「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

[ネタバレあり]

グロテスクな描写を娯楽として受け止めれる数少ない作品。
基本的には異常な性癖やトラウマを持つ登場人物たちの活躍に焦点を当てた内容だが、
敵である垣原の異常性が右肩上がりに上がっていき、この世界では異常性=強さであることから、
最強の敵となって物語の柱となった。敵ながら魅力的な第2の主人公と言える。
最強のMだから強い、というのは理屈は通っていないが説得力が十分にあった。

主人公は、トラウマと現実の融合による悲しみとも言える憎悪が強さの裏付けとなっていくが、
その描写の変質性は作品に引きこむ力が十分にあり、読者はコンダクターであるおっちゃんとともに
イチと垣原の接近を楽しみに読み進めることとなる。
緊迫感と期待で最後まで読ませてくれた。

画力は高く、変態性が損なわれず描写できている。
他では見ないようなサド描写やマゾ描写は、耐性がなければキツイが
人間の秘部を見たように思えて痛快。

構成は見事の一言、歌舞伎町の異常なビルを舞台によくまとめあげたと思う。
終盤はここまで濃いストーリーを展開した割に、あっさりとした結末。
ドギツい読後感がなく、この作品にあったラストだと感じた。

良質なキワモノ作品として、いつまでも忘れないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-06 18:13:57] [修正:2014-11-06 18:13:57] [このレビューのURL]

4点 1/11

ひとりの少年のエピソードを中心とした。サイドストーリー、ショートストーリーの集まりになっている。
便宜上その少年が主人公となっており、時系列を無視した構成である。
個人的には主人公のエピソードはあまり印象的でなく、そのまわりにいくら肉付けしても、
インパクトが薄いことに変わりはなかった。

主人公に魅力があまりなく、活躍しても溜めがないのでカタルシスがない。
内容が少年向きなのか、あまり引き込まれないまま終りを迎えてしまった。
主人公の性格や経歴、そしてストーリーが、中学生の妄想のようで恥ずかしさがある。

ひとつひとつのエピソードで思うところも多少あったが、印象が弱い。
画も必要十分のレベルで凡庸。引き込まれるような燃える展開か、
もっと感慨深くなるようなストーリーがあればなぁと、あと一歩の作品だったように思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-04 10:27:22] [修正:2014-11-04 10:27:22] [このレビューのURL]