープド・クルセイダーに起こったか?」8点
舞台はバットマンの葬儀から始まる。参列するのは、キャットウーマン、アルフレッド、ジョーカー...様々な作品の、時代のキャラクターたちが、彼らのバットマンの最後を語る。その様子を超越視点から眺めるバットマン。彼自身が彼を見つめる...様々な世界で生き、死んでいった自分を。そして彼はその意味を徐々に理解し始める。バットマンという存在を、己に定められた運命を。
それでもきっと彼は諦めない。力尽き倒れようと、何度生み出されようと、これからも我々とともに、きっと、在り続ける。今はただ戦士にしばしの休みを...
バットマン作品を知れば知るほど、読む度に深みが増す。私自身、近頃読み返してこうまでも感じ方が変わるものかと驚いたほどだ。
アンディ・キューバートのアートも見事で、様々なアーティストのタッチを見事に再現している。幻想的で象徴的な世界の構成も素晴らしい。
ファン必見のエピソード。


他収録作品
「黒と白の世界」6点
いわゆる楽屋オチ。うってかわって明るく笑えるメタバットマン。ジョーカーとの掛け合いだけだがなんとも愉快。

「パヴェーヌ」4点
ポイズン・アイビーのエピソード。怖いが地味。

「原罪」「いつドアは・・・」5点
リドラーが動き回る様子がなかなか楽しい作品。リドラーが活躍するのってHUSHくらいしか見たことないからなんとなく印象深い。え?バットマンフォーエバー?あれは怪人ジムキャリーマンです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-11 11:47:36] [修正:2011-12-09 10:16:26] [このレビューのURL]